Personal computer and Tablet

Chapter 1
すぐに上手くなるための基本ワザ

01 デジタルー眼カメラ 購入時のチェックポイント

デジタル一眼レフ
ミラーレスー眼
イメージセンサー

デジタルー眼にはさまさまな種類があり、初めて購入する人は迷ってしまうだろう。
まずは、カメラの種類や見極めるポイントを知っておこう。

連写/速写性に優れ、レンズが豊富なのはデジタルー眼レフ
コンパクトで軽量、機動力が高いのはミラーレスー眼
目的に応じたスペックを選ぶ

デジタル一眼は、デジタルー眼レフとミラーレス一眼の2種類に分けられる。
まずデジタルー眼レフのメリットとしては、光学ファインダーによる被写体の追従しやすさや、連写や速写性に優れている点が挙げられる。
風景やスナップはもちろんのこと乗り物やスポーツも得意とする。
レスポンスがよく高性能なモデルが多い。
ただし、ミラーレス一眼に比べると大きくて重いものが多い。
また、交換レンズも豊富なので、レンズ性能を活かしたさまざまな撮影が楽しめる。

左が一般的なデジタルー眼レフ。
ミラーレスー眼に比べ大きいが速写性やレスポンスは良い。
ミラーレスー眼はコンパクトで扱いやすい。
ライブビューファインダーという液晶を使ったファインダーを搭載する機種も。

ー方、ミラーレスー眼は、光学ファインダーを搭載していないため圧倒的にコンパクトで軽量で、コンパクトデジカメのように液晶画面を見ながら手軽に撮影できる。
機動力を活かした街スナップや旅行に最適だ。
ただし、連写や速写には弱いのでスポーツや乗り物を撮る性能はデジタルー眼レフと比べると劣る。

また、フルサイズやAPS-C、フォーサーズ、マイクロフォーサーズなど、イメージセンサー(フィルムカメラのフィルムに相当する部分)の大きさによっても違いがある。
イメージセンサーのサイズが違うと同じ焦点距離のレンズを使用しても、実質的な焦点距離が変化したり(P.12参照)、ぼけ感、高感度性能などにも影響する。
高感度性能に関しては、基本的にイメージセンサーサイズの大きいフルサイズやAPS-Cのほうが優れている場合が多い。

購入時にチェックしておくべきこと
画素数、連写機能など主な機能は目的に合っているか
実物を触ってグリップ感やサイズ、重量が手になじむか
液晶画面のサイズや明るさは見やすいか
交換レンズは豊富か、目的に合うレンズはあるか
ストロボなどのアクセサリー類は豊富か

画素数は10MPや18MPなどMP(メガピクセル)と表記してあることが多い。
数字が大きいほど画素数が多く、より鮮明な画像が得られ、大きくプリントしたい場合などによい。
スポーツなどを撮りたくて連写性能を重視するなら、7FPSなどFPS(コマ/秒)の多いモデルを選ぶといいだろう。

02 交換レンズ選びのポイント

焦点距離
ズームレンズ
単焦点レンズ

デジタルー眼の最大のメリットは、レンズを交換できる点にある。
撮りたい被写体やシーンに合わせて選ぶのが写真上達への近道だ。

広角、標準、望遠から撮影目的に合うレンズを選ぶ
単焦点レンズは大きなほけを楽しめる
APS-C機では焦点距離が約1.5倍になる

まずはズームレンズを使う

ズームレンズは、焦点距離を変えて一本でさまざまな画角(写す範囲)で撮影できる便利なレンズだ。
カバーする撮影領域に応じて3つに分かれ、用途に合わせて選ぶ必要がある。
ー般的なのが、標準ズームレンズで、35mm判換算で24〜85mm相当の広角域から中望遠域をカバーする。
風景からポートレート、スナップまでオールマイティーにこなせる。
カメラのキットレンズもこの標準ズームレンズが多い。
風景や室内を広く撮る際に便利なのが広角ズームレンズだ。
35mm判換算で14〜35mm相当の超広角域から広角域の画角をカバーする。
乗り物やスポーツ、遠景など被写体を引き寄せて撮る際は望遠ズームレンズが便利。
35mm判換算で70〜300mm相当の中望遠域から超望遠域をカバーする。
中には、広角から望遠まで一本で対応する高倍率ズームレンズもある。
使いこなし次第で撮れる写真も変わってくるので、最適なレンズを選ぶようにしよう。

単焦点レンズで表現力アップ
単焦点レンズは、焦点距離が固定されているレンズを指す。
開放F値が明るいレンズが多く、多彩な表現を楽しめる。
開放F値とは、レンズの絞り(P.16)をもっとも開けられる数値で、小さいほど取り込める光量が多く、明るいレンズになる。
中にはF1.2やF1.4などのレンズもある。
レンズが明るいと、シャッタースピードを得られやすく、手ブレや被写体プレを防ぎやすい。
また、被写界深度が浅いため背景をぼかしやすく、ズームレンズに比ベ光学設計に無理がないため描写力も高い。
初めて挑戦するなら、人間の見た目に近い画角で撮れる、35mm判換算で50mm相当のレンズがオススメだ。

HINT
機種によって変わる焦点距離
レンズ表記の焦点距離は、35mm判のフィルムが基準になっているため、使用機種のイメージセンサーの大きさによって、撮影時の実質的な焦点距離が変わるので注意したい。
例えばフルサイズ機のセンサーは35mm判フィルムと同等の大きさなので、50mmのレンズを装着すると表記通りの50mmで撮影できる。
しかし、初中級機に多いAPS-C機では1.5〜1.6倍の75mm〜80mm相当になる。
また、フォーサーズ機では2倍の100mm相当になる。

03 フルオート撮影で簡単キレイに撮る

デジタルー眼にはさまさまな機能が付いているため、初めてだと難しく感じるかも知れない。
ここでは、誰でも簡単キレイに撮影する方法を紹介する。

モードダイヤルを全自動(AUTO)に設定
シーンモードは被写体別に最適化された設定で撮れる
全自動やシーンモードがない場合はプログラムオートを

全自動モードは、カメラが被写体の明るさを認識して、シャッタースピードや絞り値、ISO感度、ピント合わせなど撮影に必要なことを自動で行うモードだ。
ファインダーをのぞいてシャッターボタンを押すだけで、簡単にキレイな写真を撮影できる。
最近のデジタルー眼は、一部の上級機を除き、この機能を搭載している。
設定を気にせず撮影に集中できるので、初めてデジタルー眼を使うなら、慣れるまでは全自動で撮影してみよう。
撮影に慣れたら次のステップであるシーンモードを使ってみよう。
シーンモードは、全自動モードの一種で、被写体に特化した設定で撮影できる。
例えば、ポートレートモードに設定すると、背景をぼかしたり、肌の色をキレイにしてくれるのでオートよりもワンランク上の写真になる。
ほとんどの機種で、ポートレートや風景、夜景ポートレート、スポーツなど、オート撮影では難しいシーンはひと通り搭載されている。
カメラの種類によっては、全自動モードやシーンモードを搭載していない機種もある。
その際に使えるのがプログラムオートだ。
基本的にシャッタースピードや絞り値は自動的に設定されるのだが、ISO感度だけは自分で設定する必要がある。
ISOオート(P.24を参照)を搭載しているカメラであれば、ISO感度をISOオートに設定することで、シャッターボタンを押すだけで、簡単に写真を撮影できる。

全自動
すべて自動

シーンモード
すべて自動(シーンのみ自分で選ぶ)

プログラムモード
絞り・シャッタースピードが自動

撮影の設定に迷った時や気軽にスナップしたい場合には全自動モードが便利。
特に順光ではきれいに撮影できる。

04 絞り優先モードで上達する

背景を大きくぼかした写真に憧れのある人は多いだろう。
そんなクリエイテイブな撮影の秘談は、絞り優先モードを使って絞り値を変更することにある。

絞りで光の量とピントの合う範囲を調節する
ぼかす=絞り値を小さく、くつきり=絞り値を大きく
基本的には常に絞り優先モードを使う

まずは、「絞り」について簡単に知っておこう。
絞りとは、レンズから光を取り込む穴の大きさを調節する部分。
絞りはF値という数値で表現され、この数値をコントロールすることで、写真の描写を変えることができる。
絞りには2つの役割がある。
ーつ目が光の量のコントロール。
絞りを開けると光を多く取り込めるため、シャッタースピードを速くできる。
その逆に、絞ると光の量が制限されてシャッタースピードは遅くなる。
二つ目の役割が、被写界深度のコントロール。
簡単に言うとピントの合う範囲を調整できるということだ。
絞り値を小さくすると、ピントの合う範囲が狭くなり、被写体の背景がぼけてソフトなイメージに仕上がる。
一方、絞り値を大きくするとピントの合う範囲は広くなり、被写体と背景の両方にピントが合って、シャープなイメージに仕上がる。
シーンによって変わるが、ぼかすなら絞り開放、くっきり写すならF8を目安にしよう。
絞り優先モードとは、この絞りを自分で調整でき、適正露出になるようにシャッタースピードが自動で決定されるモードのことを言う。
被写体や撮影者のイメージによって最適な絞りを選択することで、デジタルー眼ならではのさまざまな表現が楽しめる。
基本的には絞り優先モードに設定しておき、クリエイティブな撮影を楽しんでみよう。

05 ピント合わせで失敗しない撮り方

ビント合わせは写真の基本。
狙い通りにビントを合わせるには、力メラのAFを上手に使う必要がある。

フォーカスポイントは1点に設定する
ピント位置と構図が違う場合はAFロックを行う
風景や静物はライブビューでビント合わせ

デジタルー眼には自動的にピントを合わせてくれるAF(オートフォーカス)が搭載されているが、AFを使って撮影しても、注意しないとピンぼけしてしまうことがある。
ピンぼけの原因はさまざまだが、AFの設定ミスが原因のことが多い。
初期設定では、ほとんどの場合、カメラが自動的にフォーカスポイントを決めてしまう自動選択AFになっているので、撮影者の意図していない場所にピントが合ってしまうことがある。
そういったミスを防ぐ上でもシングルAFモードにしてフォーカスポイントは1点に設定しよう。
構図によってはフォーカスポイントが被写体と合わないこともあるだろう。
その場合は、フォーカスポイントで被写体にピントを合わせた後、シャッターボタンを半押しのままにすることでピントを固定(AFロック)して構図を変更すると、ピンぼけを防げる。

フォーカスロックのやり方
被写体にフォーカスポイントを合わせてシャッターボタンを半押しする。
ピントが固定されるので、そのまま構図を整えてシャッターボタンを全押しする。

風景や静物はライブビューでピント合わせ
風景や静物などの動かない被写体は、ライブビューが役立つ。
ピント位置拡大機能を使えば5〜10倍に画面を拡大して、厳密にピントを合わせられる。

06 露出補正で表現力アップ

カメラ任せの露出では、イメージ通りの明るさにならないことがある。
露出補正を使えば、思い通りの露出にできる。

カメラは撮影者のイメージする明るさは理解してくれない
白い被写体はブラス補正、黒い被写体にはマイナス補正
困った時は、露出ブラケットで数パターン撮る

最近のデジタルー眼の露出の精度はかなり正確だ。
それなのに、写真の明るさが思ったよりも明るくなったり、暗くなったりなどイメージ通りにならない人も多いだろう。
そもそも、明るめのハイキーな写真が好きな方もいれば、暗めのローキーの写真を好きな方もいるので正しい露出というものはないが、カメラが基準にしている露出があり、一般的に「適正露出」と呼ぶ。
カメラの露出は反射率18%グレーを基準にしているため、反射率の高い白は明るいと判断し、反射率の低い黒は暗いと判断してしまい、撮影者のイメージや好み、被写体の雰囲気まではくみ取ってくれない。
その結果、写真が思ったよりも暗くなったり明るくなったりする。
そのような場合は、露出補正をかけて、イメージ通りの明るさにしよう。
露出補正は、ほぼすべてのカメラに搭載されており、ブラス補正すると明るく、マイナス補正すると暗くなる。
露出値はEVで表記され、例えば+1/3EVは1/3段明るくなるように補正したという意味である。
露出補正を上手に使えば、写真の明るさは自由に変更できる。
シーンや被写体に合わせて、表現力をアップしよう。

迷ったら露出ブラケットを使う露出ブラケット機能は、連写することで、自動的に露出を変えながら上記のような暗め、標準、明るめ、の3枚を撮影してくれる。
シャッターチャンスを逃せない時に役立つ。

白い被写体はカメラ任せの露出ではグレーっぽく暗めに写ってしまう。
ブラス補正でイメージ通りの明るさになるように調整しよう。

黒っぽい被写体は明るく写りがちだ。
マイナス補正でローキーにすることで、全体が締まり、雲の影の部分の質感や水面の反射が強調される。

07 シャッタースピード優先モードで時間や動きを表現する

被写体の動きを止めるのも、動きを表現するのもシャッタースピードが大きく関わっている。
シャッタースピードを使って時間をコントロールしよう。

被写体の「動き」を表現したい時はシャッタースピード優先で撮る
動きを止めるなら高速シャッター、あえてブラすなら低速シャッター
光量が足りない場合はISO感度を上げる

現実世界では、時間の流れをコントロールすることはできないが、カメラなら数千分の一秒で被写体の一瞬の動きを止めたり、数分や数秒のシャッタースピードで被写体の動感を表現したり、人間の目には見えない世界をー枚の写真で表現できる。
デジタルー眼では、基本的には絞り優先モードでの撮影がオススメだが、時間を表現したい時はシャッタースピードを自由に設定できるシャッタースピード優先モードを使おう。
シャッタースピードを設定すると、絞り値はカメラが決定してくれる。
被写体の一瞬の動きを止めたい場合は、シャッタースピードを高速に設定する。
ただしシャッタースピードを上げすぎると光量不足になりやすいので、光量不足の場合はISO感度を上げて対応しよう。
被写体を流したり、ブラしたりする場合はシャッタースピードを低速に設定する。
絞りとシャッタースピードの合わせワザで、写真表現の粋はさらに広がる。

08 ISO感度はオートを活用する

ISO感度は暗いシーンなどで活用できる機能。
自分で設定するよりも、オートにしておくほうが確実で失敗を防げる。

自動的に感度を変えてくれるISOオートでブレを防止
明るさがまちまちでもシャッターチャンスを逃さない
夜景撮影や意図してブラしたい時は手動で設定

カメラの露出は、絞り、シャッタースピード、ISO感度の組み合わせで決まる。
ISO感度とはカメラの光に対する敏感さのことで、日中などはISO100〜200程度でもよいが、暗い場所では光量が足りないので400、800と上げる必要がある。
基本的には、自動的に感度を変えてくれるISOオートに設定しておこう。
ISOオートに設定しておくと、絞り優先モードで撮影する場合、設定した絞り値ではシャッタースピードが遅くなって手ブレするとカメラが判断した場合、自動的にISO感度が上がってシャッタースピードがキープされて、手ブレを気にせず撮影できるのだ。
シャッタースピード優先で乗り物などを撮る際にも、設定したシャッタースピードでは適正露出が得られない場合にISO感度が自動的に上がり、シャッタースピードは保持したまま、露出が適正になるように調整してくれる。
そのため被写体をブラさず撮れる。
夜景撮影や意図的に被写体をブラしたい時は手動で設定する必要があるが、普段はISOオートにしておき、シャッターチャンスを逃さないようにしよう。

上限感度などがある場合は設定しよう
ニコンの一部の機種では、[制御上限感度]と[低速限界設定]を設定できる。
制御上限感度は、ISO感度の上限を自分で決められる機能だ。
ISO感度による画質低下が気になる場合に便利。
低速限界設定は絞り優先モードなどでの撮影の際、設定したシャッタースピード以下の数値になりそうな時だけISO感度が自動的に上がり、シャッタースピードを維持できる。

09 ワンランク上の画作りに効く

設仕上がり設定は、画作り全体に関わる重要な設定だ。
効果的に使えば、ワンランク上の写真に仕上げられる。

基本はバランスのいいスタンダードに設定
被写体を鮮やかにしたい時はビビッドなどに
時にはモノクロでアーティスティックに

仕上がり設定は、画像の彩度や色味、コントラストなど画像の仕上がりに関わる設定だ。
設定次第では写真のイメージが大きく変わることもある。

仕上がり設定というのは総称で、カメラメーカーごとに名称が違う。
例えば、キヤノン製のカメラはピクチャースタイル、ニコン製はピクチャーコントロールと言う。
もっとも頻繁に使用する設定はスタンダードで、彩度やコントラストのバランスがよく、ほぼすべての被写体に対応できる。
設定に迷ったらまず「スタンダード」で撮影しておけば問題ないだろう。
彩度とコントラストが高めの「風景」や「ビビッド」は被写体を鮮やかに表現する時に役立つ。
空や海、自然を鮮やかに撮影する場合に最適だ。
撮影後のRAW現像を前提に撮影するこだわり派は、ニュートラルや忠実設定などコントラスト低めの仕上がり設定がベストだ。
時には、「モノクローム」などで撮るとアーティスティックな仕上がりになるのでオススメだ。
また、RAWで撮影しておくと撮影後でもRAW現像ソフトで仕上がり設定を変更できる。

HINT
アートフィルターで遊ぼう
最近のデジタルー眼は、仕上がり設定の他にデジタルフィルターを搭載しているモデルも多い。
作例は、オリンパスのデジタルー眼のクロスプロセスフィルター。
緑がかったイメージに仕上がる。

10 ホワイトバランスを使いこなす

オートホワイトバランス
プリセットホワイトバランス
色温度

ホワイトバランスは、色の偏りを補正してくれる機能だ。
時にはカラーフイルターのように、写真全体の色味や雰囲気を変えられる。

ホワイトバランスは被写体が持つ色合いを引き出す
基本はオートホワイトバランス(AWB)を使う
雰囲気を活かすならホワイトバランスをあえてずらす

光には色があり、その色の偏りが被写体に影響してしまう。
ホワイトバランスは、光源と相対する色をのせることで、被写体の白い部分を白色に見
えるように補正してくれる機能だ。
例えば、曇りの日は色が青に偏るので赤みをのせて色を補正してくれる。
基本は、オートホワイトバランス(AWB)を使用しよう。
被写体本体の色が出るよう自動で補正してくれる。
しかし、オートホワイトバランスは万能ではない。
例えば、雰囲気のある電球に照らされた室内を撮ると白熱電球の赤みの強い色が補正され、せっかくの雰囲気を失ってしまう。
そのような場合は、あえてその場の光源とは別のプリセットホワイトバランス(光源別に用意されたホワイトバランス)に設定しよう。
白熱電球の赤みを活かすなら、太陽光にセットすると電球の雰囲気を表現できる。
オートをベースにしつつ、イメージや雰囲気に合わせてホワイトバランスを変えることで思い通りの色味で撮れるようになる。

HINT
光が持っ色温度光の色のことを色温度と言い、ケルビン(K)という単位で表す。
数字が小さい(色温度が低い)と赤みが強く、数字が大きい(色温度が高い)と青みが強くなるということだけ覚えておこう。
雰囲気のあるお店の落ち着きのある照明は2500〜3000K位、青みの強い日陰では8000K、太陽の光で5600K程度だ。
多くのカメラで色温度指定機能を使って、ケルビンの数値を決めて色味を調整できるので、シーンに応じて使おう。

太陽光マーク → 補正なし → 夕日をそのままの色で撮る

11 明暗差に効く階調補正

階調補正機能
白飛び
黒つぶれ

明暗差のあるシーンでは白飛びや黒つぶれがよく起こる。
階調補正機能を上手に使えば見たままの印象で撮れるので、使い方をマスターしよう。

明暗差の激しいシーンで役立つ
白飛びにはハイライト補正、黒つぶれには暗部補正
写真にメリハリが欲しい時はOFFにする

明暗差のあるシーンでは、明るい部分がまっ白になったり、暗い部分が真っ黒になってしまうことが多い。
デジタルー眼は、肉眼とは違い表現できる明るさ(ダイナミックレンジ)に限界がある。
そのため、被写体の明るさがダイナミックレンジの限界を超すと白飛びや黒つぶれを起こしてしまう。
階調補正機能はそれを軽減できる機能だ。
カメラメーカーによってさまざまな種類があるが基本的にはほぼ同じ。
ただし、カメラによってはハイライトと暗部の両方を補正するものがあれば、ハイライト補正と暗部補正が分かれているカメラもある。
階調補正機能は、補正時にノイズが発生し画質の劣化を起こすこともあるので、常時使用ではなく撮影毎に設定しよう。
例えば、風景で雲の白飛びが気になる場合はハイライトの階調補正をONにしたり、街スナップで陰の黒つぶれが気になる場合は暗部補正をONにするようにしよう。
階調補正機能は便利だが、使い方によってはメリハリのない写真になってしまうのでイメージに合わせて使いこなそう。

階調補正機能で補正レベルを設定できるなら、イメージに合わせて調整しよう。

12 光を見極めて写真を表現する

順光
逆光
サイド光

写真をイメージ通りに撮影するには、光を見極める力も必要。
光の見極め方をマスターすることが、上達への近道だ。

色鮮やかにクッキリ写すなら順光
影を強調したりふんわり仕上げるなら逆光
陰影を出したり立体感を出すならサイド光

光の位置によって写真のイメージは大きく変化する。
晴れた日に風景を撮影しても、順光と逆光では色や影の出方がまったく異なる。
まず、被写体の正面から当たる光のことを順光という。
順光は風景やポートレートに限らず、すべての被写体を色鮮やかにクッキリと撮影することができる。
また、影がほとんど発生しないのでクリーンなイメージになる。
カメラの正面から当たる光を逆光と言う。
逆光では、被写体に露出を合わせると背景が白飛びしてしまい色は出にくいが、柔らかい印象になる。
女性ボートレートなどには最適だ。
逆光で背景に露出を合わせると被写体が黒つぶれして、シルエットになってドラマチックな印象になる。
逆光は、露出をどこに合わせるかでイメージが変わることを覚えておこう。
斜めから当たる光はサイド光と言い、陰影をはっきり出したい時や被写体に立体感を出す時に最適だ。
男性や商品をかっこよく撮影する時に向いている。
光の位置をマスターして、ワンランク上の写真を目指そう。

人物の場合
人物の場合の光の変化。
順光は気になる影もなくクッキリと写っている。
斜光だと顔半分が強い影になってしまうので女性を撮るには向いていない。
逆光はコントラストが低下するがソフトになるので、女性には向いている。

13 「どこから撮るか」を工夫する

水平アングル
ハイアングル
ローアングル

アングルとは、撮影時の高さのことを言う。
どの位置からとらえるかで、同じ被写体でも違った印象になる。
アングルを工夫してイメージを変えよう。

水平アングル=安定感や自然さを表現
ハイアングル=広がりやかわいさ、時には威圧感を表現
ローアングル=存在感、迫力、力強さ、高さを表現

水平アングル
被写体と同じ目線を水平アングルと言い、人間の見た目に近い自然で安定感のある写真を撮影できる。
最も基本的なアングルだと言える。
ポートレート、子ども撮影、風景、スナップなどすべての撮影にマッチする。
また、カメラを水平に構えるため背景を活かした撮影にも向いている。
ただし、単調になりがちなアングルなので被写体に寄ったり離れたりしてバリエーションを出そう。

ハイアングル
被写体を見下ろすように撮影する方法をハイアングルと言い、笑顔の子どもや女性を撮影すると圧縮感と上目線でかわいく撮影できるが、泣いている子どもを写すと怒っているような威圧感、支配感を与える。
また、被写体全体が入るように上から写せば、わかりやすい説明的なカットになる。

ローアングル
ローアングルは、被写体を見上げるように撮影するため、存在感や力強さ、迫力、高さなどを強調できるアングル。

人物をローアングル撮影すれば、脚を長く見せたり、威厳を表現できる。
風景では、建物の高さや自然の迫力を表現できる。
広角レンズを使ってローアングルから撮影すると遠近感が出てさらに迫力が生まれる。

14 足を動かして撮影距離を変える

撮影距離
被写界深度
レンズワーク

被写体との距離はとても重要だ。
画面内での被写体での印象はもちろん、距離に寄って被写界深度も変わる。
足を動かしていい距離を探してみよう。

被写界深度は、撮影距離によっても変化する
被写体との距離が近く、背景が遠いほどほける
広角レンズでも被写体に寄ればほけを楽しめる

絞りを開いているのに、背景がイメージ通りにぼけないという経験はないだろうか。
実は、背景のぼけを得るには、絞り値の他にいくつかのお作法がある。
被写体との距離、被写体と背景の距離、レンズの焦点距離も被写界深度と関係しており、ぼけに大きく影響する。
例えば、作例のハイビスカスと列車の写真は、それぞれ50mm相当の画角のレンズでF5.6で
撮影したものだがぼけ量はまったく違う。
ハイビスカスは、被写体との距離が近いため背景が大きくぼけ、花が際立っている。
ー方、列車の写真はカメラと被写体との距離が離れているため、背景までしっかりピントが合っている。
被写体との距離が近くて背景が遠いとよくぼけ、被写体との距離が遠いとあまりぼけない、と覚えておくといい。
一般的にぼけにくいと言われている広角レンズも、被写体に近寄ることで背景をぼかせる。
広い画角と遠近感を生かして面白い写真が撮れる。
足を動かして被写体との距離を探ることで、明るい単焦点レンズに限らずさまざまなレンズでぼけ感のある写真を楽しめる。

15 写真が上手くなる構図の基本

撮り慣れていないと、被写体を真ん中に置くなどいつも同じ構図になりがちだ。
構図の基本を知って、さまさまな構図で撮れるようになろう。

基本の構図パターンを目安に構図を変える
バランスがいいのは三分割構図や黄金分割
構図決定時はファインダー内の格子線を活用する

多くの人がやってしまいがちな、被写体を中央に配置した日の丸構図はダメというわけではない。
力強さや安定感を表現する構図なので、被写体やイメージよっては最適な場合もある。
ただし、すべて日の丸構図だと単調な写真ばかりになってしまう。
少し構図を変えてみると写真の見え方が変わることも多いので、基本的な構図を頭の片隅に置いておこう。
まず覚えておくと便利なのが三分割構図だ。
画面を三等分し、縦の線と横の線の交わるポイントに被写体を配置することでバランスがよくなる。
また、三分割構図に似た構図で黄金分割という構図もあり、黄金分割ポイントに被写体を配置することで、見る人の視線が行きやすくなる。
その他に、二分割構図や三角構図などさまざまな構図がある。
構図を決めづらい時は、ファインダーやライブビューの格子線を使うとやりやすい。
ただし、これらのパターンにとらわれ過ぎると自分の持ち味が失われることもあるので目安として考えよう。

16 ケーキ撮影で学ぶフレーミングの秘訣

構図、アングル、ぼけを上手く組み合わせることで、被写体が際立ってバランスのよい写真になる。
ここでは、ケーキを使って実践的に解説しよう。

ニ分割構図でケーキとコーヒーをバランスよく
座った時の目線に近いアングルで自然に
背景にあるものが分かる程度にぼかす

被写体を際立たせ、バランスよく見せる方法は、構図、アングル、ぼけのコンビネーションを上手に使って表現することだ。
ワザ4、13、15で学んだことを応用すれば、自分が表現したいイメージに近づけるはずだ。
ここでは、カフェでのコーヒーとケーキを使って被写体の見せ方を実践的に学ぼう。
まず、構図を決定する際には、被写体をどういう風に見せるかによって、被写体と背景、空間などの配置のバランスを調整し、見る人の視線が被写体に行くように調整する。
ケーキのみを強調するならば、日の丸構図で真ん中に配置するのも良いが、コーヒーとのバランスを考慮し、三分割構図で空間を上手く使って撮るのがベストだろう。
また、アングルは見る人にどういう印象を持たせるかによって決定しよう。
ここでは、人がテーブルに座った時にケーキを見る目線に近い、ハイアングルで全体の雰囲気を写す。
ぼけは被写体をより際立たせるスパイスとして使うと良い。
ケーキの背景をぼかしてケーキを際立たせているが、ぼかしすぎると背景に何があるのが分からなくなるので、全体のバランスを考慮してぼけ量を決めよう。

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