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Chapter 1
プツ撮りのための基礎知識

1-01 心構えを理解する プツ撮りの際の心構え
1-02 ピントを理解する ピントの見極めとAF、MFの使い分け
1-03 撮影モードを理解する 撮影モードとプツ撮り
1-04 絞りを理解する ボケの効果とプツ撮り
1-05 明るさを理解する 露出補正とプツ撮り
1-06 明るさを理解する ISO感度とプツ撮り
1-07 色味を理解する ホワイトバランスとプツ撮り
1-08 色調を理解する 色調補正機能とプツ撮り
1-09 光を理解する 光の向きを考える
1-10 光を理解する 光質の種類を考える
1-11 レンズを理解するレンズ効果とプツ撮り その1
1-12 レンズを理解するレンズ効果とプツ撮り その2
1-13 カメラアングルを理解する カメラアングルの効果とプツ撮り
1-14 構図を理解する 縦位置・横位置の使い方と背景の活かし方
1-15 構図を理解する プツ撮りに活かせる構図法

Chapter 2
シチュエーション別プツ撮りの方法

2-01 寄ることで花の姿をストレートに表現する
2-02 主役を意識しながら引きと寄りを使い分ける
2-03 美しい造形の花を光の当て方で印象的にする
2-04 ボケの活用で花を浮かび上がらせて主役を目立たせる
2-05 花の向いている方向と空間を意識する
2-06 花をふわっと柔らかい印象で捉える
2-07 暗く重厚なイメージを演出する
2-08 光のまわり方を意識して何気ない日常感を演出する
2-09 透過するものをさわやかな印象に表現する
2-10 オークション用の写真をきれいに撮る
2-11 発光している物を地明かりとバランスよく撮影する
2-12 どこか懐かしさを感じるノスタルジックな表現を狙う
2-13 金属製品の特徴をつかみながら撮影する
2-14 ハイキーで明るくみせて力のある料理写真にする
2-15 ローキーで料理をしっとりと表現する
2-16 カラフルなスイーツをポップに表現する
2-17 料理の照りを意識して上品なシズル感を表現する
2-18 モノクロで見せたいものの形を強調させる

Chapter 3
ブツ撮りで使う機材の基礎知識

3-01 カメラを理解する カメラの仕組みと画質
3-02 カメラを理解する 撮影時の保存形式とその後の画像処理 
3-03 レフ板と三脚を理解する プツ撮りにおけるレフ板と三脚の活用方法
3-04 クリップオンストロボを理解する プツ撮りにおけるクリップオンストロボの活用方法
3-05 ストロポ機材を理解する 2種類の大型ストロボの詳細
3-06 ストロポ機材を理解する 大型ストロボと露出計
3-07 ストロポ機材を理解する ストロボ光源の質と使い方
3-08 スタジオを理解する スタジオの種類と使い分け
3-09 スタジオを理解する スタジオ撮影を支えるアイテム

Chapter 4
撮影機材を用いた実践的なプツ撮りの方法

4-01 室内でレフ板を使い自然光の柔らかさを活かす
4-02 日中シンクロで自然光を活かしつつドラマチックな印象にする
4-03 スローシンクロで夜の雰囲気を保ちながら静物を撮る
4-04 面光源を活用して球体のハイライトをきれいに出す
4-05 光源を写り込ませてハードなイメージに仕上げる
4-06 一灯ライティングで素材感を力強く表現する
4-07 多灯ライティングで細部まで詳細に表現する
4-08 硬い光で革が持つ素材感を引き出す
4-09 光をまわしてケーキの柔らかさや滑らかさを表現
4-10 光の写り込みのグラデーションで素材感を表現する
4-11 発想を変えて単純な被写体に世界観をプラスする
4-12 高速関光ストロボを使用して液体の動きを止める
4-13 透過する素材を活かした撮影
4-14 逆光を活用して被写体を浮かび上がらせる
4-15 大きい被写体にハイライトと光をまわす面光源
4-16 スポットライトの光で劇的に表現する
4-17 花のディテールをサイドからの光で詳細に写し撮る

Chapter 5
イメージ通りにプツ撮りを仕上げるための画像加工

5-01 基本編 RAW現像で行うベース処理 色を調整する
5-02 基本編 RAW現像で行うベース処理 露出を調整する
5-03 基本編 RAW現像で行うベース処理 現像処理におけるその他の準備
5-04 基本編 データの読み方 ヒストグラムによる露出の確認
5-05 基本編 データの読み方 客観的な色を数値から読み取る
5-06 基本編 データの読み方 色の調整方法
5-07 基本編 データの読み方 トーンカープの読み取り方
5-08 基本編 データの読み方 画像調整からみる保存形式
5-09 実践編 特定色域を使って写り込みの色を立たせていく
5-10 実践編 露出の違う画像を合わせて改善させる方法
5-11 実践編 トリミングで最終的な構図を整理する
5-12 実践編 画像修正ツールを使用して違和感なく整えていく
5-13 実践編 できるかぎり手間をかけずに仕込みを消す
5-14 実践編 モノクロ写真の制作
5-15 実践編 一部だけモノクロ化する
5-16 実践編 クイックマスクを利用したボケの調整

Column

Column 1 プツ撮りにおけるカメラ機材の選択
Column 2 人エ光で表現する光の種類
Column 3 セッティング全体のイメージの仕方
Column 4 プツ撮りにおけるオールドレンズの使い方
Column 5 デジタルとフィルムを選択できる時代へ
Column 6 プツ撮りでも必要なコミュニケーション

1-01 心構えを理解する

ブツ撮りの際の心構え

撮影方法を知ることで表現の可能性を広げる

静物を撮影するときのスタイルは、ありのままを切り取りとる、美しさを強調する、人目につかない物にスポットを当てるなど、色々ありますが、写真を撮る理由に正解などありません。
思いついたままにシャッターを切ることに優劣は存在しないのです。
しかし、よい写真を撮ろうとするならば、撮影方法の知識を深めることで意図を伝えやすくなり、優れた写真や新しく表現したくなることが生まれてくるかもしれません。
本書では、様々な作成を紹介することで、確立された撮影方法と、ひとつの可能性としての提案をしていきます。
そこから何かを感じたり、こういう方法もあるのかと知っていただくことで、読者が次の撮影に臨む際に、新しい「想像」と「創造」が生まれればこの上ない喜びです。

被写体と過ごす時間を大切に課題を持って撮影に挑む

プツ撮りは、「静物だからいつでも撮れる」というような考え方では、よい結果が出ません。
写真は生ものなので、撮り手の意図や気迫を感じない鮮度の低い写真は、薄っベらく魅力が落ちます。
被写体の魅力を引き出す最高の状態を作り、シャッターを切る瞬間に気持ちを込めて撮れば、その被写体のその時のベストショットになると思います。
そして、撮影の前には自分に課題を与えるべきだと私は考えています。
いくら知識・技術があっても漢然と撮影していては、よい写真は撮れるかもしれませんが新しい何かは生まれません。
今日は柔らかく、明日は広角レンズでパースを効かせて、などと抽象的でも単純なものでも構わないのでテーマを決めて、一つ一つクリアしていけば、写真の引き出しは確実に増えます。
前置きが長くなりましたが、このチャプターでは、撮影の基礎をレクチャーします。
物撮りでも、人物でも、共通する最重要ポイントは被写体を観察すること。
被写体のどこに魅力を感じて、どのように表現してやるか。
または、思い描いた撮影意図のために、どのような被写体を撮影するか。
それらを実現するためのポイントを解説します。

1-02 ピントを理解する

ピントの見極めとAF、MFの使い分け

写真の主役を決定づけるビント合わせの重要さ

ビントというものは、写真において最重要ファクターのひとつです。
基本的には、被写体のもっとも見せたいところにビントを合わせるということが、ビントを決めるということになります。
それが、1枚の写真の中の主役を決定することになります。
写真において、これほど重要なことはないと言えるでしょう。
物によってビントを置くところは様々。
ではどこに、どのようにビントを置くのが正解でしょうか?
花ならばここ、時計ならばここというような正解はありません。
撮影者の意図によって、ビントの位置は自由です。
花は雌しべ雄しべを狙うなど、セオリーというものはありますが、それが絶対と思ってはいけません。
絶対のビント位置なんて法則が存在するのなら、写真の世界なんて小さいものです。
この花を、この時計をどう見せたいか、そのためにはビントをどこにもってくるか、それがビントの見極め、ひいては写真の主役を決定するということなのです。

AFとMFの特徴と場面に合わせた使い分け

カメラのフォーカスにはAF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)があります。
AFはシャッターを半押しして自動で焦点を合わせるモード、MFはビントリングを手動で回して焦点を合わせるモードです。
最近のカメラのフォーカスポイントの多さや精度を考えると、AFを選ぶことが多くなると思います。
以前と比べて精度はかなり高く、時間をかけずに意図した場所へビントを合わせられますし、フォーカスロックを使えば、ビントを選んでから構図を整えることもできます。
MFが活躍するのは、細かいビント位置を設定したい場合やAFが不得意な逆光時などです。
特に、被写界深度が浅い場合は、フォーカスポイントに任せると、思っていたところよりビントの位置がずれていることもあります。
それぞれの場面に合わせて、使い分けるようにしましょう。

撮影モードを理解する

1-3 撮影モードとプツ撮り

被写体の動く動かないに合わせオートモードを使い分ける

カメラには撮影モードがあります。
大まかに分けると、マニュアル(M)、絞り優先オート(A・Av)、シャッター優先オート(S・Tv)です。
ブツ撮りの場合、被写体は動かないので、被写界深度を最優先にした撮影が多くなります。
このときに活躍するのが絞り優先オート。
どれくらいのボケ味にするのかを判断したら、絞りを設定して被写界深度を決め、シャッタースピードはオートに任せるのがこのモードです。
シャッタースビード優先モードは、シャッタースピードを先に決めて撮影する場合に利用します。
屋外で花が風に揺れる場合や、暗い場所での手持ち撮影でプレが気になる場合など、手持ちでプレないシャッタースビードを設定すれば、リズムよく撮影できたり、わざとプレを作ったりできます。
両モードとも、カメラ内の計算により露出の平均値で撮影してくれる便利な機能を持っています。

思い通りの露出が可能なマニュアルモード

オートに頼らず手動で設定するマニュアルモードもあります。
絞り、シャッタースビードともに自分で決めて撮影するモードです。
オートではカメラの露出計によって、露出の平均値で撮影してくれますが、本当に自分が欲しいと思った露出は、平均値とは限りません。
「ボケ味はよいけど、もう少し明るくしたかった」とか、「プレはないけど、なんだか暗い」というような、意図に合わない部分を細かい設定で合わせるのがマニュアルモードです。
オートの利点がスビーディーな撮影なら、マニュアルは腰を据えてじっくりとイメージを作り上げていくのに向いています。
測光方式によっては、露出にバラツキが出る場合もありますので、「このぐらいの光だとこんな組み合わせ」、というような感覚的なことが鍛えられるのもマニュアルの利点かもしれません。
機械任せではない、思い通りの露出を狙うために、積極的にマニュアルを使っていきましょう。

1-04 絞りを理解する

ボケの効果とブツ撮り

絞りの開き具合によってボケ味を調整する

ポケは写真を構成する要素の中でも、見る人のイメージに直結しやすいファクターです。
人間の目も普段からボケを見ていますが、それを脳が感じさせません。
そこで、効果的にボケを取り入れると、見たことのない世界を見ているかのような、インパクトのある写真ができます。
ボケの量はレンズの絞りで変化します。
絞りの大きさはF値という単位で表され、数値が小さくなるにつれボケ味は豊かになります。
このF値を小さくすることを「絞りを開く」、逆を「絞りを絞る」といいます。
また、ボケは被写界深度という言葉でも表せます。
被写界深度はフォーカスされる部分の長さを深さで表現し、幅広くビントが合った状態を「深い」、逆は「浅い」となります。
記の図の場合、被写界深度は、右つれ深くなり、ボケの量くなります。
被写界深度を浅くしたいなら絞りを開き、深くしたいなら絞るという基本を覚えておきましょう。

被写体と背景の距離によるボケとボケの活用の注意点

被写界深度の変化は、絞りによる影響だけではありません。
メインの被写体と背景の距離が長いと深度(ビント)のある部分から遠くなる分、必然的に浅く(ボケる)なります。
逆に背景までの距離が近いと深く(全体にビントが合う)なります。
また、レンズを長くすると焦点距離の関係で浅くなります。
ここはP.30で詳しく解説します。
カメラのデジタル技術の進化で、受光体がより精密になり、ビントも厳しくなりました。
被写界深度が浅い写真のビント合わせには要注意ですが、プツ撮りに関しては静止している被写体が多いので、しっかりとビントを合わせ、主役を際立たせるボケの活用がしやすいともいえます。
ボケに関してよく見られるのが、被写界深度を浅くして印象的っぼくした写真です。
安易なボケの利用は単純な写真にしてしまいます。
あくまで効果のひとつとして押さえておき、ボケのための写真にならないようにしましょう。

1-05 明るさを理解する

露出補正とプツ撮り

撮影意図に合わせた明るさを実現できる露出補正

露出補正とは、適正な露出を平均値で出すオートモードにおいて、あらかじめプラスかマイナスに設定することで、カメラが自動で写真を「明るめ」「暗め」に補正する機能のこと。
オートモードを使用すると、画面に写り込んだ明るさをカメラの露出計が自動的に導き出し、それを写真に反映します。
とても便利なように聞こえますが、機械ゆえに融通がきかないところがあります。
具体的にいいますと、黒い被写体も、白い被写体もすべてグレーにしてしまうくらい融通がききません。
カメラは黒い被写体を見ると「暗いから明るくしよう」、逆に白い被写体を見ると、「明るすぎるので暗くしなくては」、と考えてしまうのです。
カメラ任せでその勘違いを残したまま撮影すると、撮影意図とずれてしまうことがあるので、露出補正が必要となります。
多くの場合、白い被写体にはプラス補正、暗い被写体にはマイナス補正を加えることで、自分で見ている感覚に近い明るさや色の写真を撮影することができます。
また、意図的に明るくしたり、暗くしたりといった使い方もできます。
プラスに補正すれば、明るく柔らかい印象を付け加えることができますし、逆にマイナスにすると、暗く重厚な表現ができたりもします。
撮影意図に合わせて使い分けられるようになるといいでしょう。

露出補正の仕組みと利用する際の注意点

露出補正は、オートモードで撮影する場合の露出の数値から差し引きされて補正されます。
例えば、開放F2・8でシャッタースピード1/60の露出だったとします。
そこにプラス補正1段階を入れておくと、実際のシャッタースビードは一段落ちて1/30になり、いきなりプレが恐ろしくなるシャッタースピードになりました。
また、マイナス補正にするとシャッタースビードは速くなり、意図した表現ができなくなるかもしれません。
このように、露出補正は便利ですが万能という訳ではありません。
適切な利用ができるようしっかりと仕組みを理解して使いこなしましょう。

1-06 明るさを理解する

ISO感度とプツ撮り

ISO感度の特徴と仕組み
活用方法について

ISO感度とは、受光体が光を感じる能力を数値にしたもの。
数値が大きいほど高感度で、少ない光でも撮影しやすくなります。
シャッタースピードと絞りとは別の機構であり、光の量を調節する重要な要素です。
光を多く取り入れるには、絞りの開放では限界があり、ロングシャッターだと撮影対象が限られます。
そこでISO感度を上げれば、光がない場所でも撮影の可能性が広がます。
照明が暗い室内や夜間に、絞開放でもプレてしまいそうな環境でも、シャッタースピードを数段速くできます。
プツ撮りにおいては、スナップで大変有効となる機能です。
しかし、むやみに上げてしまうと高感度の弊害が出てきます。
フィルムでは粒状感が荒くなりますし、デジタルだとノイズが目立ち、総じて画質が悪くなります。
物の詳細を鮮明に写すことが求められるプツ撮りでは、必要に迫られないかぎりは、感度は上げないほうがいいでしょう。
ただ、高感度のノイズも表現によっては活かすことができます。
ノイズのザラつきにより、荒れた感じやハードな印象を付け加えることができるので、表現のひとつとして覚えておきましょう。

ISO感度も含めて露出の優先順位を決めていく

撮影時に、シャッタースピード、絞り、1SO感度の3つの数値を選択するためには、表現の優先順位を整理して、適正に判断していくことが必要です。
絞りでボケ味を活かすためには、他のふたつはどのように設定するか、シャッタースビードで動きを表現するときはどうするかなど、表現によって何を一番大切にするかを整理すると判断しやすいでしょう。
また、かなり暗い状況や、強烈な逆光などの極端な環境では、被写体を表現するために何かを諦めるということも必要になってきます。

それぞれの要素を極端にすると、ビントが厳しくなる、プレる、画質が悪くなる、などの可能性が高くなるので、何を犠牲にして、何を得るかということを、被写体や意図に合わせて取捨しましょう。

1-07 色味を理解する

ホワイトバランスとブツ撮り

ホワイトバランスの特徴と状況に応じた設定

写真の要素は多々ありますが、色の要素も重要なポイントになります。
色の調整の基本となるのが、ホワイトバランス(以下、WB)となります。
WBとは、単位K(ケルビン)で表す「色温度」を設定し、写真の色を光源に合った正確な色になるように調整することです。
光には様々な光源があります。
太陽の直射光、雲を透過した曇天の光、白熱球に、蛍光灯などが挙げられ、それぞれの光源は独自の色を持っています。
その光源の色をいかに表現するかは、撮影意図によって異なってくるとは思いますが、少なくとも基準を作らなければなりません。
基準としては、ニュートラルな白を再現できていれば、色のイメージを付加していくことがやりやすくなります。
撮影時の色が不正確だと、写真の色をパソコンなどで処理する際にも不適格となります。
まずは、撮影時にWBによる色の補正を正確に行うことを心がけましょう。

カメラのWB機能には、それぞれの光源に対して設定されたモードが用意してあります。
晴天時には太陽光モード(約5200K)、室内の蛍光灯の下では白色蛍光灯モード(約4000K)など、シーンに応じた設定があります。
これは、色温度だけではなく、色味の調整も含まれた自動モードです。
状況に応じてモードを選べば後処理が簡単になり、よりその場のライプ感を表現できるかもしれません。

色が持つイメージを写真表現に加えていく

色のイメージというものは、大きく分けて寒色と暖色に区別できるかと思います。
金属製品ならば寒色にして冷たい硬さを狙い、食品の撮影であれば暖かさを演出する暖色系にすることが多くなります。
WBには、色温度を変更したり、A(アンバー)、B(ブルー)、G(グリーン)、M(マゼンタ)を操作して色味を変えるといったカスタムWBといった機能も備わっているので、撮影意図に合わせてカスタムWBを選択できれば、より伝えたいことが伝わる写真になっていくでしょう。

1-08 色調を理解する

色調補正機能とプツ撮り

デジタルカメラに内蔵された色調補正機能の内容と使い方

かつては、フィルムによってビビッドに出る、色再現性が高いなど、特性が分かれていました。
現在はデジタルで簡単に設定できるので、クセのないニュートラルな描写が増えたように思います。
デジタルでのブツ撮りにおいては、後から画像を処理するために、ニュートラルな画像を撮っておくことは重要ですが、後処理に頼り切らない、現場でのライブ感、そのとき感じた色、空気を切り取るための、カメラによる色調補正機能も有効な手段です。
カメラのモードで調整できる内容は、コントラスト、彩度、シャープネス、色相です。
一般的に、コントラストはハイライトとシャドーの輝度差をつけること。
コントラストを強めると白はより白く、黒はより黒くなり、メリハリのある印象になります。
逆に弱めると白と黒の差は少なくなり、グレーの階調が残った、淡く軟調な印象になります。
彩度は色の鮮やかさ。
彩度を高めると、色が鮮やかになり、弱めると無彩色、モノクロに近づきます。
ほかにも、好みの色に転ばせられる色相、画像鮮鋭度を調整できるシャープネスなどがあります。
各種、撮影意図に合わせて調整しましょう。

撮影意図に合わせて色調補正を利用する

カメラの色調補正機能には、シーンに応じたモードが搭載されています。
例えば、「ポートレート」モードではシャープネスが弱まり、「風景」モードならシャープネスが強くコントラストが弱いというように、シーン別で選択が変わります。
特徴を押さえて、プツ撮りの表現に活かすのは有効ですが、重要なのは、これはカメラが決めた調整ということです。
本来なら、色調補正の効果を把握して利用していくべきなので、自分自身が経験して調整したものを使うのがベストでしょう。
このシーンにはこの調整というような自分自身の味付けを発揮して、ひと味違う写真ができる可能性が広がります。
色調補正は、撮影後の処理に支障が出ない程度に、現場の空気感を再現するように行っていきましょう。

1-09 光を理解する

光の向きを考える

光の方向の種類とその特徴・利用シーン

光、は写真を成り立たせるための、なくてはならない最大条件です。
それ故、活用には様々な要素が絡み合い難しくなりますが、使い方を理解すれば撮影技術の大幅なレベルアップが望めます。
ここでは、光の指す方向によって与える効果や適した表現について学んでいきます。
光の方向は大まかに分けると、順光、サイド光、逆光となります。
順光は被写体に正面から当たる光。
発色がよく、影が後方に落ちるので情報を伝えるのに適しています。
サイド光は被写体の横から光が射している状態です。
多角体ならば回凸に合わせて影が落ちるので、立体的な表現をしてくれます。
逆光は被写体の背後からくる光です。
露出の調整でシャドーを適正露出にすることで、柔らかい表現にできます。
また、光源を写り込ませたり、ハレーションを利用したりすることで劇的な表現にも使えます。
プツ撮りでは、被写体や表現によって光の向きを変えていくことが
求められるので、光の特徴をしっかりと理解して、撮影意図に合わせて考えていきましょう。

正解のないライティングを知識と経験を活かして操る

光の向きによってそれぞれに特徴があり、長所短所があることから、ライティングには明確な正解というものがありません。
不適と思われる状況でも、意図を変えることで非常に有効な表現になることがあります。
失敗を恐れず、自分が描いたイメージの撮影に挑戦してください。
プツ撮りでは、ライティングを変えて同じ構図で何度でも撮影できるので、様々なパターンを撮ってみましょう。
光というものは、基本的に目で見えているということを忘れないでください。
目の前の状況で撮れば、どのような写真になるかということはイメージできるのです。
そのイメージと、実際に撮影した写真の表現のずれを知識として蓄積し、経験として活かしていくことで写真表現の幅が広がりますし、光を操る楽しさも手に入れることができます。

1-10 光を理解する

光質の種類を考える

天候で硬くも柔らかくもなる太陽光の光の質

前ベージでは光の向きを考えました。
ここも光の解説ですが、題材は質についてです。
光には、自然界にある太陽光と、人工的な白熱球や蛍光灯、ストロボなどがあります。
それぞれに性質がありますが、まずは太陽光について解説していきます。
基本的に太陽光は光の強さが変わらない光源です。
晴天時の直射だと硬い性質の光となり、コントラストは強く、はっきりとした色を再現できます。
また、光の方向性を作りやすいため、表現の幅が広くなります。
物自体をはっきり見せたいときは晴天の光がいいでしょう。
これが曇天時になると、光は雲によって遮られ、質が変わってきます。
雲によって拡散された光は柔らかく全体にまわり、影は淡くなります。
柔らかいイメージの表現には適しているのですが、光の方向性が作りにくく、発色も彩度が落ちるというデメリットも併せ持ちます。
さらに、露出が落ちるので、プレに気をつける必要もあります。
また、雲が厚くなればなるほど、光は拡散し弱くなる
ので、曇天の度合いにも気を付けたいところです。
雨天となれば、なおのこと光は弱くなります。

光の質の硬さや柔らかさを操りイメージする表現を実現する

太陽光を基本に解説しましたが、大まかにいって硬い、柔らかいというのが光の質の軸になり、それはある程度操れます。
直射日光下でも、日陰に入りレフ板などで光を拾えば被写体に当たる光質を変えられますし、曇天でも、雲の薄い濃いでは光の質は大きく異なります。
太陽光を使う際は、硬さ・柔らかさをどちらにどれくらい振るかを見極め、表現の幅として使いたいものです。
この考え方は、人工光でも同じです。
人工的な光は被写体への距離によって角度や強さが変わってきますが、いかに硬くするか、いかに柔らに仕上げるか、という撮影意図にて選択していくことになります。
光の質は環境やライティングで大きく変わり、それが写真に及ぼす影響はとても大きいということを念頭に、撮影に臨みましょう。

1-11 レンズを理解する

レンズ効果とブツ撮りその1

それぞれに「味」のあるバラエティ豊かなレンズ

一本一本に個性が備わっており、その性能によって写真表現の世界を大きく広げてくれるのがレンズです。
以前はフィルムも写真の個性に影響していましたが、デジタル化によってフィルムの役割は大幅に減り、高性能なCCDやCMOSなどの撮像素子(イメージセンサー)が普及して、ニュートラルな表現が多くなってきました。
しかし、レンズは高機能化してもガラスの集合体という構造自体は変化せず、まだまだそれぞれの味が残っているアイテムです。
だからこそ、レンズ供給会社は個性を磨き、多彩なレンズラインナップで勝負しているのです。
選択肢が多いと物やシーンに合わせて選べますし、メーカーごとの写真の雰囲気の違いも楽しめます。
これは、物の個性を引き出すためにも非常にありがたいことです。
ここで大事なのは、レンズの特徴を理解して適所に使えないと、ただいたずらにレンズコレクションを増や
すだけになるということ。

そうなすべてのレンズの基準となる標準レンズについて考える

レンズを大まかに分類すると、肉眼に近い撮影範囲を持つ標準レンズ、撮影範囲が広い広角レンズ、被写体を大きく写す望遠レンズに分類されます。
それぞれに写せる範囲があり、得意な表現や不得意な表現などを持ち合わせています。
中でも標準レンズは、すべての基準となるレンズです。
何を持って基準かというと、注視していないときの肉眼の視野角に近い範囲角度を写すレンズなので基準とされています。
目で見たままを切り取るような、スナップ的なブツ撮りに最適のレンズです。
サイズ的にも大きくなく、それが手持ちのスナップなどでよく使われる理由のひとつです。
また、絞りの開放値が小さい明るいレンズが多いので、ボケを利用した撮影などにも便利です。
視野に近いといわれるだけあって、極端な画像の変化がなく使いやすいレンズといえます。

1-12 レンズを理解する

レンズ効果とプツ撮りその2

パースが魅力的な広角レンズを考える

広角レンズは、撮影範囲が広いだけではなく、遠近感を強調する特性があります。
レンズに近い物は大きく写り、それによって物と背景との距離感が遠く感じられ、強調されたパースペクティブ(遠近法)によって写真に迫力が増します。
比較的、被写体の近くに寄れるレンズが多いので、画面いっばいに被写体を写し、さらに迫力を出すのもよいでしょう。
また、標準レンズなどと比べて、同じF値でも被写界深度は深くなるので、全体にビントが合ったパンフォーカス撮影にも適しているといえます。
長さのある被写体の全体を写しとる際に、パースを強調しつつパンフォーカスでダイナミックに撮るなど、様々な用途に使えます。
注意点は、広角レンズで撮影すると画像の端に歪みが発生し、解像度の低下を起こす傾向にあることです。
その歪みを表現に活かす撮影ならよいのですが、詳細に見せたいものを撮るときには、配置に気を使いなが
ら、特性を利用していきましょう。

高倍率ズームを活用できる望遠レンズを考える

望遠レンズの特徴は、ズームによって対象を大きく写せることと、撮影範囲の狭さ、被写界深度の浅さとなります。
撮影範囲の狭さはマイナスに感じるかもしれませんが、最初から撮影範囲が狭ければ、背景に被写体以外の余計な物が写って欲しくないときにプラスに働きます。
また、広角や標準レンズと比較すると被写界深度は浅めです。
同じF値でもボケやすく、背景から主役を浮き上がらせる描写が得意です。
ズームの効果によって、動物などの近寄れない被写体を撮影したり、小さな宝石を大きく撮ることも可能です。
ただし、近接撮影には、エクステンションチューブなどで焦点距離を短くする必要があります。
撮影時には、焦点距離の長さと、サイズの長さからくるレンズ自体の重さでプレを拾いやすいので注意が必要になります。
このように、標準・広角・望遠と色々なレンズがそれぞれに特性を持つので、被写体や撮影意図に合わせ
た選択をしていきましょう。

1-13 カメラアングルを理解する

カメラアングルの効果とブツ撮り

同じ被写体に変化をもたらすカメラアングルの種類とその特徴

同じ被写体でも、撮影する位置を変えることで印象や雰囲気を大きく変えられるのがカメラアングルです。
アングルは大きく分けると、水平に見る(アイレベル)、上から見る(ハイアングル)、下から見る(ローアングル)に分けられます。
ここでは、それぞれのアングルがどのような効果を持つのか考えてみましょう。
今回は、瓶の撮影を例にしてみます。
被写体と目線を同じ高さにして水平に見ると瓶の形はまっすぐで、違和感のないアングルといえます。
しかし裏を返してみれば、被写体の魅力に迫っていない、特徴があまりない視点ともいえます。
次は、上から見てみます。
瓶とテーブルの接地面が小さくなったように感じ、不安定さが出たような気がします。
アイレベルと比べ、上から現き込むような形になるので、視線を自然と上から下へと誘導する効果もあります。
これが人物撮影になると、上自使いになり、そうすることで生物的な弱さを強調して、保護欲とも母性本能ともいえる気持ちを喚起させる写真に仕上げられます。
最後に、下から見上げてみます。
瓶の直線は崩れますが、ラベル部分が大きく感じ、堂々とした行まいになりました。
黒い瓶の印象にも合っています。
これは、対象を見上げるという視点にすることで、大きな物を目の前にしたような印象を受けるせいかと思います。

カメラアングルとレンズ効果を組み合わせる

このように、アングルによって写真から受ける印象は変わってきます。
撮影意図に合わせて、また被写体によって様々なアングルを狙ってみましよう。
アングルによる印象の変化は、レンズの選択によってさらに効果的になることもあります。
例えば広角レンズで下からあおれば、よりパースがつき印象的になります。
瓶の垂直線の歪みが気になるようなら、シフトレンズという選択もありえます。
アングルハンティングとレンズ効果を併用し、最適になる組み合わせを探っていきましょう。

1-14 構図を理解する

縦位置・横位置の使い方と皆景の活かし方

縦位置、横位置の特徴と使い方

一般的に縦位置は主役の強調に向いていて、横位置は安定感を与えるのに向いているとされます。
これは、人間の目が横位置設定になっているという理屈からきています。
この向き不向きは必ずしもそうだとは言い切れないのですが、同じ物を縦位置、横位置で撮影すると印象が違うのは確かです。
なぜなら、写真内に収まる要素がまるっきり異なるからです。
基本的には、被写体の形に合わせるか、脇役などの要素も重要視するかで縦位置、横位置を使い分ければよいと思います。
それに対応させる形で、周辺の空間を構成していきましょう。
主役に視線を集中させたいのなら、構図の中にきっちりと主役を収め、無駄な背景は省くべきです。
ただ、写真は主役だけで構成されが多々あります。
背景や脇役などを活かすための縦横決定も間違いではありません。
背景を積極利用して、被写体を浮かび上がらせるなどの方法も探ってみましょう。

背景を活用することで写真に世界観を作り出す

先ほど、背景の積極的利用で効果を狙うという話が出ました。
プツ撮りでは、主役となる被写体の素材感や形状をクローズアップして、その魅力を伝えるのが常道ですが、写真表現として考えるとそれだけではおもしろい表現は生まれません。
例えば、1枚の写真の中にストーリー性を感じさせることで、ひとつの世界として完結させる表現があります。
そのためには、写真のスペースすベてを利用しなくてはいけません。
主役を引き立たせる背景はもちろん、背景自体が主役になる場合もあります。
その写真の世界の印象を決定づけさせる大きな要素として背景を作り込めば、見る人は違和感なくその写真の世界観に浸ることができ、また、平面の写真が表現できる以上の多次元なイマジネーションを呼び起こすことも可能になるでしょう。
このことはプツ撮りでも大いに役立ちます。
主役の被写体を見せるだけの写真ではなく、世界観を表現する写真には、背景をいかに利用するかが重要になってきます。

1-15 構図を理解する

ブツ撮りに活かせる構図法

代表的な構図法とその使い方

表現したいことを、たった1枚の写真の中でどのように伝えるかと考えると、構図は非常に重要な要素となります。
主役や脇役、背景を四角い枠の中でパズルのように組み立てる。
つまり、要素と枠組みが決まっているという制約の中でどう表現するか、それが構図のおもしろいところで難しいところでもあります。

さて、構図には、いくつかのセオリーがあります。
絵画が元になっているものがほとんどですが、写真の成り立ちを考えると当然かもしれません。
まずは三分割法。
画面を等間隔に縦横三分割して交点に被写体を配置する手法です。
これは、背景などの空間を利用しながら画面構成するのに有効といわれています。
被写体を配置する主点が4点あり、それと縦横に走る2本のラインを利用することで、バランスのよい画を作ることができます。
次に、画面のセンターに主題を置く日の丸構図です。
誰がどう見ても、主役が何なのかがわかりやすいですし、難しいことを考えずに見せたい物をストレートに見せられるので、思わぬ迫力が生まれたりもします。
その他にもニ分割構図や斜線構図などの構図法がいくつかあるので、ぜひ試してみてください。

構図法はあくまでセオリー撮影意図によって柔軟に活用する

構図法のセオリーについて解説してきましたが、それだけで説明できるほど構図は単純なものではありません。
被写体が何なのか、撮影意図はどうなのか、さらに画としてバランスをとるための手段として、構図は活用されるものです
この構図の活用で気をつけたいのが、こうでなければいけないと思い込むこと。
つまり、撮影の順序が、構図ありきになってしまうことです。
あくまで、伝えたいことを表現するために利用するものであって、この構図がいいからそれに当てはめる、ということになっては本末転倒です。
構図はこうでなければいけないなんていう決まりはありません、セオリーは知識として頭に入れておき、それを踏み台にして、柔軟に撮影に臨むようにしましょう。

2-01

寄ることで花の姿をストレートに表現する

被写体に一歩寄ることで新しい表現を発見する

被写体にギリギリまで近づいて寄りの写真を撮ると迫力が出ます。
ところが、構図いっばいに主役がくることになり、案外単調になることがります。
植物は造形がおもしろく寄る効果の高い被写体ですが、ただ寄るだけではなく、寄ることで何が得られるかを意識しながらレンズを向けましょう。
課題を「形状」「色」「画面構成」などに設定して撮影に挑むとバリエーションの幅が増えてきます。
そこに、エッセンスを加えていくことでよりよい写真に仕上がるので、対象を観察して、どう切り取るか吟味していきましょう。
画面いっばいに花がきて単調になったら、少し離れたり角度をつけたりすることで空間を利用できます。
また、主役と違う色をプラスしてアクセントをつけるのもいいでしょう。
寄りは被写体のプレを拾いやすい撮影方法です、撮影時はシャッター速度に注意して、不安ならば三脚を使えば安心です。

2-02

主役を意識しながら引きと寄りを使い分ける

要素が多い被写体はシンプルに捉える

同じ花が題材でも、花一輪と比べて視点が散漫になりやすいのが花束です。
東になっている被写体の場合は、全体を引きで撮るのか、寄って撮るのか適切に判断しましょう。
ここでは、全体を狙う引きで撮ることに決め、花束が置かれているシチュエーションを作ることにしました。
色々な花が集まった花束をごちゃごちゃした背景で撮ると、写真の雰囲気に大きく影響するので、背景を整理して撮影するのが重要です。
レンズは標準レンズを選びました。
バースでわずかな丸みを発生させて、花束にまとまり感を与えています。
一方、寄りで撮る場合は主役の花をどう定めるかが一番大事なポイントです。
単純に大きいからとか、色がきれいだから、という選び方をすると仕上がりの着地点を見失います。
花の特徴や全体の色のバランスを見定めて、切り取っていきましょう。
そうすればおのずとビントの位置も決まりますし、意図に合わせた被写界深度も決まっていきます。

2-03

美しい造形の花を光の当て方で印象的にする

自然の光が偶然に生み出す独創的な花の世界を狙う

自然の作り出した不思議で興味深い植物の造形は、光を使って浮き上がらせることで、目で見る以上に特徴的でインパクトの強い写真にすることができます。
太陽は天高くから光を注ぐのみですが、自然の中で観察してみると色々な表情を見せています。
雲がさえぎって光が柔らかくなったり、枝が影を作って劇的なスポットライトになったりもします。
水辺だと反射してキラキラと光ることもあります。
意図的に逆光状態にして空を背景にすれば、花の透けた感じを表現できます。
太陽光が独特の世界を作る場所を見つけ出し、被写体と組み合わせて撮影するのは、自然光を利用する楽しさのひとつです。
カメラをあらゆる方向に向けて、光のよい所を探しましょう。
太陽光での撮影は、「この時期のこの時間の光ではこうなる」「曇りの時の光の雰囲気はこう」というような、経験がたいへん役に立ちます。
撮れば撮るほど情報が蓄積されるので、どんどん外に出て撮影していきましょう。

2-04

ボケの活用で花を浮かび上がらせて主役を目立たせる

自然界に存在する背景を名脇役にして主役を引き立てる

自然の中での撮影では、背景の整理に困る場合が多くなります。
主役以外がはっきり見えると画の中で邪魔になったり余計なイメージを足してしまったり・・・
そのようなときは背景をボカし、魅力的な脇役にすることで利用していきましょう。
スタジオと違って背景を作り込む必要がないと開き直ることで、邪魔だった背景も、非常に表情豊かな脇役たちに見えてくるものです。
ここで大事なのはボケです。
主役の後ろで形が被ったり、色が同系統だったりすると主役の存在感を消す、悪い脇役になってしまいます。
少し軸をずらした位置にしたり、大きくボケさせたりすることで色が被っても大丈夫なように、カメラの液晶画面で確認しながら撮影しましょう。
被写界深度が浅くなると、ビントの位置が重要になってきます。
屋外ではちょっとした風でもビントがずれて、表現したかった雰囲気が損なわれることがあります。
液晶モニターの拡大機能を使ってまめにチェックしましよう。

2-05

花の向いている方向と空間を意識する

撮影の引き出しを意図的に増やそう

花の写真では、花びらや雄しべ雌しべを意識した構図をよく見かけます。
セオリーの撮り方ですし、造形と色の変化に撮影意欲をそそられるのはわかりますが、今回は違った視点から撮影を試みます。
普段感じている花の美しさというのは、ばっとひと目見た印象であり、色であったり、瑞々しさであったり、
造形だったり、直感的なある種の期待感が働いている気がします。
花はこうあるべきだという固定観念を満たすことに執着して、誰もが同じような狙い方をしてしまうのです。
そこで、半ば強引に視点を変えてオリジナル性の高い構図を狙ってみます。
単純にいつもと違う視点にするのではなく、普段の自分では絶対に狙わない方向、活用しない構図、使わないレンズワーク等をわざと使用してみましょう。
無理に変な構図で撮るだけでは写真はよくなりません。
花の特徴や光を意識しながら撮れば、その場では気に入らない写真も、新しい価値観を生むための糧になるでしょう。

2-06

花をふわっと柔らかい印象で捉える

露出・絞り・ボケ・光の質あらゆる要素を使って柔らかく

今回は、植物を柔らかい印象にするテクニックです。
露出補正をプラス寄りにして明るく撮影すると、ボケの効果と合わさって柔らかい雰囲気の写真になります。
注意点は、被写体によっては白飛びしてしまうので、補正をかけすぎないことです。
ここでは、絞りを開いて浅い被写界深度にして背景にボケを出し、被写体とカメラの間にわざとボケを生み出す素材を入れて前ボケも作りしました。
これにより、ボケの持つ優しい印象で、さらなる柔らかさの演出ができました。
P.50の写真の撮影時には、体が花の中に埋まるぐらいにして撮っています。
積極的な撮影スタイルで、被写体の周囲のものを利用していきましょう。
光の質はほとんどの場合、柔らかいほうがソフトな印象を与えるのですが、今回は硬めの直射も利用しています。
太陽光を少し逆光気味に扱うことで、植物のラインにハイライトが入ってトゲトゲしさが消えます。
このように、光の方向や質も利用すると、色々な柔らかさが狙えます。

2-07

暗く重厚なイメージを演出する

暗闇の中の小さなハイライトがダークな世界観のキーとなる

被写体によっては、暗く重厚なイメージの発露が有効になります。
ここでは、光の質と方向を意識して、ダークな雰囲気を演出しました。
写真自体を暗くすれば雰囲気としては暗くなります。
そこに、一か所だけハイライトを作ることで目線を向けさせて、暗い中の一点の光明で、何か物語めいた演出効果を生み出しました。
ハイライトが強くなり、表面がキラキラしてしまうと、緊張感がなくなり重厚感は失われます。
また、柔らかい光が全体にまわっても締りがなくなります。
被写体を表現する光の質を考慮して撮影に臨みましょう。
光の方向に関しては、サイド光を利用しています。
順光を正面から当てると被写体の下にシャドーが隠れてしまい、重厚感や立体感が出ません。
この写真の世界観では、シャドーが伸びて暗い雰囲気に寄与するぐらいのサイド光がよいでしょう。
ロケーションも少しくたびれた木目を選んでいます。
背景も重厚感のためには大きな要素となってきます。

2-08

光のまわり方を意識して何気ない日常感を演出する

日常空間に存在する空気を汲み取るように撮影する

写真は、作り込んで表現する魅力がありますが、気楽に身近にあるンーンを撮影すると安定感が出るときもあります。
何気なくシャッターを切った写真がオッケーカットになることがあるので、肩の力を抜いて撮影するのはとても大事なことです。
例えば自宅なら、どの場所にどのような光が入るかが直観的にわかっていますし、なにより気を使わずに自由に探ったり扱ったりできるスタジオになります。
気持ちの安らぐ空間で撮影すると、不思議と安らぐ写真になるものです。
日常感を切り取るならば、やはり、日常に存在する光を利用するのが一番です。
カーテン越しに柔らかくまわり込んだ光、戸の隙間から差し込んでコントラストを生んでいる光、タ暮れ時の光など、それぞれが室内に表情を与えています。
生活する中でこれまで必ず見てきた、日常の光を意識して、上手に室内の雰囲気を演出していきましょう。

2-09

透過するものをさわやかな印象に表現する

透過する被写体の色のさわやかさを表現する

光を透過する被写体でさわやかさを表現するならば、背景に空をもってきたり、シンプルなカラーをバックにして、色が透けている感じを出しましょう。
背景が暗かったり煩雑だと、透過しても液体そのもののきれいな色が出ませんし、透過したい被写体に意図しない色が写り込んだりします。
光はどこから入っているか、被写体はどこに置くかなど、確認しながら構図を作ることが大事です。
順光でも逆光でも透過は狙えます、順光時に強い光だとグラスに強いハイライトが写り込み、液体の色が出ない場合があるので、太陽光の入る方向に気を付けましょう。
グラスについた水適は、暑い夏ならば見るだけでゴクリと喉が鳴るようなシズル感を出してくれます。
透過している感じを損なわない程度の水満は、拭かずにそのまま撮影するのが正解です。
美味しそうな雰囲気を出すために、光の方向と被写体の状態に気を使ってください。

2-10

オークション用の写真をきれいに撮る

商品が情報として伝わるよう光はシンプルに影は薄く

昨今のネットオークションは盛況で、商品を見てもらうためにはきちんとした見せ方の写真が効果的です。
商品の情報を正しく写真で伝えれば「こんな商品とは思わなかった」「色が写真と違う」というクレームも発生しづらくなります。
情報は、被写体以外を極力シンプルにすることでダイレクトに伝わります。
自宅での撮影でも、白いケント紙を壁にアールをつけて貼るだけで背景用のホリゾントができ、簡単に白背景の商品撮影ができます。
光はできるかぎり正面から当たるようにして、商品に影が落ちたり手前にシャドーができるのを防ぎましょう。
また、蛍光灯や白熱灯、自然光などのミックス光だと色が美しくなりません。
光源はひとつに絞り、色のバランスをとって本来の色に近い写真にしましょう。
レンズは、変なバースがかからない長めのレンズがおすすめです。
これらを守れば、実際の見た目通りの写真に近づいていきます。

2-11

発光している物を地明かりとバランスよく撮影する

ミックス光の加減に注意して発光部の雰囲気を最大に活かす

被写体に発光している部分がある場合、その雰囲気を活かすためには、発光する被写体と、写真に影響を及ぼす発光体以外の光源。
地明かりのバランスをとらねばなりません。
自然光で撮るならば、光の強さや方向が時間によって変化するので、外光と発光体どちらも取り入れながら色のバランスがとれる時間帯と場所の見極めが重要です。
外光が強すぎると発光部分の存在感がなくなり、逆ならば、発光部分だけが目立つ写真になります。
ストロボでの撮影ならば出力で調整が可能ですが、自然光は気ままでそうもいきません。
P.60の写真では、ロウソクの炎が温かみを醸し出すような外光のタイミングと撮影場所をスタジオ内で探してから撮りました。
ロウソクの黄色みを帯びた光が地明かりに影響を及ぼす時間から撮影を開始して、全体の光量・色のバランスを天積にかけながら時間経過とともに撮影を繰り返して、ベストなショットを選びました。

2-12

どこか懐かしさを感じるノスタルジックな表現を狙う

アンバー調と彩度下げで見る人の記憶に訴える写真を

ノスタルジックを呼び覚ます感覚的表現は、下地作りが重要です。
懐かしさを感じる状況は人それぞれ違うと思いますが、基本的には色と彩度が大きなファクターになります。
懐古的な写真といわれてイメージするのは、昔のモノクロ写真です。
プルー調よりアンバー調のほうが古い感じがしますし、彩度が低いほうが懐古的なイメージを想起させます。
具体的には、極端に露出が飛んだりコントラストは強くなりすぎない写真にするといいでしょう。
コントラストを抑えるためには、光をソフトにして全体にまわしましょう。
また、写真データをパソコンで修正するときには、軟調傾向にするのが鉄則。
デジタルデータはコントラストを強めるのは簡単ですが、逆は難しくなるからです。
撮影時にコントラストを抑えて軟調にすること、また、露出を飛ばさずに、データで操作できるようにしっかりと階調が残っているものを作る必要があります。

2-13

金属製品の特徴をつかみながら撮影する

サイドからの硬い自然光でカメラの金属感を出す

カメラのような金属製品は、金属感を出すためのハイライトを確実に入れ、同時にシャドー部は締めてコントラストをつけることが重要です。
ハイライト部分は、硬めの光で存在感が出るように見せていきましょう。
そうすることで、金属の輝きと冷たくて硬質な素材感が出てきます。
P.64の写真では、窓から入る自然光がサイド光となり、金属部分をキラリと照らしてくれました。
部屋の天井が高かったので光は方向性を保ちあまり拡散せず、カメラ後部にシャドーを生むことでメリハリのある画になりました。
これが柔らかくまわった光になってしまうと、ハイライトがベタッと金属部分に張り付き、シャドーが薄くなってハイライトとしての効果がなくなり、金属の硬質感が失われます。
硬質感の表現は光の向きと質に大きな比重があります。
自然光で撮る場合、部屋に窓がたくさんあって光がまわりすぎるのなら、雨戸を締めるなどして光の向きや質をコント口ールしましょう。

2-14

ハイキーで明るくみせて力のある料理写真にする

強めの光を利用して食欲をかきたてる写真に

料理撮影でもっとも大事なのは、美味しそうに見えることです。
ここでは、強い光で撮影してハイキーに仕上げ、食欲が湧くような写真を目指します。
構図はメイン料理が目立つ配置が基本ですが、毎回似たような構図になりがちです。
主役を少しずらしたり、脇役をうまく使ったりして、変化をつけるようにしましょう。
構成が決まったらメインを引き立てるポケ味を作っていきます。
美味しそうなトマトソースにからむ主要な食材のエビやイカ、そして赤に色を添える緑のほうれん草やパセリにビントを合わせました。
その他の部分はバスタとわかる程度のボケの一部としていきます。
今回ハイキー調に仕上げたのは、食欲をそそるバスタの赤色の鮮やかさを強調するためです。
シズル感と言われるものは、色を始め肉汁や油の照り、水満、湯気など、いろいろな要素があるので、ピンポイントに狙ったり、組み合わせたりして美味しさの表現の幅を広げましょう。

2-15

ローキーで料理をしっとりと表現する

全体的にしっとりした中のハイライトで瑞々しさを演出

料理のシズル感は、前ベージで説明したハイキーだけではありません。
暗めのローキーの落ち着いた雰囲気でもシズルは表現できます。
明るさが変わっても、主役を中心に据える配置は同じです。
井を構図全体のメインにして、さらに井の中の食材でウニとイクラを主役にしました。
メイン料理に構成要素が多い場合は、目立つものを主役にすると写真が映えます。
パンフォーカスで全体をはっきり見せたり、真上からの俯職で情報として撮るのもありですが、それだと視覚的な「美味しさ」が弱まります。
ローキー写真で重要なのは、光の方向性と素材感を出すハイライトです。
料理などの生ものの場合、瑞々しさが重要なシズルになるので、正面から光を当てず、逆目から当てることで照りやつやを出しましょう。
暗めのローキーでは印象の弱い写真になるので、P.68の写真ではハイライトを入れることによって、イクラのプリッとした弾力やツヤツヤしたウニで新鮮さを伝えています。

2-16

カラフルなスイーツをポップに表現する

遊び心を写真に活かしてポップさを演出する

料理の中でも、スイーツは形や色がおもしろいものが多く、色々な表現をしたくなる被写体です。
今回は、マカロンの軽さとカラフルでポップな感じを表現していきます。
マカロンのように色とりどりのものは、色と構図を工夫することでユニークな表現になってきます。
本来、色を出すには強く硬い光を正面から当てるのがセオリーですが、ここでは、硬い光だとマカロンの柔らかさが失われるので、構図によって色の見せ方を変えています。
それは、発色のよさに頼らず、画面に占める被写体の割合で色を強く印象づける手法です。
このテクニックでは、物自体の構成が非常に重要になります。
作例では、シンプルな背景に溢れるほどの色を表現するため、被写体を大きく入れ込みました。
そこに光の質とボケを利用した柔らかさを足すことで、見栄えのよさと心地よさを同居させています。
カラフルな被写体は、構成やライティングを変えながら画面の中で遊ぶと、驚くほど独創的な写真になることがあります。

2-17

料理の照りを意識して上品なシズル感を表現する

シズル感を引き出す秘誌は照りやつやの演出

料理を見ていると、美味しそうに見える料理ほど照りやつやがあるのに気づきます。
それは、味覚だけではなく視覚でも美味しさを伝えるために料理人が腕を奮っているから。
その料理人の手間を表現することで、料理を美味しそうに見せられます。
照りやつやを効果的に見せるには、光の方向が重要です。
料理の形状にもよりますが、上の写真の場合、青魚のキラッとした表面とタレの照りを見せるのがよいと判断しました。
魚の背中にハイライトがくるように、被写体の斜め後ろから入る自然光を使っているのですが、太陽の直光のように硬い光質だとハイライトが点に近い形になってしまうので、カーテン越しにして、少し柔らかい光にしました。
また、色味をアンバーにすると暖になり、温かみが食欲につながる和食では効果大です。
曇天の窓光だと青い光になるので、撮影後に整するか、カメラのホワイトバランスのマニュアルモードで調整していきましょう。

2-18

モノクロで見せたいものの形を強調させる

白と黒の階調で作り出すストレートな表現が魅力

モノクロ写真はデジタル化によって簡単に作れるようになりました。
かつては専用のフィルムが必要など、手間のかかるジャンルでしたが、処理ですべて可能になったのは、影者にとってはありがたいことです。
この便利化で出る弊害が、安易なモノクロ化です。
モノクロは普段見られない世界が見られるので、新鮮な気持ちになりがち。
平凡な写真をモノクロ化するとよく見えるのはそのためです。
モノクロ写真を撮る際は、被写体選び、光の見定めに気を使い、フィルムで撮っているつもりで1枚の撮影を大切にしましょう。
モノクロの特徴は、情報を単純化することによる、主題の強調のしやすさです。
白からグレー、黒へと変化する階調表現を使って、形状を見せるおもしろさや、コントラストを高くして白と黒ではっきりと見せるのもおもしろさがあります。
色という情報をなくすことで、構成と形状、階調だけの表現になります。
その部分を特化させた写真で勝負できるように狙っていきましょう。

3-01 カメラを理解する

カメラの仕組みと画質

デジタルカメラの種類とその特徴

ここではデジタルカメラを中心にカメラの仕組みについて見てみます。
種類は大きく分けて4つ。

① フィルム一眼レフの受光体がデジタル化した、レンズ交換式一眼レフカメラ。
② ミラーを廃止したレンズ交換式ミラーレス一眼カメラ。
③ 本体や撮像素子が小さく、レンズ一体型になったコンパクトデジタルカメラ。
④ アナログ中判カメラでも、デジタルデータで撮影できるデジタルバックです。

デジタル一眼レフは豊富なレンズ群と十分な画素数を備え、フィルムカメラと違和感なく使用できることが強みです。
一方で、最近はミラーレス一眼も人気です。
両者の違いについては上図を参照してください。
また、デジタルバックはかつてほど高価ではなくなりました。
撮影に合わせて4×5や中判カメラに取り付けられるので、既存のカメラやレンズを活かせます。
大型CCDサイズの撮像素子の特性を活かしながら、扱いやすくもなっています。
苦手だった高感度撮影も、センサー+システムでーSO800位の撮影に耐えるようになっています。

画質の善し悪しを決める画素数と撮像素子サイズ

一般的にデジタルカメラの画質の目安は、撮像素子の形式によっても、特性はありますが、おおまかに撮像素子における有効画素数と撮像素子サイズによって決まっています。
画素数とは、解像度に関する概念で、数が多いほど高精細な画像を作ることができます。
撮像素子サイズは、情報を取り込む大きさを示します。
かつてのフィルムサイズだと考えれば、わかりやすいかもしれません。
4×5サイズのフィルムが、30mmのフィルムより大きくきれいに伸ばせるのと考え方が同じです。
面が大きいほど、情報をたくさん集められるということです。
このサイズと、画素数の組み合わせで、画像情報の階調表現が決まってきます。
大きい面に少ない画素ビッチ、つまり低画素であれば、より滑らかな情報を収集することができます。
画素数が大きいだけで、画質は決められません。
何を重要視する撮影なのかを理解して、適した機材を選べるようにしましょう。

3-02 カメラを理解する

撮影時の保存形式とその後の画像処理

撮影時の保存形式
JPEGとRAW

デジタルカメラで撮影したときの、画像の保存形式には主にJPEGとBAWがあります。
JPEGとは、撮影したデータをカメラの処理によって画像化し、扱いやすい容量に圧縮したデータです。
カメラ側で設定した色調などの各種調整がストレートに影響しますし、カメラの処理エンジンによって独特の味が出るのもこの形式です。
HAWとは、撮像素子が得た光やRGB情報を、デジタル化した生データです。
BAWデータ自体は単なるデータであり、非画像化です。
カメラで処理せず、圧縮による容量減のないデータなので、ニュートラルな状態のデータといえます。
なお、カメラの液晶モニターで、BAW画像を確認できますが、カメラで簡易プレビューを現像しているだけで、カメラ内部で画像化しているわけではありません。
画像化するには、パソコンなどの処理用アプリケーションが必要になります。
いわゆる、現像処理というものです。

JPEGとRAWの現像処理における長所・短所

JPEGは情報を圧縮しているのでデータ容量が小さく、撮影可能枚数が増えます。
また、カメラのデータ処理にも時間的余裕ができるため、高速シャッターでの連続撮影枚数も増加。
撮影後の処理については、画像をすぐに利用できます。
一方で、圧縮されている分、処理によって調整できる幅は狭くなり、画像を調整すればするほど劣化しやすいという短所があります。
RAWは一切圧縮していないので1枚のデータ容量が大きく、撮影可能枚数の少なさが短所でしたが、最近の記録メディアは容量が大きく、カメラの処理能力も高くなったので、マイナス面は解消されつつあります。
撮影後すぐに画像として利用できないのは難点ですが、フィルムの現像に比べれば面倒ではないです。
むしろ、生データなので処理幅が大きく、好みの状態に調整しても画像が劣化しないのは大きな魅力です。
現像後の保存形式はJPEGかTIFFから選択できるので、利用に応じた形式での保存も可能です。

3-03 レフ板と三脚を理解する

プツ撮りにおけるレフ板と三脚の活用方法

レフ板の種類とその特徴

レフ板とは、光を反射させて被写体の光量を調整したり、レフ板の色を写し込むのに利用する道具です。
スチレンボードや木、布、ミラーなどがあります。
効果は反射面の素材によって異なり、色は一般的に白、黒、銀などがあります。
白はもっともスタンダードなレフです。
光源を反射させて潰れているシャドー部を起こすことができ、写真のバランスをとるのに優れます。
逆に黒はシャドーをより黒く締めてくれます。
被写体には、あらゆる方向から反射光が当たっているので、それを制限する役割を果たします。
銀は、白よりも強い硬めの反射光を使いたいときに利用します。
反射率が高いので、反射光量も上がります。
白飛びには気を付けましょう。
レフを利用するときの注意点は、大きさと位置です。
被写体に対して適切にセッティングしなければなりません。
相手は静物ですので、じっくりと色々と試してみながら決定するといいでしょう。
また、金属などの写り込みのある被写体の場合は、より慎重に考えなくてはいけません。

プツ撮りにおける様々な三脚の役割

撮影において三脚は、重要な道具のひとつ。
アングルの位置を固められるので、構図を作りこみやすくなります。
背景が変わらない場合には被写体の向きを調整したり、露出を変更したりするのに役立ちます。
手持ち撮影だとカメラをずっと構えることになりますが、三脚を使えば、機材の重さを軽減して撮影者の疲労感を少なくできます。
長丁場になることの多いプツ撮りだと、これは大きな利点になります。
また、被写体のブレ防止と被写界深度のコントロールがしやすいのも重要な点です。
プツ撮りに関しては、ブレは天敵です。
精密な描写が求められるので低ISO感度での撮影が多くなり、シャッタースビードが稼げない場面が多々あります。
スタジオなどでの腰を据えたプツ撮りの際には、軽量なものではなく、できるだけしっかりした三脚を選ぶといいでしよう。

3-04 クリップオンストロボを理解する

プツ撮りにおけるクリップオンストロボの活用方法

光の量や方向性を操作できる便利なクリップオンストロボ

クリップオンストロボは、カメラの上部中央に備えられているホットシューなどに取り付けて使用する小型ストロボです。
光源の方向と光量を調整できるものが多く、様々な場面で利用できる便利なアイテムです。
カメラに内蔵されているストロボの場合、被写体に直接光を当てることがほとんどですが、クリップオンだと天井など照射してバウンスさせ、柔らかくまわる光を作れます。
発光部の可変が自由ということは、光質と光の方向性を調整できるということなので、被写体に落ちる影を軽減する、ハイライトを強調するなど、表現の幅が広がります。
クリップオンは、製造各社ごとに色々な機能を備えていますが、専用のアクセサリー類も豊富になっています。
灯体に被せて光量を抑えたり拡散させたりするディフューザーや、発光部に装着して色も変えられるアクリル製のフィルターなど、様々なものがありますのでプツ撮りの色々な表現に役立てましょう。

スレープ撮影や複数灯での撮影小回りの利く便利さも魅力

クリップオンストロボは、複数のストロボを同時にシンクロさせる、スレープ撮影が可能なのも特徴です。
一灯だけでは照射範囲が足りないときや、複数灯で表現したい場合などにも非常に有効です。
また、乾電池を電力とし、AC電源がない場所でも使えるのも大きな魅力のひとつです。
専用のバッテリーバックを使用すれば、発光数、チャージ速度も向上しますし、一般即なバッテリー式のジェネレーターと比べて、機材を減らすことが可能です。
選ぶときの注意点としては、機種によってはマニュアルで調光できなかったり、一灯はカメラにつけておかなければならないなど、機能に差があるので、使用シーンに合わせて揃えたい機材です。
また、カメラとの互換性にも注意が必要です。
基本的にカメラメーカーの純正品は、そのメーカーのカメラでしか使用できないものが多く、機種によって使える機能も異なるので、適切なものを選びましょう。

3-05 ストロポ機材を理解する

2種類の大型ストロボの詳細

ジェネレータータイプとモノプロックタイプの特徴

大型ストロボは大きく分けて2タイプあり、電源部と発光部が分かれているジェネレータータイプと、体化したモノブロックタイプがあります。
ジェネレータータイプの特徴は、コンデンサー(蓄電器)が大型なので光量が大きいことと、機種によっては複数灯を利用できることです。
1台のジェネレーターで2灯以上の光源が作れるうえに、それぞれ独立した調光が可能な機種もあります。
ネックはサイズの大きさと重さです。
ジェネレーターとヘッドの合計でシ極近いタイプもあるので、スタジオでの使用が前提になります。
それに対してモノプロックタイプは一体型の携行性のよさが特徴です。
ジェネレーター型のストロボヘッドを小型化したサイズ感なので、同じ2灯でも、セッティングがまとまります。
発光量やモデリングライトのバリエーター類もコンパクトで、電源が確保できれば、あとはライトスタンドだけで簡単にストロボ撮影ができます。
電源が確保できるロケなどで重宝する機材といえます。

大型ストロボ使用時はシャッタースピードに注意

大型ストロボを使用する際の注意点は、シャッタースピードです。
ストロボの発光はほんの一瞬のように見えますが、実はそれなりに照射時間がかかっています。
その照射時間を起因とする問題としては、シャッタースビードが遅すぎるとストロボに点いているモデリングライトの光を拾ってしまうことや、速すぎるシャッタースピードで撮影すると、すべての光を利用できないということが挙げられます。
基本のシャッタースピードは1/125秒程度が適切です。
最近のストロボはかなり高性能なものが増えました。
発光量によっては、毎秒20発のフラッシュが可能なものもありますし、閃光速度が1/12000秒のものもあります。
シャッタースピードに縛られない、高速撮影なども可能になっていますので、撮影意図に合わせて選択していきましょう。

3-06 ストロポ機材を理解する

大型ストロボと露出計

露出計の仕組みと測光方式S入射光式・反射光

ストロボ使用時には、適切な光量を得るために露出の数値を計ることが必要です。
ここでは、露出を計る露出計の使い方に触れていきます。
太陽のような定常光の場合、カメラ内蔵のTTL露出計は、画面上に18%グレー(左ページで解説)を再現するべく露出を決定します。
ただ、ストロボは太陽のようにずっと発光しているのではなく、一瞬しか発光していないので、TTL露出計では測光できません。
そこで、露出計出番となります。
露出計の測光方式は、大きく2方式です。
光が被写体に当たっている場所の照度を基準に測光する入射光式、被写体から反射する光(輝度)を測光する反射光式に分かれます。
反射光式は、対象物や背景の明るさまでも含めて値が大きく変わってくる点で、計測の方法はカメラ内蔵TTL露出計と同じです。
違うのはストロボ関光でも測光できる点です。
入射光式は、光源の絶対値を表示します。
どのような被写体でも、B%グレーが適正に写し出される値を示
します。
ストロボ使用時は、被写体の反射率に影響されやすい反射光式より、対象の状況を表現しやすい入射光式で測光することが多いです。

露出計の3つのモードとストロボ光測光時の使い方

露出計のモードは、

① 自然光などの定常光で測光するAMBI、
② シンクロコードを利用するCORD、
③ ストロボのプレ発光モードを使用するNONCORD

の3つ。

ストロボ測定時は、状況に応じて、CORDかNONCORDを選びましょう。
ストロボの光を測光するときは、シャッタースピードとーSO感度を固定します。
シャッタースピードは17125で、1SO感度はよほどの意図がなない限り100に設定します。
そして、狙った絞りの値が出るように、ストロボの出力を強めたり弱めたりして合わせていきます。
以上がざっくりした流れです。
多灯のライティングであれば、個々のストロボの露出を計測した上で調整することもありますが、そこは状況に合わせて応用してください。

3-07 ストロポ機材を理解する

ストロボ光源の質と使い方

ストロボ光に変化をつける代表的な2つの機材

ストロボのような人工光の場合、光の操り方で表現の幅は変わります。
光の質を変えていくということが腕の見せ所になりますが、まずは、般的なアンブレラとソフトボックスの使い方を見ていきましょう。
アンブレラは、傘型の反射素材の内側にストロボを照射して、光をバウンスさせる機材です。
光源を直接被写体に当てるよりも、傘の大きさまで光源を拡大できるのと、光を拡散させて柔らかくできます。
屋外など、バウンスさせる壁などがない撮影環境でも、簡単に光を操れるので重宝します。
また、反射素材を変えたり、傘にディフューザーを仕掛けたりして光質を変化させられる、汎用性の高さも魅力です。
ソフトボックスは、箱形のライトボックスの中にストロボを仕込んで使用します。
特徴としては、ディフューザーによって光が弱冠柔らかくなることと、光源が大きい面になることです。
アンブレラより大きい面の光源ができますので、照射範囲を大きくしたい場合や、光のグラ
デーションを作るときに便利な機材です。
このように、ストロボ機材メーカーが用意したアクセサリー類は、光質を変えるのに大いに役立ちます。

被写体に合わせて臨機応変に対応する

用意されているものを適所で使用するのが効率的な撮影ではありますが、市販の物で対応できない場合や機材の故障などの場合も多々あります。
そこでの対処法としては、光をどう変化させたいのか、それに必要なものは何かを考えて、その場にあるものを使えばいいのです。
例えば、アンブレラは光をバウンスさせて拡散させるのが目的です。
ならば、白いTシャツにストロボを照射すれば、近い効果が得られるかもしれません。
また、ソフトボックスの大きさが足りなければ、レフ板などを集めて大きな枠を作り、トレーシングベーバーを貼れば機材は、通常の使い方だけでなく、応用の効くものが多いです。
撮影意図を考え、機材の存在理由を意識すると、色々な応用ができます。

3-08 スタジオを理解する

スタジオの種類と使い分け

大きく2つに分けられるスタジオの種類とその特徴

一般的な撮影スタジオは、壁の隅がわからないように、ホリゾントと呼ばれるアールにした白壁(白ホリ)のあるスタジオと、洋館風や古民家風など、特色を活かした空間を有するハウススタジオの2つがあります。
多くの白ホリのスタジオは、撮影専用のスタジオですので、豊富な機材と撮影になれたスタジオマンと呼ばれるスタッフが、あらゆる状況に対応します。
スタジオによっては、スタジオ内部に家を立て込んだり、深海を再現したりとバラエティがあります。
ハウススタジオは多くの場合、撮影にフルタイムで付き添うスタッフはいませんし、機材も最低限しか用意されていません。
しかし、自然光が大きく入り込むように設定されていたり、雰囲気を活かしながら撮影するのに適した空間になっています。
どちらもスタジオごとに雰囲気は違いますので、撮影意図や被写体に合わせた空間を選ぶことができます。
また選択の際にはスタジオの大きさも重要ですので、どのくらいのス
ベースが必要か確認しておきましょ
う。

撮影の条件に合った場所がその被写体のスタジオになる

スタジオ撮影などというと、大げさで気負ってしまう場合があるかもしれません。
撮影に特化した場所を意味することが多いからですが、言ってしまえば、撮影するスペースがあればそこがスタジオになります。
被写体によっては、自宅の居間が適している場合もありますし、テープルの上でも、板で囲って光源を限定することで簡易スタジオを作ることができます。
どのような被写体を、どのような意図で、どのように仕上げるかを考えたときに、それに応じた撮影環境を用意すればいいのです。
機材や場所がよい写真を撮影する絶対の要素ではありません。
ただ、知らないだけで損していることがあるなら、もったいないことです。
白ホリやハウススタジオには、撮影に特化した強みがあります。
最高の撮影環境で作り上げれば、よりよい写真が生まれる可能性も高くなるという
ことは意識しておいてください。

3-09 スタジオを理解する

スタジオ撮影を支えるアイテム

撮影の幅を無限に広げるスタジオ機材を知る

スタジオを利用して撮影に臨むと、色々と便利な機材がたくさんあることがわかります。
バラエティ豊富な照明や多様な背景、ハウススタジオならイメージに沿った家具や小物も揃い、至れり尽くせりという感じです。
それでも、スタジオマンと話をしたり、実際に撮影したりしていると、こんな道具があれば、あんな表現やそんな構図も可能だったかなと、思うことが多々あります。
撮影は被写体と光とカメラがあれば成立します。
それを組み合わせるだけで表現は限りなく広がりますが、撮影を補助する機材を知り、活用できれば、これまでにない撮影へのアプローチが多角的に見えてきて、イメージが無限に広がるはずです。
ここでは、ストロボを使った撮影にはなくてはならないスタンド類やレフ板から、被写体の固定や接着に使う特殊なグルーガンまで、スタジオ撮影時に役立つ機材をビックアップして紹介していきます。

4-01

室内でレフ板を使い自然光の柔らかさを活かす

レフ板は素材との距離や角度質感の表現を見極めて使用する

室内で自然光を使った撮影をする最大のメリットは、光が柔らかく自然な写真に仕上がるという点です。
窓辺から入る自然光ならば、光の当たり方のバランスに気を付けることで、違和感のない仕上がりになす。
そこで、光を構図全体に回しり、素材のよさを活かすために集中的に光を当てたりするのに、レフを活用します。
レフ板の効果は、素材との距離や角度、素材の質感などで変わります。
ミラーなどで光を反射すればテカりや照りが出ますし、白レフを使えば、素材にレフ板自体の白を写り込ますこともできます。
ここでは、ハンバーガーのキモであるパティがシャドーになっていたので、レフ版を使って光を回し、肉の旨みなどの素材感が伝わるよう工夫しています。
レフ版には、目視で効果がわかりやすいという利点もあります。
角度や距離を変えて、光がどう当たるかを調節しながら、メインの自然光を活かした撮影を心がけましょう。

4-02

日中シンクロで自然光を活かしつつドラマチックな印象にする

自然光とストロボ光を主題に合わせてミックス

屋外での自然光下の撮影時に、ストロボ光を使うのが日中シンクロです。
重要なのは、柔らかい雰囲気の出る自然光を活かしつつ、人工的なストロボ光をいかにミックスするか。
自然光の向きや質、量を見て、ストロボの位置や光量を調節しましょう。
ここでは、ストロボで硬い太陽光のような光を作り、垂れこめた雲の調子を出しながら、イスの黄色の発色で目線を誘導するという、ドラマチックな写真を狙いました。
表現はストロボ光の強弱に依るところが大きいのですが、強いと背景が黒くな、弱いとストロボの効果がはっきりしなくなります。
撮影対象を際立たせるのか、全体の雰囲気でドラマチックにするのかなど、撮影主題に合ったセッティングにしましょう。
また、屋外でのストロボ使用時はスタジオよりも数倍注意が必要です。
ストロボは重心が高く、弱い風でも倒れる可能性があり、また、雨天時にはジェネレーターでの感電の恐れもあります。
ウェイトやビニールを用意して十分な対策をとりましょう。

4-03

スローシンクロで夜の雰囲気を保ちながら静物を撮る

雰囲気を出すための露出とテーマに沿ったストロボ設定を

スローシャッターで夜景のムードや照明が灯る雰囲気を活かしつつ、被写体にはストロボ光を当てて印象付けられるのがスローシンクロです。
この撮影方法は、屋外の夜間などで光源が限定されている条件や、暗所の雰囲気で被写体をさらに魅力的に写す場合に利用できるので、写真表現の幅が広がります。
手順としては、まず露出を決定します。
今回は、背景の建物の灯りで夜の雰囲気が出る設定にしました。
そして、自転車をどのように表現するかをイメージしてセッティングを固めます。
夜の街灯に照らされる自転車というテーマにしたので、ストロボにアンバーフィルターを仕込み傘トレにして、光を柔らかめにして当てています。
構図全体では、建物の灯りやわずかな自然光のミックスに注意して仕上げます。
スローシンクロでは、ストロボ照射範囲の被写体はプレませんが、定常光で露出を得ている範囲ではプレが発生してしまうので、三脚を使ってプレに気を付けましょう。

4-04

面光源を活用して球体のハイライトをきれいに出す

アクリル板を使ってハイライトラインを美しく

球体の丸さと立体感の表現には、ハイライトの作り方が重要です。
点光源だと一か所に発光部が写り込むだけで表現が乏しくなります。
今回は、アクリル板を使ってストロボ光が被写体に面で当たる面光源にしました。
これにより、均一なハイライトが美しくつながったハイライトラインになり、被写体の曲線に沿うようにラインを作れば、丸さと立体感が一体となった球体感になります。
ハイライトは光源を被写体に写り込ませて、様々な表現をするものですが、注意したいのは被写体の色がまったく出ないという点です。
一番に表現したい、しなければならないのは色なのか形なのか、それとも雰囲気なのかを整理してから撮影に臨まないと、セッティングが固まりません。
このヘルメットの撮影では、球体感の表現をメインにして、柄や色の表現は多少犠牲にしています。
何かを得るためには、諦めなければいけない部分があることも理解しておきましよう。

4-05

光源を写り込ませてハードなイメージに仕上げる

ライトの数を絞ってシンプルな グラデーションでハードに

今回は、光の写り込みを利用して写真のイメージを操作する手法を紹介します。
被写体は曲面のあるサングラスで、ハードなイメージに仕上げることにしました。
まずは、アートトレーシングペーパー(以下、アートレ)越しに写り込みを作り、光源を写り込ませてグラデーションを作っていきます。
サングラスのような曲面のあるものは、写り込む範囲が広いので、アートレの位置をファインダーで確認しながら決めましょう。
ハードなイメージならばライトは直射が望ましいのですが、サングラスへの写り込みが硬い光の玉になりすぎたので、硬すぎず、円形になる光源のオバライトを使用しました。
光がまわったり柔らかすぎるとレンズ全体が白くなり、背景の革素材も柔らかい印象になり、ハードになりません。
ライティトラストがつく配置にすることで、光の写り込みでアクセントをつけ、同時に素材の光沢感も演出することができました。

4-06

一灯ライティングで素材感を力強く表現する

ライトの力強さで素材の質感を前面に

ストロボを一灯だけ使うシンプルなライティングは、撮影の基本である太陽光を使った写真を想起させる、力強い表現ができます。
今回、野菜を被写体としてセレクトし、素材が持つ生命力や色味、質感を、太陽と同じように上から光を照射することで見せていきたいと思います。
上部からの照射の場合、真正面から照射すると、素材の発色はよいがシャドーはすべて被写体の下に落ち、平面的な印象になってしまいます。
また、真横からの照射では、ハイライトの入りにバラつきが出てバランスが悪く、光源に近いサイドの野菜は露出が飛びがちになるので不適です。
また、横からやバウンスさせた光は柔らかくなりやすく、野菜の鮮やかさが失われ、いわゆる「ネムい」印象を与えてしまいます。
それらを踏まえて、ここでは素材を活かすバランスにもっとも気を使い、真正面から少し右側にストロボをセッティングし、鮮やかで見栄えよく見えるように撮影しています。

4-07

多灯ライティングで細部まで詳細に表現する

各パーツの特性を表現するためにライトを一つ一つ配置する

複雑な形状の被写体は、見せたいパーツそれぞれを照らす複数の光源を用意して、ライティングしていくと効果的です。
この腕時計をパーツ分けすると、文字盤、上下バンド、リューズの4つに分けられ、それぞれの特徴や金属特有の輝きを出すためには、各パーツにライトを射つのがベストだと判断しました。
多灯の場合、最初に決めるのがメインの光源です。
被写体のもっとも大事なパーツはどこで、それをどのように表現するかを決めてからセッティングしましょう。
残りのパーツを照らす補助光は、ほかのストロボの光によってできる影をおこし、同時に被写体の細部を表現するという2つの役割があることを念頭に置いて配置していきます。
セッティングに関してですが、小さな被写体に多くのライトを配置すると、必要な物が増えて被写体周辺に機材が溢れることになります。
コードをひっかけたり、スタンドを倒したりという事故には、十分に気をつけましょう。

4-08

硬い光で革が持つ素材感を引き出す

光の質で素材の雰囲気を自在にアレンジする

ここまでのブツ撮りでも一貫してきたことですが、被写体の何をクローズアップして撮影するかが重要です。
今回は、素材感を出すことをメインにしたライティング、構図について学んでいきましょう。
革の素材感を出すためには硬い光が有効です。
光をまわさず被写体にダイレクトに当てることで、素材の味が表現できます。
ここでは、リフレクターを外したストロボを使いました。
斜め左上から直射することで、硬い光が表面の凸凹に表情を与え、適度な光沢感とハードなイメージもプラスされます。
また、直射の利点として、色味もはっきり出ました。
素材そのもので勝負するために、構図は奇をてらわない真正面です。
シャドーに関しては、レフでおこすことで柔らかい印象を与えたり、白レフの写り込みでハードさがなくなったりするのはもったいないと感じ、黒レフで黒色を足して締めています。
光の質に合った、レフ板の選択にも注意しましょう。

4-09

光をまわしてケーキの柔らかさや滑らかさを表現

被写体全体に光をまわし立体感を出して仕上げる

この撮影では、光をまわして素材の柔らかさを伝えることを目指します。
光をまわすには、柔らかい光でまんべんなく照らすという考え方が一般的です。
光の質は、直射することで硬くなり、空中で拡散させればさせるほど柔らかくなります。
自然光でも曇天時は柔らかな感じになるように、光を何かに通すディフューズや、反射させるバウンスを使うことによって拡散させることができます。
この撮影では天井バウンスを使用して光を拡散させました。
反射した光はまんベんなくケーキを明るくし、柔らかな性質で素材を優しく包みます。
ただ、天井バウンスの光だけだと影が出にくく、のっペりとして単調な印象になってしまうことに注意してください。
この写真では、レフ板からの反射光で光の方向性を足しています。
こうすることで、ケーキ前面に薄く影がつき、立体感とクリームの柔らかさを連動して演出するこ
とができました。

4-10

光の写り込みのグラデーションで素材感を表現する

写り込みでグラデーションを描き刀の輝きや凄みを表現する

今回の被写体は刀です。
光沢があり、細く長さのある刀を魅力的に写すために、グラデーションを活用しました。
色合いや濃淡の度合いを段階的に変化させたグラデーションを写り込ませることで、長い刀身のすみずみまで表現していきます。
グラデーションの調節は、アートトレーシングペーバーを複数枚重ねることで写り込みの濃さを変化させています。
光質は、光の硬さの心を残して切っ先から柄の方に向けて照射しています。
光を柔らかくしてしまうと、刃物が持つある種の緊張感が失われてしまうためです。
グラデーションと光の質によって刀の輝きや冷たさ、切れ味、立体感などを伝えられることを確認してください。
撮影において注意した点は、長い被写体を広角側のレンズで撮っているので、写り込みの範囲に気を使ってセッティングしたことでした。
また、被写界深度を補うために、ティルトシフトレンズであおりを利用しています。

4-11

発想を変えて単純な被写体に世界観をプラスする

積極的な写り込みを作り自分が持つ独特の世界観を表現

前ページで説明したように、金属製品は写り込みで形状や素材感の表現が可能です。
写り込みのコントロールが肝要になるわけですが、写り込ませるのは光源に限ることではありません。
被写体に他の素材を写り込ませて、物を正確に撮るだけではなく、オリジナルの世界観をプラスするという手法もあります。
P.124の写真では、スプーンに空を写し、青色や雲、わずかな建物を入れ込むことで食器のイメージとはかけ離れた表現をしました。
背景を黒く潰すことで、写真の中の世界を単純化させ、スプーンの裏面がひとつのキャンバスのように幻想的な雰囲気を醸し出します。
小物系はスタジオで撮影することが多くなりますが、屋外でもアイデア次第でおもしろく仕上がります。
これまでは被写体本来の素材感や使用目的に沿った表現に重点を置いてきましたが、きれいに撮るという技術だけではなく、イメージをプラスできる想像力を磨くことも大切な要素です。

4-12

高速関光ストロボを使用して液体の動きを止める

目では見えない世界を高速関光で止めて表現

動きの速い被写体の一瞬を撮ることで、人間の目では追えない世界を表現できるのも写真のおもしろさです。
通常、太陽光を使えばシャッタースピードを1/4000ほど稼げます。
しかし、太陽光だけでは表現の幅が限られます。
そこで、高速関光が可能なストロボの出番となるわけです。
クリップオンストロポは高速関光するため、液体などの撮影ではポビュラーな手段です。
ただ、今回の撮影では透過光や液面を照らすストロボでの表現も加えたかったので、ジェネレーター式のストロポを使用しました。
ストロポは発光量が少ないほど高速で関光するため、一台のジェネレーターに最大の4灯を接続し、出力を最弱に設定することで発光量を抑えています。
液体など動きが予測不可能な被写体は、同じ写真はニ度とできないので、事前の準備やセッティングを確実にして撮影に臨みましょう。
一回のシャッターを切る重みを大切にしましょう。

4-13

透過する素材を活かした撮影

光をどのように透過させるか

宝石やガラスなど、光が透過する被写体の撮影では、どのような光がどこから入ると美しく見えるのかを、目視で判断してからセッティングを構成します。
被写体の下から光を入れるセッティングが多くなり、最初の配置に失敗すると被写体の背後に仕込んだ仕掛けなど、写って欲しくないものが画の中に入り込みます。
事前に頭の中でセットのイメージを組み立てるのがベストですが、慣れないうちはセットの構想をイラストなどにするのもありです。
今回は、この石独特の透け感を出すために、下に敷いた黒ウールに穴を空けて透過光を作りました。
この光は、まわりすぎないようにグリッドで直進性を出しています。
また、光の当たる方向によって表情が変わってくる石だったので、透過光に勝たない程度の補助光を足して、透過と全体のバランスを取りました。
機材は、小さな宝石を高い解像度で撮るために、4×5のカメラで高倍率用レンズを使用しています。

4-14

逆光を活用して被写体を浮かび上がらせる

逆光の効果を活かしつつ被写体の細部まで表現

被写体の真上にカメラを構え、真下から逆光となるようにメインライトを照射して撮影すると、被写体の輪郭が強調されて浮かび上がったような、存在感のある写真が出来上がります。
まずは逆光のメインライトのみで撮影して、シルエットに近い状態を作り上げてから、細部の表現に移ります。
逆光のために潰れた、ハーモニカのマウスピース部分はレフ板でおこしました。
このシチュエーションでは、白レフで柔らかくするよりは、金属のエッジを立たせたかったので、硬めの光を反射できるミラーレフを選択しています。
それでも黒の部分が落ち気味だったので、上部から補助光を当てました。
光の強さはできる限り均一な逆光にします。
偏りがあると周辺の明暗に差が出て背景に目がいきがちになってしまいます。
シンプルな構図だけに、表現されるのは被写体のみであるよう気を付けましょう。

4-15

大きい被写体にハイライトと光をまわす面光源

被写体が大きくなっても考え方は小物の撮影と同じ

大きな被写体に光をまわしてハイライトを入れるためには、面光源が一番。
ここでは、バイクのタンクと側面ボディへの写り込みによるハイライトを最優先に考え、天井からトレーシングペーパー(以下、トレベ)を貼った枠を吊るし、サイドにもトレベを垂らして面光源にしました。
大がかりな撮影だと機材の写り込みが気になってきますが、見せたくない部分に関しては影にすることで目立たなくしています。
また、左後部はメインライトの影
響で露出が足りず、暗くなりました。
レフ板でおこすとバイク後部の雰囲気とタイヤの質感を損なうので、グリッドをつけたストロポを照射しています。
被写体の大小に関わらず、テーマを決めてからメインライトを配置して、表現を豊かにするために補助光などを足していく、という考え方は一緒です。
スタジオの規模や人手が必要になることもありますが、基本を押さえておけば、間違いなく対応できます。

4-16

スポットライトの光で劇的に表現する

スポットライトを活用して寂しい雰囲気を作り出す

写真において、視線を導いて意図を伝えるということは非常に有効な手段です。
実は、この視線誘導の演出のヒントは、普段目にするものの中に多く存在します。
ここでは、スポットライトで照らされるという舞台の1シーンを模して、情緒的で寂しい雰囲気を作り上げます。
人間の目は非常に優秀で、舞台上で明暗差が激しい場合でも、背景を認識することができますが、写真だと暗く写った部分は暗いままです。
目で見たものを写真で表現するため
のライティングを心がけましょう。
メインライトは、円錐状にした黒ケント紙を装着したストロポです。
ケント紙は欲しいサイズの口径にでき、長さも自由に調節できるので、ス
ポットライトの演出には最適ですこの一灯では周囲が暗いので、アンプレラにバウンスさせて全体の露出を上げ、アンバーフィルターで暖色系に仕上げました。
そうすることで、自分が見た舞台のシーンの雰囲気を再現することに成功しました。

4-17

花のディテールをサイドからの光で詳細に写し撮る

サイドからのライトで花びらを立体的に表現する

花の魅力のひとつに複雑な造形美があります。
ここでは、配置した花々を左右サイドからの光で照らすことで、シルエットをくっきりさせながらメインの花の存在感を強調してみました。
光はまわりすぎない少し硬めの光質です。
これは、主役の花の中央部にシャドーを作り出し、花びらひとつひとつに立体感を生み出して、印象深くするためです。
P130の逆光で浮かび上がるような表現と似ていますが、こちらは複数の被写体が存在するので、ディテールにこだわりました。
画面の構成は花の広がりを意識しています。
花は色のおもしろさや形状もそれぞれ個性があり魅力的なので、何を表現するかによってレンズやライティングを変えていきましょう。
また、対象の花の配置によっても意図や印象が大きく変わります。
光をコントロールしやすいように花を設置することで、撮影がスムーズに進みます。

5-01

基本編 RAW現像で行うベース処理 色を調整する

RAW現像して適した色に調整していく

日AWで撮影すると、後のデータ処理が幅広く行えます。
まずは色関連についてです。
多くの日AW現像ソフトではケルビン(単位K)を基調とした色温度の調整が可能です。
大雑把なホワイトバランスで撮影しても、ニュートラルな色に含わせられます。
白を白に見せるための厳密な調整には、グレースケールやカラーチャートを使用して演算で処理します。
このチャートがあれば色かぶりも調整できますので、非常に便利です。
現像時の色に関する大きな要素は、ケルビンと色合いがメインです。
画像処理ソフトでは、元画像を保持したまま補正設定を重ねられる調整レイヤーを使いましょう。
JPEGデータに現像してしまうと、後から調整したいときに劣化します。
データ調整が固まっていない限り、補正はHAWデータ上の調整レイヤーで仕上げましょう。

5-02

基本編 RAW現像で行うベース処理 露出を調整する

露出がシビアな環境ではRAWでの撮影が便利

RAWデータで露出を調整できる強みは、調整を加えても画像の白い部分や黒い部分などを飛ばしたり、潰すことなく、明るさの調子を整えられることです。
JPEGだと適正な露出を確保できないデータでも、RAWならば適切な露出を得られることが多いです。
現像ソフトによって差がありますが、だいたい上下2段半くらいの露出幅の調整ができます。
また、コントラストや明度、彩度などの調整も現像前に可能です。
こちらも、現像前に調整することで、階調の滑らかさを失っていることを示すヒストグラムのトーンジャンプを起こさないで、ベースデータを作ることができます。
JPEGでの撮影は簡便ですが、露出に関してシビアな環境だと感じたら、撮影前にカメラの設定を確認して、必ずBAWデータで撮影するように心がけましょう。
後処理を考えた撮影の仕方も重要です。

5-03

基本編 RAW現像で行うベース処理 現像処理におけるその他の準備

撮像素子のゴミ取りなど現像前の準備を万全に

Captue 1では、色や露出以外の修正もRAW現像する前に行えます。
CDD撮像やCMOSなどの素子についたゴミを事前に処理する機能や、レンズを極端に下や上から構えるあおりの構図によって発生した色の偏りや形の歪みの修正さらに、シャープを加えてみたり、高いISO感度撮影で生じたノイズを軽減したりもできます。
非常に便利な機能が満載ですが、やりすぎは禁物です。
デジタルではありますが、この作業をフィルム現像に当てはめるとビンとくるかもしれません。
プリント作業前のベースとなる画像を作ることを思い浮かべ、極端な調整は避けましょう。
階調を残しながら、全体の方向性を持ったデータを作ることで、その後の処理の指標になり、スムーズなプリント作業につながります。
この段階で完成形を作り込むのではなく、ニュートラルな画像を目指すと覚えておくといいでしょう。

5-04

基本編 データの読み方 ヒストグラムによる露出の確認

ヒストグラムを露出の判断材料にする

画像を客観的に判断する方法のひとつに、ヒストグラム解析があります。
横軸・ピクセルの明るさ、縦軸・ビクセル数のグラフで、撮影画像がどのようなデータ情報を持っているかの目安になります。
タは、0〜255の階調を持っており、RGBの場合では、0が純黒で255が純白になります。
数値の山が左に偏ったグラフはアンダーで、逆に右ならオーバーを表します。
そこから判断して、グラフ内に収まっていれば自飛びや黒潰れのない画像だとわかります。
目視よりもデータとして画像の状態がわかるので、理解しておきましょう。
ただし、バランスが整っているからといって絶対に適正露出とはいえません。
処理しやすいデータではありますが、意図によってはヒストグラム上で極端なグラフになる場合もあります。
その点も頭に入れて利用しましょう。

5-05

基本編 データの読み方 客観的な色を数値から読み取る

写真の色味を数値から判断する

画像を扱う際のカラーモードには、RGBとCMYKの2パターンがあります。
写真データの処理は、ほとんどモニター上での作業になるので、パソコンの液晶ディスプレイで使われている加法混色の三原色RGB(レッド・グリーン・ブルー)が基本です。
印刷物に使用する場合は、インクが光を吸収することで色を表現する減法混色のCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・プラック)の出力となるので、変化を意識してデータを作らなければなりません。
ここでは、写真データで扱うことの多いRGBモードをみていきます。
明るさと同じく、色の量も0〜255の階調で表示されます。
数値が大きいほど、その色が明るいことを示します。
この数値を基にすれば例えモニターによって色の再現性が変わっても、ある程度の客観的な色味の判断が可能になりますなお、数値による色味の変化の具合は経験を積んでいくことで、感覚的にわかってきます。

5-06

基本編 データの読み方 色の調整方法

様々な機能を駆使し色を調整する

画像処理ソフトで色を調整する場合、よく使う機能はトーンカープ、レベル補正、カラーバランス、色相・彩度です。
トーンカーブとレベル補正はRGBそれぞれで調節可能で、色味を選択して細かく作業できます。
また、トーンカープはポインターで感覚的に変更できるのが特徴です。
カラーバランスは、RGBとCMYの光と色の三原色を基本に調整を行います。
表示が色の関係を表しているので、視覚的にわかりやすい機能です。
ハイライト、中間調、シャドーと、階調ごとに調整できます。
色相・彩度では、赤だけを青に変えてみたり、色をなくしてみたりなど、画像の印象を大幅に変えることができます。
いずれも中達半端な使用は画像の劣化を招くので、不自然にならないように気をつけつつ、表現の変化を楽しみましょう。

5-07

基本編 データの読み方 トーンカープの読み取り方

万能な画像調整機能トーンカープの仕組みと操作法

画像を作り込む際に、もっとも使用されるのがトーンカープです。
横軸は元画像の明るさ、縦軸が補正適用後の明るさになります。
斜めに走るラインを持ち上げれば、露出が上がり、下げれば暗くなります。
この調整レイヤーでよく使用されるスタイルが、S字型の調整です。
ハイライト側を明るくして、シャドー側を暗くすることで、コントラストを高くすることができます。
明るさやコントラストを上げるなら、明るさとコントラストの項目で調整すればいいのではと思うかもしれませんが、トーンカープでは、より細かい調整が可能です。
例えば、露出を上げたい部分にポインターを合わせ、ドラッグして上げることで、その部分を中心に露出を上げることができます。
このように、細かい調整が可能なだけではなく、色の調整もできる万能な調整機能です。
また、感覚的に使用できる点も特徴のひとつです。

5-08

基本編 データの読み方 画像調整からみる保存形式

レイヤーでの調整に適したTIFFデータ

Phooshopなどの画像編集ソフトを使用するときに、TIFFデータが選ばれる理由は、非圧縮形式であるということだけでなく、調整レイヤーを同時に保存しておけるという点が挙げられます。
JPEG方式での保存方法だと、調整レイヤーを統合して保存していくので、容量が小さく扱いやすくなるのですが、一度調整してしまうと後戻りはできませんし、元データは調整を繰り返すほど劣化していきます。
その点、TIFFで調整レイヤーを残しておけば、どのような調整をしていたか前に戻って確認できるうえに、元のデータは劣化しません。
追加で調整レイヤーを重ねたり、消去したりも可能になっています。
ただし、調整レイヤーも画像データですので、レイヤーを重ねるたびに画像容量が増えていくので気をつけましよう。

5-09

実践編 特定色域を使って写り込みの色を立たせていく

引き立たせたい色を強調するテクニック

色の調整については、P145で大まかな色調補正について解説しました。
ここでは、より細かい作業方法として、特定色域の調整について踏み込んでみたいと思います。
特定色域の調整は、指定色を細かく調整するのに便利です。
HGB、CMYのみならず、ハイライトからシャドーまで指定でき、スライダーを使って調整ができます。
上の写真のように、空の青色を重要なカラーに位置づけながら、思ったように色が出ていない場合、青を狙って調整していくことが可能になります。
イメージ通りの青にするために、イエローを調整してみたり、レッドを調整したりと、色の関係を把握しながら進めると様々な発見がります。
このような色の関係を理解することは、色味を判断しつつ撮影に活かしていくことにも役に立ちますので、徐々に覚えていくといいでしょう。

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実践編 露出の違う画像を合わせて改善させる方法

写真の合成作業は自然にバランスよくまとめる

ライティングできない撮影環境だと、メインの被写体と背景の明るさや色合いに差が出て、狙っていた表現とは違う画になる場合がよくあります。
そういった場合は、画像処理で露出の違うデータを合わせ、バランスをとることが可能です。
やり方は、被写体の適正データと背景の適正テータをそれぞれ用意します。
次に、画像処理ソフトで2枚を重ね、適正露出にしたい部分を切り取ります。
上の写真でいうと、コップの部分です。
ここで重要なのは、不自然にならないように作業するということです。
いわゆる合成とされる形ですが、「馴染ませる」イメージで合わせると上手くいきます。
かつて、暗室で行った焼き込みや覆い焼きの別方法とも考えられます。
写真全体として露出を見て、不自然にならないようにイメージして処理しましょう。

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実践編 トリミングで最終的な構図を整理する

トリミングは最後の手段撮影時に構図を固めるのが肝要

被写体と向き合い、正確なアスペクト比で撮るような撮影環境でなければ、直感的にシャッターを押したり、手持ちで撮影したりして、細かい構図に気を配れないことが多くなります。
そのような場合、撮影後に構図を吟味するのにトリミングの助けを借りることがあります。
Phooshopでは、様々なアスペクト比が用意されており、比率に合わせれば簡単にトリミングができます。
しかし、余分な部分を切り捨てるトリミングができるということは、構図に無駄な部分があるということです。
撮影時に少しでも構図のイメージを頭に浮かべれば、余計な部分は確実に少なくできます。
昨今では、プリントやWebなど、写真は幅広いメディアで使われます。
メディアによっては主役の被写体の捉え方が正しければ、トリミングされても充分に魅力的な写真になることは覚えておいてください。

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実践編 画像修正ツールを使用して違和感なく整えていく

ツールの適正を理解して丁寧に作業していく

写真は撮影が終われば、基本的に動かしたり形を変えたりはできません。
しかし、食べ物などでは撮影中に熱を失い変形したり、自然の中で撮ったものには余計な写り込みが往々にあります。
そのとき、画像を修正してくれるのが修復プラシッールと、コピースタンプツールです。
修復プラシッールは、画像の周辺情報から演算し、最適な状況に修復するツール。
ざっくりと修正するのに適しています。
コピースタンプツールは、必要なデータをサンプリングして修正箇所に適用させていきます。
元データの素材を活かしながら修正するのに適しています。
修正は、ッールの適正に応じプラシサイズや濃さ、透明度などを細かく調整できます。
ただ、細かくすればするほど、元データに戻れない処理になるので、元データのレイヤーを重ねて処理していくのが安全です。

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実践編 できるかぎり手間をかけずに仕込みを消す

写真に入ってしまう仕込みを簡単に処理する

被写体によっては、本来自立できないものを立たせたり、動きを見せるために固定したりします。
また、意図によっては空中に浮いているような雰囲気を作ることもあります。
そのような場合、アクリルや、テグス、その他諸々を仕込んで被写体を固定します。
ただ、その仕込みがどうしても写真に写り込んでしまうことがあります。
そのようなときには、写真に写り込んでしまった仕込みを画像処理することで、普通では撮れない世界を表現できます。
上記の写真では、背景に靴の影を出さず、明るさを均一にするためにアクリルを使って靴を浮かせて撮影しています。
撮影後の処理ですが、同じビント・露出で背景のみを撮影しておいて、レイヤーとして重ねて切り抜き
ます。
この写真のように固定したり、あるいは上から吊ったりしなければならない撮影時など、仕込みを隠せない被写体に便利な方法です。

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実践編 モノクロ写真の制作

単純なモノクロではなく、深みも表現していく

白と黒とグレーだけのモノクロ世界は、自分のイメージを発揮できるチャンスでもあります。
データのモノクロ化には、いくつかの方法があります。
手軽なのは、色相・彩度コマンドでチャンネルをマスターにして、彩度マイナス100にする方法。
ただ、単純に彩度を抜くだけなので、メリハリのない画像
詳細設定でのモノクロ化は、かつて、チャンネルミキサーコマンドを使い色情報を判断しながらの作業が多かったのですが、PhooshopCS3から白黒コマンドが設定され、便利になりました。
このコマンドは色の系統別にパラメーターがあり、詳細な設定が可能です。
着色を選択すれば、ただのグレートーンにならず、好みの色を乗せることも可能。
冷黒調や温黒調、その他のカラーも乗せられるので、様々なモノクロ表現を楽しんでいきましょう。

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実践編 一部だけモノクロ化する

背景をモノクロ化してメインを引き立たせる

メイン以外をモノクロにして、主役の存在感を高める技法を紹介します。
用意するのは同じ構図のカラーとモノクロ画像の2枚。
モノクロは、色情報を残すために、白黒の調整レイヤーなどを使用する、自黒コマンドで作りましょう。
モードからグレースケールなどを選択すると、色情報が破棄されてしまいます。
作例では、カラー画像の上にモノクロを乗せ、グラスを切り抜いて下からカラーのグラスを出しています。
切り抜きは細かくやりすぎると時間を取るので、大雑把に切ってから、後処理で馴染ませましょう。
ここでは、モノクロとカラーの合成なので、曖味な感じを出すために、ポカンツールを使いました。
また、背景のモノクロは少し温黒調にしてビールとフィットさせてます。
違和感が出やすい表現だけに、よい印象を与える仕上げにも気を使いましょう。

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実践編 クイックマスクを利用したボケの調整

自然な感じを意識しながらプラシツールを操る

画像調整を行うとき、効果範囲を決めるために選択範囲を作成することが多いかと思います。
ここでは、クイックマスクを利用して画像を調整する方法を見ていきます。
この例では対象の背景がポケきれなかったことを想定して、背景をばかしていきます。
まずはクイックマスクモードを選択して、効果を出したくない範囲をプランツールで作成していきます。
この際、エッジが立ちすぎないようにプラシを選択しましょう。
マスクができたら、クイックマスクモードを解除します。
そうすると、マスクをかけていない部分が選択範囲になりますので、この部分にフィルターからぼかしを入れていきます。
今回は、距離に合わせてボケるように、チルトシフトモードを使ってポカしました。
画像修正というのは、あくまで緊急か、軽いエッセンスと考えるべきです。
いたしかたない場合を除いて、できる限り撮影時に決定しましょう。

Column1

ブツ撮りにおけるカメラ機材の選択

現在、カメラは多くの種類が出ています。
コンパクトカメラは手軽なスナップ写真に、中判カメラは本格的な撮影で活躍します。
プツ撮りにも適した機種が存在するので、ここでは機材選択の考え方を中心に紹介します。

撮像素子の優劣で決まらない撮影シーンに応じた機材選び

写真を画質という面で考えるとき、かつてはフィルムサイズで撮影機材を選んだものですが、現在は画素数という新しい解像度の基準が確立されているので、機材の選び方も変わりしました。
一般的にフルサイズと呼ばれる%闘デジタルカメラで3000万画素クラスのものが出てきています。
そうなると、大きく引き延ばすためにサイズの大きいフィルム
であるプローニーを使用する中判カメラや4×5を選ぶことは少なくなりました。
つまり、選択基準は撮像素子ではなく、カメラ自体が持っている個性がどれだけ撮影シーンに応じているか、ということです。
最近ではデジタルバックも手頃な値段の機種が出てきています。
このシステムを利用すれば、4×5の最大の特徴であるアオリ機能を活用できますし、中判カメラにも着けることが可能なので、汎用性の高い機材といえます。

コンパクトカメラも状況によって使い分ける

コンパクトカメラもかなり高性能化してきています。
手のひらサイズでも十分な解像度があり、明るいレンズを有した機種が各社から出てきています。
大型のカメラだと、カメラマンの気合いが入りすぎて、撮影側とモデルの両方が身構えてしまうような、仰々しい撮影になることがありました。
それがコンパクトカメラならば、白然で気軽な雰囲気で撮影を進める
ことができます。
また、ネット通販の商品写真のように、あまり大きな画像サイズが求められないような場合、撮影環境を整えることで、コンパクトカメラでの撮影でも充分対応でき事事。
このように、撮影対象と環境、写真の使用条件に合わせて機材を選ぶことが撮影前に重要になってきます。
高級カメラだからよい写真が上がるわけではないと肝に銘じて撮影していきましょう。

Column2

人工光で表現する光の種類

光は、写真を撮るのにもっとも重要なファクター。
カメラマンとしては、求める表現のためにどのような光を作るかが、技量を問われる場面でもあります。
ここでは、ライトー灯で表現できる代表的な例を紹介します。

朝の光を再現してみました。
昇りかけの太陽をイメージして、サイドから低めに光を当て、隣の家のリに当たって入ってくる日光を表現しました。

こちらは、夜のイメージです。
同じようにサイド気味の光ですが、シャドーを濃く落とし、暖色系に仕上げることで間接照明を使った部屋での晩置。
の雰囲気になっています。

午後の日差しを感じる、おやつの時間といったイメージです。
柔らかい光を全体にまわすことで、高い位置の太陽からの光が、地面に反射してまわってきている感じにしました。

直射を木陰でかわしながら、庭のテラスでデザートを楽しむ夏のひとときを再現しています。
硬い光と、ストロボの前に枝葉を置くというセッティングで撮っています。

日が落ちかけ、タ方になったイメージです。
被写体奥の低い位置から光を照らし、影を手前に落としています。
色は赤く仕上げ、タ日が直接当たっているのを再現しました。

お弁当のおにぎりに真夏のまぶしい太陽が当たる様子です。
ストロポによるキラキラしたハイライトが海吾に写り、強烈に輝く太陽光のまぶしさを強調しています。

Column3

セッティング全体のイメージの仕方

メインのストロボに始まり、レフ板などで構成するセッティング。
撮影中はデータを見ながら配置変更や機材を足していきます。
雑に組むとケーブルなどが絡み、作業に支障が出るので、配置の構想は事前に固めましょう。

セッティングを組む前に完成形をイメージすること

セッティングを組む際には、まず写真の仕上がりを頭の中でイメージし、どのような機材をどこに配置していくかを頭の中で組み立てましょう。
アシスタントなどがいるならば、構想を伝えるために図に書き出すのもいいです。

ここでは、白ワインの一般的な正面からの切り抜き撮影を例にしてみます。

セッティングは、瓶の形状はどうか?
白ワインの色味はどうするか?
ラベルの発色を良くするためには?

など、総合的に判断して図にしてみます。まず はこれを基に、実際に組んでいきます。
あらかじめ頭で整理したように、セッティングしていくとスムーズに組み上がっていくかと思います。
しかし、実際に撮影データをモニターで確認すると、思っていた表現ができていない場合が多々あります。
被写体をセットして光を当てていくと、見えてくるものがたくさんありますので、対象をよく観察して、求める表現には何が足りなくて何が邪魔になっているかを見極められる目を持つようにしましょう。

きれいなセッティンクは写真にも影響する

持論ではありますが、セッティングがきれにまとまっていると写真の仕上がりも一発できれいにできる場合が多い気がします。
これは、コンセプトに対して、寄り道せずまっすぐ進めたから整然としたセッティングが構築でき写真もイメージ通りになった証なのです。
表現に対して途中で迷いが生まれると、セットもごちゃごちゃし始めます。
もちろん、最初の考えに凝り固まる必要はないのですが、事前の打ち合わせなどで
明確なイメージを持っていれば、余計な迷い道に足を踏み入れるのを回避できることが多いです。
ある程度の想像力がなければ、どのような物をどのような場所で、どのような機材で撮影するか見当がつけられません。
イメージ力は、日頃からイメージしておくと鍛えられますし、経験を積めば積むほどいざというときに慌てなくて済みます。
イメージ通りのセッティングができれば、スムーズで無駄な時間もかからず撮影でき、片付けもすんなり終わるなど、いいこと尽くめになります。

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ブツ撮りにおけるオールドレンズの使い方

ー般的にオールドレンスは、解像感が落ちるので各社ともデジタル品に代替えしていますが、解像感だけが写真の要素ではありません。
代表的なオールドレンズとその描写を紹介しますので、好みのものはぜひ使ってみてください。

コンタックスの標準レンズ、ブラナーです。

これは、日本製のMMJタイプ(較り優先AE・シヤッタ-優先AE・プログラムAEが使用可能)で、絞りパネが滑らかです。
標準レンズらしい画角と事ケ味の美しさが感じられる画像になります。
解像感に関しては、少し崩れやすい印象です。

こちらは、ハッセルブラッド用の標準レンズです。

Cタイプと言われる、古いラインです。
レンズの透過率を上げるT*(ティースター)コーティングはされていません。
搭ー写は、ちょっと古い感じの甘い解像藝を感じます。
柔らかく仕上がるというと、間こえがいいかもしれません。
シャッタ-、較”川の連動も独特です。

コンタックスの準広角レンス、ディスタゴンです。

準広角にもかかわらずF1.4の明るさなので、画角を利用しながら滑らかなポケ味を利用できます。
解像感もビントのあるところは、ビシッと決まっています。
ただ、非常に重たいのと、逆光時に独特の飽和感があります。
これは好き嫌いがあるかもしれません。

マクロプラナーになる前の、近接撮影にも対応した中望遠レンズ。

同ブランドのCFや、CF-1レンズも120mmの描写のよきは定評があります。
解像リでは見劣りするかもしれませんが、等値で確認しないと葛じない位です。
長すぎない葛じで、オールマイティに使えるよいレンズです。
明確な欠点は、暗いのでファインダーが見にくい点です。

Column5

デジタルとフィルムを選択できる時代へ

現在の撮影は写真制作が簡便なデジタルが主流です。
フィルムは手間がかかるため、使用の頻度は落ちてきていますが、独特の味わいは捨てがたいものがあります。
ここでは、両者の利点に注目していきたいと思います。

フィルムからデジタルへ移り変わる力メラの技術

撮影のほとんどがデジタル化することにより、これまで行ってきたワークフローは大きく変わりました。
かつてはフィルムの装填から撮影、暗室での現像・プリント作業までが必要だった写真制作ですが、今やスタジオでカメラと記録メディア、パソコン、画像用アプリケーション、プリンターがあれば成立するようになりました。
撮影の効率についても、画像をすぐに液晶モニターで確認できるので大きな失敗は少なくなりました。
これには、ありがたい反面、何か手を抜いているような気がしたり、プロとしての腕の見せ所が少なくなってしまったような冠しい気持ちになってしまうのは、私が古くさい人間だからかもしれません。

デジタルとフィルムそれぞれに価値を見い出す

フィルム時代は、ファインダーを祀いている人間だけ、つまりカメラマンだけがどのように撮っているかを知り得えました。
現在は、ほぼオンタイムでカメラのモニターで確認できたり、テザー撮影の場合はパソコンのディスプレイに画像が写し出されます。

この大幅な技術革新によって、現像が上がってくるまで、どのように撮れたかわからない、キする緊張感というか、ワクワクする期待感のような感情はなくなり、データ管理という別の意識に
変わったように思います。
しかし、このことはフィルムが劣っていることを示すものではありません。
今でもフィルムは供給されていますし、アートの世界ではむしろ価値は高まっているように思います。
より複雑な過程を踏むことで、プロでしか成し得ない職人的な技術が必要ですし、簡単に複製されることがないというのも価値を高める要因といえます。
デジタルとフィルムは、作業手順は違いますが目指すところは同じです。
よい写真を撮るという手段が複数あるのは、素晴らしいことだと思います。
デジタルの手軽さもフィルムの工芸的要素も、どちらも利用しながら、心に響く写真が撮れるように努力していきま
しよう。

Column6

ブツ撮りでも必要なコミュニケーション

ポートレートでは、人物の魅力を引き出すためにモデルとのコミュニケーションが大切だといわれますが、これはブツ撮りでも同じことです。
物との意思疎通とは少し奇妙に聞こえますが、その根拠をお教えしましょう。

物の魅力を引き出すためのコミュニケーション

撮影においてもっとも大事なことは、レンズワークでもライティングでもなくコミュニケーションだとするカメラマンは多いです。
これは、意思の疎通ができる人物撮影だけのことではありません。
被写体のもっともよい状態を把握して撮影に臨むのですから、丁重に扱い、汚れていたらきれいにし、結露などで汗をかいたら拭ってあげるという、献身にも似たコミュニケーションが必要なのです。
カメラマンの修業時代は、淑女を扱うごとく製品を扱えとよくいわれたものです。
物としっかり対話(観察)してやれば、どこを見せていけば輝くのか見えてくるのです。

不思議なもので、物とのコミュニケーションが成立すると、こちらの行動に反応してくるのが目に見えてきます。
うまくライトを置いてやれば光り輝き、黒で締めてやれば、グッと魅力的な表情になる。
逆に適当なライトを当てるだけでは、被写体は拗ねて輝きません。
真剣に臨めば臨むだけ、反応してくれるものです。
そういう打てば響く的な反応は、性格や気分で変化しない素直な奴に見えてきます。
私もたまに「笑ってねー」と声をかけることがありますが、そうすると輝きを増すような感じがします。
声をかけるのは極端な例ですが、そのくらいの気持ちで撮影に臨まないと、被写体のよいところが見えてこないということです。

場の雰囲気をよくするためのコミュニケーション

撮影する物によっては編集などの制作者が同席する場合もありますし、広告であればクライアント、代理店、アートディレクターなどの考えを紐解いていかなければ、よい写真に仕上がりません。
皆が笑顔で終わる撮影こそが優れた写真に繋がると思います。
そういった意味でも、コミュニケーションは非常に大事なことで、ある意味撮影において一番重要な要素だといえるでしょう。
場の雰囲気をよくして、素晴らしい作品作りに役立ててください。

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