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構図なんてむずかしくない いまスグ使える構図のキホン
あの写真はこうして撮っていたのか! プロも使う構図のテクニック
ぜったいに覚えておきたい 構図づくりに役立つカメラ機能
構図作りに役立つ!「広角」「標準」「望遠」レンズ使いこなし術
構図作りの幅を広げる特殊レンズ

Chapter 1 立体感や奥行きを感じさせる構図

立体感と奥行きを感じさせる構図とは?

№01 被写体の背景を整理してシダの存在感を引きだす
№02 小道で遊ぶネコを、横位置でも奥行きを感じる構図で撮る
№03 高いアングルから撮影してヒコーキの立体感を強調する
№04 メインの被写体が引立つように前ぼけを画面の下に大きく入れる
№05 遠くの被写体を効果的に配し、日常の風景を立体的に切り取る
№06 直線的な道は、画面の中心に交差するポイントを配置する
№07 服装と背景の色を組み合わせ背景をぼかして人物を浮き立たせる
№08 同色のぼけを前後に使い、ネコの輪郭を際立たせる
№09 モノトーンな霧風景は前景の存在感に注意して構図する
№10 同系色の風景は、ぼけと圧縮効果を組み合わせてねらう
№11 メインとなる木のそばに道の”流れ”を量感をおさえて配置する

Chapter 2 広がりを感じさせる構図

広がりを感じさせる構図とは?

№12 強い光でアクセントをつけ、被写体の広がりを表現する
№13 シンプルな前景を大きくとり、被写体を小さく効果的に配置する
№14 映画のシーンをイメージした背景で自然な広がりを演出する
№15 広角レンズを高い位置に構え、人物を小さく多く入れ込む
№16 稜線に並んだ立木を小さく配置し、明暗と色彩の対比をねらう
№17 同じ大きさの花を等間隔に添えて、小さな花の臨場感を演出する
№18 車両を小さく、川を大きく取り込み広角レンズで大胆に切り取る
№19 画面を横切るように橋を配置し主役の前方を効果的にあける
№20 大空の下、少し斜めのレールを配しのびのびとした列車風景を撮る
№21 スケール感のあるタ焼けは主役と雲、地平線のバランスを考える
№22 写真いっぱいに枝葉を入れるなら黒い幹の存在感に注意する

Chapter 3 追力を感じさせる構図

ダイナミックな迫力をあたえる構図とは

№23 目線をはずし、大胆にトリミングして写真の動きと迫力を演出す
№24 川の白濁と澄んだ流れの対比をシャッター速度の効果で切り取る
№25 暗く落とした背景のなかローアングルで車両をとらえ
№26 上から撮る滝の迫力は落下する水と黒い岩の対比で考え
№27 大型機のテイクオフは背景街並みとその揺らぎまで切り取
№28 朝の風景は横方向に走る光のコントラストを活か
№29 群生のヒマワリは魚眼レンズで接写してー輪だけを強調す
№30 朝焼けに染まる海は明暗の対比で色みを強調する
№31 真っ赤に染まるタ焼け空は大地と黒雲のバランスで考える
№32 SLの力強さは縦位置でねらい、白い煙と前ぼけを上手に使う
№33 日の丸構図にマイナス露出補正で仏像の聖なる力強さを表現する
№34 クマの大きさや重さがわかるように明暗のバランスを重視する
№35 広角レンズで手前の岩を大きくし、滝へ視線を導くよう光に注目する
№36 タ景のなかで咲く1輪の花を露出の工夫で力強く写す
№37 大きくとった空の重さや力強さは露出とISO感度の調整で引き出す

Chapter 4 やわらかな印象を感じさせる構図

やわらかな印象をあたえる構図とは?

№38 脇役の黄色を手前に大きく配し、プラス補正でやさしさを演出する
№39 月と海鳥が重なる瞬間を対角線構図とやわらかな描写で写す
№40 ぼけとオーバーぎみの露出で、やさしく、やわらかな色彩を作る
№41 子ザルの豊かな表情を日の丸構図でやさしい雰囲気に仕上げる
№42 望遠レンズの前ぼけ効果を使い、画面全体を花の黄色で埋める
№43 人物と背景の色みを統ーし、背景をぼかした三角構図をつくる
№44 小さなしベだけをシャープに写し、全体をぼけで包み込む
№45 絞り値でぼけを調整し、花をより美しく見せる背景を探す
№46 背景との距離をとり、望遠レンズで秋の色彩をー枚にまとめる
№47 マイナス補正でトーンを整え、S字構図で花の可機さを表現する
№48 子どもと母親の寝姿をぼかし入れ、ふたりだけのやさしい空間を作る

Chapter 5 動きを感じさせる構図

動きや躍動感を印象づける構図とは?

№49 背景をシンプルにし、前ぼけ効果で被写体のしぐさを強調する
№50 水量豊かな滝は手前に岩場を配し、高速シャッター + 連写でとらえる
№51 スローシャッターで波をぶらし、安定感のある構図に動感を加える
№52 肉眼では見ることのできない光跡をS字に写し止める
№53 時速250kmで着陸する機体を光亡とともにどっしりと写し止める
№54 遊具の動感と子どもの表情を日の丸構図と魚眼レンズで撮る
№55 提灯の配列を斜めに切り取り、明暗の対比で動感を描く

Chapter 6 安定感・存在感を強調させる構図

安定感を出し、存在感を強調させる構図とは?

№56 ぼかした背景色との対比で中央に配した花の存在感を強調する
№57 並んだネコをバランスよく配置して安定した構図を作る
№58 タ日の太陽を画面の中央に置き、三分割構図で安定感を出す
№59 雪原の立木は濃い色の枝に注目して安定感のある配置を探る
№60 散った花びらを画面中央に配し、形がくずれたー瞬をねらう
№61 黒い背景に合わせて顔も暗めにして落ち着いた大人っぽさを出す
№62 瞳にのみピントを合焦させ、シカの前後をぼかして存在感を強調する
№63 ぼけとピント位置の対比を使い、背景を整理して主役を浮きたたせる
№64 逆三角形構図を使い、広い空で測光してシルエット表現する
№65 広角レンズの前ぼけを使い、小さなウメの存在感を強調する
№66 花の色みを重視した露出設定でシダレザクラの存在感を強調する
№67 紫色の花を前ぼけに使って子イヌの存在感を引き立てる
№68 背景をぼかし、配置に工夫して 電車と花、両方の存在感を出す
№69 適度な明るさで背景をぼかし、三分割構図でグラスを浮き立たせる
№70 ぼかした花を対角線上に配置し、主役のトリに華を添える

Chapter 7 キラめきを活かした構図

キラめきを活かした構図とは?

№71 新幹線を対角線上に配置し、半逆光のなかに車両を浮かび上がらせる
№72 三角構図で表情を引き立て前ぼけにキラめきを取り込む
№73 露出補正を工夫してツリーのイルミネーションだけを目立たせる
№74 タやみ迫る高架とテールランプでS字と対角線構図をつくる
№75 タ焼けのなか暗くならない露出で輝きのあるシルエット表現をねらう
№76 雪に反射する村落の家々や、街灯の明かりを三角構図に活かす
№77 星空の輝きと雪景色の白さを三分割構図でバランスよく表現する
№78 ライトで川の流れを浮かび上がらせライトアップされた橋と対比させる
№79 ビル群の明かりと水面の映り込みをクールな印象でとらえる

Chapter 8 幻想的な雰囲気にさせる構図

幻想的な雰囲気にさせる構図とは?

№80 日の丸構図にヒコーキのシルエットを取り込み月夜の幻想感を演出する
№81 ライトアップされたタケと夜道を印象的に配置する
№82 山肌と空のトーンを三分割構図とマイナスの露出補正で表現する
№83 ぼけの重なりを対角線構図に取り込んで幻想感を演出する
№84 三角構図を工夫して天の川の輝きを見たままのイメージで再現する
№85 月明かりで照らされた川と稜線を二分割構図で幻想的に配置する
№86 輝く丸い玉ぼけを中心に配置して朝露にキラめく草を幻想的に写す
№87 流れる背景で対角線をつくり、写し止めたサクラとの対比を演出する
№88 大きな三角構図に露出を工夫して、月の表情と立木のシルエットを写す
№89 夜の雨を流星のように光らせてレイルマン比率で列車を流し撮る

いますぐ使える構図の基本

構図とは、画面に写っているさまざまな要素を整理して写真を構成すること。
撮った写真を見て、なにかもの足りない、イメージした写真ではないと感じたら、それはきっと構図に問題があるのだ。
構図の選択に答えはひとつではなく、同じ被写体でも画面に占める割合の大小や縦横斜めといったさまざまな画面構成が考えられる。
さらに撮影者の表現意図によっても違いを見せる。
なにも考えずに撮影しただけではただ撮っただけに留まってしまうのが構図の奥深さだ。
作品作りをめざすなら、しっかりと構図を選び、画面内の構成を心がけることが大切だ。
そこには構図の基礎的な知識を覚え、撮影意図や被写体に応じた画面構成を考える必要がある。
これから解説する構図の基本をしつかり覚えて撮影に役立ててほしい。

構図を決める最初のプロセスにフレーミングがある。
ファインダーや背面液晶モニターを見ながら撮影ポイントにねらいを定める操作なのだが、写す範囲を選択するためのレンズワークが欠かせない。
長方形の画面のなかに、ねらった場所のどこからどこまでを収めるのか?
それにはズームレンズなら焦点距離を調節し、単焦点レンズならフットワークやレンズ交換で対応する必要がある。
右の3枚の写真はフレーミングの一例。
同じ被写体でも写る範囲が変化すればその印象も変化することがわかる。

ワンポイント
しっかりと腰をすえてフレーミングを考えることも重要だが、ときにはひらめきも大切である。
そのためには、ふだんから四角なり抜いた紙を持ち、それを通してさまざまものを見て空間を切り取る目を養うといい

見るものに安定感をあたえる基本構図

水平。垂直

写真を撮るうえでもっとも重要で基本的な知識が
“違和感を感じさせない構図”
である。
それは特別なことではなく、カメラの縦横の向きに限らず水平垂直がとれている構図のことだ。
地平線や水平線などが写る風景写真では、水平が保たれていないと安定感を感じにくい。
また都市風景や建物が入った絵柄も水平・垂直が目立ちやすいので注意が必要だ。
その例が右の写真で、上下の写真を比較してみるとその違いは明らかだ。
下の写真のようなスナップでもきちんと水平を出し、余計なイメージを付与させない工夫をしている。
Chapter1からはじまるプロの構図テクニックでこのあたりを意識して見ると勉強になる。

なお、広角レンズでは画面中央以外は歪みで斜めになる特性があるのでその場合はセンター付近を注視し、左右の傾きぐあいを確認して安定感を見いだすといいだろう。

ワンポイント
すべての被写体で水平・垂直を意識する必要はない。
自然風景やクローズアップでは絵柄によって傾けたほうが視覚的に安定を感じさせる場合もある。
あくまで基本的なことと考えて自由な発想で撮影しよう

構図のなかの主役と脇役を決める

主題と副題

主題と副題とは舞台でいう主役と脇役である。
双方のバランスが適切にとれていないと、作者の意図が伝わりにくい写真になってしまう。
そのため、構図のなかで主題となる被写体の配置や見える角度、さらに大きさの比較配列をして主題と副題の区分けができるように心がけたい。
また、ピントの位置も重要で、たとえ主題が大きく写っていても副題にピントがあっていれば撮影意図が逆転するような誤解を招いてしまう。
ピントは主題にくるように注意したい。
下の作例でピント位置による主題の変化を紹介しているので確認してほしい。
主題と副題それぞれの役割分担が明確になるよう心がけよう。

ワンポイント
ピントが画面全域にあうパンフォーカス表現の場合は、画面でもっとも目立つ場所に主題を配置したり前後左右の大きさの比較で対比させると効果的だ

写真に安定感を出せる構図

三角構図

三角構図とは針葉樹のように三角形の形をした被写体をメインにとらえたり、橋の上から望む川の流れのように両対岸と上流の三点のポイントを結ぶ三角形を構成する画面構成である。
底辺が幅広いほどピラミッドのような安定感が出る。
三角構図はさまざまな三角にたとえることができるので逆三角の構成も可能だ。
汎用性のある構図なのだが、三角形を意識しすぎると画面の中央にポイントが集まり周囲が疎(おろそ)かになりやすいので注意が必要だ。

ワンポイント
被写体そのものが三角形状であれば複数の三角でひとつの画面を構成できる。
規則性や視線の誘導などデザイン的な絵作りを組み合わせられるので覚えておきたい

視線を集めて強い安定感をもたらす

日の丸構図

メインの被写体を画面の中央に配置するのが日の丸構図である。
意図を意識しない初心者の作品に多い構図であり、画面中央でピント合わせをする場合に陥りやすい。
日の丸構図はダメな構図の代表格としてよく指摘されるが、必ずしもそうではない。
主題を中央に集めるため意図が明確になり、安定感も抜群である。
動物や花のクローズアップに応用できる構図なのだ。
各Chapterページで紹介しているプロの構図でも、日の丸構図は多いので、注意して見てみるといい。
ただし意図的に日の丸構図を活用する場合は画面全体のバランスにも注意が必要だ。
完成度の高い日の丸構図は意外とむずかしいのだ。

ワンポイント
日の丸構図を意図的に活用する場合、背景に目を向けて主題との画面割合に注意し、一体感をもたせれば完成度が高まる

調和が生む美しさを表現する

シンメトリー構図

シンメトリー構図は、画面中央を境に上下や左右を対称に構成する構図である。
よく見かけるシンメトリー構図を使った作品には、湖畔から対岸が水面に映り込む水鏡の情景をとらえたものが多い。
また、お寺の境内の門や鳥居といった左右対称の建築物、道路や流れを中央に配置して左右対称に見立てた絵柄など、少しイメージをめぐらせればいくつも浮かんでくる。
意外と身近なものでもシンメトリー構図を作れるのだ。
ただし上下または左右が似た絵柄になるため、画面構成がワンパターン化しやすく、マンネリ化しやすいので注意したい。

ワンポイント
シンメトリー構図のマンネリ化を防ぐには視線の誘導や被写体の規則性など、動的な要素をもつ構図法を組み合わせるといい

写真に動感や奥行き感を出す

対角線構図

画面を斜めに横切る線を基準にし、要素を構成する構図を対角線構図という。
山の斜面や川の流れ、道路のラインなどを斜めに配置することで遠近感が強調され、動感や奥行きを感じる絵柄が得られる。
滝や階段などを横からとらえれば傾斜が明確になり対角線構図を作りやすい。
また、対角線を左右から交差させればX構図となり、交差する中央に視線を集めやすくなる。
ただし、あまり意識しすぎると画面をただ二分した構成に見られやすいので注意が必要だ。

01

ワンポイント
画面のたんなる二分化を避けるためには、対角線の位置を上下にずらし、絵柄を再構成するとよい。
また画面下の割合を多くとると安定感を得られやすい構図になる

対角線を交差させて視線を集中させる
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被写体を画面の対角線上に配置する

手前に植物を配して対角線構図を作る
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山肌のラインを活用した例
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もっともバランスのとれた構図

三分割構図

画面を上下左右に三分割する三分割構図は使用頻度の高い構図といえる。
上下左右に均等に2本のラインを引くと画面は9のマスに分割される。
そのラインが交差する交点付近にポイントとなる被写体を配置するとバランスのとれた構図が得やすい。
また9のマスを下の写真のように6:3に分けて主題と背景を分割することもできる。
9マスを面として考えると絵柄を配置しやすくなる。
その結果、視覚的にも安定した構図が得られるのだ。

なお、三分割とともによく使われる構図に二分割構図がある。
横または縦に画面を二分割する技法で、風景写真などでよく使用される。
画面を均等に縦または横に分割するため、安定感が出る。
ただし、被写体を吟味しないと単調な絵になるので乱用は避けたい。

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ワンポイント
三分割構図、二分割構図ともに、単純に線や交点に被写体を置くだけではなく、主題をどこに配置し、副題はどうするかまで意識すると完成度があがる

交点に被写体を配置しよう
花を二輪、交点に配置した例

01

左右に並んだハイビスカスを三分割の下の交点に二分割されるよう配列した。
さらに奥のもう一輪を葉影からのぞかせ、奥行きを演出している。
こうした応用の効く構図配分も可能だ

02

ー見分割点に被写体はないようだが、じつは巧みに三分割構図を使った例
03

牧草地でのんびりと食する牛たちはあちらこちらに点在している。
三分割の交点に目立つ牛を配置し、バランスの整った構図を得ることができた

04

分割したエリアで分ける三分割構図もある

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ウインドウディスプレイを撮影したこの作品では、縦に三分割された右側のひとつのエリアに、手前にあった壁を入れている。
このように三分割構図は必ずしも交点を意識しなくてもよい

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美しい夜景を二分割構図におさめる

07

グラデーションの空とイルミネーション。
この対比を効果的に見せたくて二分割構図で撮った

08

プロも使う構図のテクニック

ここからは、さらに発展した構図について紹介していく。
P.8~15に引き続き基本的な構図論ではあるが、プロも使う効果的なテクニックを集めている。
これらを習得して写真のレベルを高めていこう。

三分割や日の丸構図などの基本構図を習得したなら、次より作画的な構図を覚えよう。
ここで紹介する構図は、単純にフレームを半分にしたり三分割したりする機械的なものではない。
被写体を画面内に置く位置や、主題と副題の密接な関係、さらには写真を見る側の視点を考慮した構図作りである。
それらを覚えることで作品性がぐっと高くなる。
まずはひとつひとつ順に覚えていくことが大切だ。
そして次のステップは複数の構図を組み合わせること。
複数の構図パターンを絡めて画面を構成することで、自分のイメージに近づけることができるのだ。
それではさっそく構図のテクニックを見ていこう。

小川や道を利用して見る者の視線を誘う構図を作る

視線を誘う構図

04

視線誘導とは、道路や川の流れなど画面内にある要素を効果的に利用して、写真を見るものの視線を主題に誘導する構図法である。
手前から奥へ、右から左へと視線を誘う。
誰が見ても撮影者の意図がわかりやすいのが特徴だ。
よく利用されるのは、山の稜線や小川、道路や線路など。
これらで主題となる被写体へ視線を誘導するのである。
川の流れなどを撮影した場合では、周囲との相互関係や位置関係、そして奥行き感といった三次元的な効果も期待できる。
撮影や画面構成に慣れた経験者向きの構図と思われがちだが、不慣れな人でもコツさえつかめば意外に多用しやすい構図である。
なんども撮影してコツをつかもう。

線路などを使って視線を電車に誘導する

01

トンネルからでてくる電車をねらった構図。
左のカットはトンネルの位置が上部よりやや下にあるため、その上の紅葉する山肌に視線がいってしまう。
右はトンネル入り口を上部に配列し、伸びる線路からトンネルまでの視線誘導に成功している

わん曲する農道を使って視線を民家へ誘導する

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田んぼの奥に建つ茅葺き屋根の家をねらった構図。
左は田んぼの奥に家がある一般的な対比構成だが、右の作品では農道を活用しているため道が視線の誘導役になり、道→田んぼ→家へと作品意図に導いてくれる

03

いつもとは視点を変えて意外性を感じる構図にする

意外性を感じる構図

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意外性を感じる構図とは、被写体にレンズを向ける角度やカメラポジションを変化させ、視点に変化をつけることである。
ついついラクな姿勢で撮ってしまったり、三脚使用の場合ではおきまりの高さで撮影する。
そんなワンパターンな構図になってしまう人にとくにおすすめな手法である。
被写体へ向けるアングルが変化すれば構図はおのずと変化する。
とくに広角では数十センチ高さを変えるだけで別な絵柄になることも少なくない。
また花などのクローズアップでは数センチの移動量で構図そのものを変えることができるのだ。

どこから撮るかで写真にインパクトを与える

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ゴリラが休んでいるようすを望遠でとらえた。
のんびりした感じは出ているが、これでは雰囲気や状況をキャッチした内容に留まっている

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上の力ットと同じゴリラ。
撮影ポジションと焦点距離を変えるだけでぐっと雰囲気が変わる。
表情を観察して指をくわえた一瞬をねらった

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2匹のチンパンジーを左右に配置してあたかも寄り添うカップルに見立てた。
第三者が見て絵柄からなにを感じるか?
を考えてフレーミングし、具現化した構図である

撮りたいものをはっきりさせる構図の引き算

構図の引き算

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撮影では撮り急いでしまったり、ファインダー確認を怠ったりすると思いもよらないものが写り込むことがある。
とくに画面の周囲は見落としやすく、ファインダーの視野率が100%ではないカメラで起こりやすい。
構図の引き算とは不要なものを写さないこと。
それには、まずシャッターを切った後に背面液晶モニターで画像をチェックする。
ここで自分のイメージに合わせて要素を添削し、そしてもう一度撮るのである。
構図を作り直す習慣を身につけよう。

シンプルな構図で主題を引き立てる

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新緑深まる湖畔。
左はこの場所がよくわかる状況説明的カット。
右はポイントを整理して不要な部分を引き算した。
結果画面内が整理され、主題である木々を強調できた

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左は撮影ポジションから見えるすべてを構図した、いわゆる欲ばり構図。
これでは作者の意図も散漫になってしまう。
右は背景をカットして意図を明確にした

規則的な被写体の並びが
美しさを演出する構図のリズム

規則性とリズム

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ちよっとむずかしい表現だが、写真の効果におけるリズム感とは、規則正しく並んだ被写体の繰り返しによって生じる。
同じようなものが整然と並び、パターン化することで、写真を見る側はリズム感を感じるのだ。
たとえば規則正しく並んだ石畳やレンガ作りの壁模様。
白樺林や人工的な花畑などを見つけたらチャンスである。
日常には少し気をつければ規則性のある被写体に溢れていることに気づく。
こうした絵柄や雰囲気を意識して構図すればよい。
被写体を見つけられさえすれば、比較的かんたんで使いやすい技法だ。

配置の違いで写真のリズム感が変わる

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稲わらが田んぼにランダムに置かれていた。
配列はバラバラだが、どこか規則性を感じてダンスをしているようにも見えた。
その雰囲気にリズムを感じる

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同じ稲わらでも整然と置かれると、がらりと印象が違ってくる。
田んぼは舞台演出のように刈り跡がライン状に広がり、稲わらが上品に見える。
クラシック音楽が似合いそうだ

構図のなかに繰り返されるパターンを取り込む

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石畳に見る不規則な形の組み合わせや、トリが魚めがけて群れる光景、そしてレンガ造りの壁面のデザイン。
構図には気がつかないうちにさまざまなパターンの要素が盛り込まれている。
それを撮影時に判断できればパターンとして構図の要素に盛り込むことができ、有意義な画面構成ができる。
ふだんから、いろいろなものを観察するといいだろう

やわらかさや動きを演出し奥行き感と遠近感を出すS字構図

S字構図

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構図のなかにアルファベットのSをイメージさせる画面構成をS字構図という。
くねくねと蛇行する川の流れや、連続したカーブの続く山道などがこの構図に最適な被写体となる。
クルマを入れたり、木立が入つてもアクセントになる。
こうした屈曲したラインは見る者に柔軟性や動きをイメージさせ、ときには奥行き感や遠近感を出してくれるのだ。
上記のようなS字そのものという被写体以外にも応用できる。
たとえば大樹の幹に絡まるツタもクローズアップして見ればS字のように見え、適した被写体となる。

また、自然風景だけでなく、小物撮影にもS字構図は活用できる。
S字のものがなければ、配置でS字にすればいい。
小物撮影は単調になりやすいのでぜひ活用していただきたい。

ワンポイント
S字構図単体でも奥行き感や動感などを出せるが、対角線構図や二分割構図などと組み合わせると、よりS字構図の効果が高くなる

川の流れや道の構図に最適

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同じS字構図でも左はS字が直線的で曲線としてのなめらかさに欠けている。
右は撮影ポジションを高くしてS字がなめらかに見えるアングルを選んでいる

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左上の写真はS字に下る流れたが、途中の分岐も組み合わされS字が散漫な印象である。
左下はダイナミックな逆S字の流れが紅葉とうまく調和している

風景撮影以外でも活用できるS字構図

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小物を並べたテーブルフォトである。
大小の配置に気配りしても構成に骨格がないと散漫な印象だ

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同じ構成でもS字を骨格にして配列すればリズミカルでまとまりのある構図が得られた

構図作りに役立つカメラ機能

写真のイメージを変えて思いどおりの構図にする”隠し技”

構図とカメラ機能、このふたつはまったく関係のないように思えるがじつは密接な関係にある。
構図が画面の構成なら、カメラ機能はそれらの雰囲気やイメージを強調する隠し技。
これはぜったいに覚えておきたい。

構図を考えるうえで重要な隠し技が絞りやシャッター速度などのカメラ機能である。
たとえば同じ構図でも絞り値の違いは被写界深度(ピントの合って見える範囲)に影響するため、ピントが1カ所の場合と画面全域に合っている場合で構図そのものの印象が大きく違ってくるのだ。
またシャッター速度は、動いている被写体の動感描写に直結するため、静と動では構図の見直しが必要となる。
露出においても表現に合わせた明るさの選択や色の濃淡が見た目の構図作りに影響するのだ。
それではカメラ機能についてじっくりと解説していこう。
これらはすべてデジタル一眼を使っていればすぐに使える機能ばかりだ。

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水上飛行機を逆光で撮影した。
逆光に合わせて露出を選べばローキー調で機体はシルエット化してしまう。
逆に機体に合わせれば明るいハイキ一調になる。
明暗の表現差は構図の印象を大きく変える

ピントの合っている範囲で
作品の意図が大きく変わる絞りの効果

絞り値を変化させる

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下の3枚の比較写真を見てほしい。
絞りを開放F値(ここではF2.8)にした場合と、F5.6やF11のように絞り込んだ場合とでは、ピントの合つている範囲が大きく異なる。
そのため絵柄の印象は様変わりするのだ。
この絞りの変化を使用した構図が下中の写真。
背景が大きくぼけて主題の花が引き立っている。
三分割構図と組み合わせることで安定感がありながら、印象的な写真になった。
その下の写真は逆に絞りの数値を増やし、遠くまでピントを合わせた。
広がりのある写真を撮るのに向いている。

同ー条件で絞り値を変えて撮影

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APSセンサーサイズのカメラで絞り値を変化させた比較写真である。
絞り値F2.8ではピントの合っている場所が狭く背景がぼけるが、F5.6そしてF11へと絞り込んでいくと背景にまでピント範囲が広がり鮮明な印象となる

背景を大きくぼかして花を引き立てる

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花のイメージ表現はピントの合っているところとそれ以外のぼけの対比が独特の雰囲気をかもし出す

画面奥までピントを合わせて風景を取り込む

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パンフォーカス(絞り値を大きくする)は、ピント範囲が画面全域でシャープ感の高い表現だ

明るさを変えると
写真のイメージが変わる露出の効果

露出値を変化させる

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露出は、被写体に応じた適正な明るさがあるように、構図によっても最適な露出というものがある。
オートで撮影したとき、絵柄によってはカメラが指示する露出でよい場合もあれば、表現のためにマイナス補正が必要な場合や意図的なオーバー露出を求めることも少なくない。
右下の山肌の写真は対角線で構図し、露出を暗くしたことで重厚感が出た。
最下段の写真は逆にプラス補正して明るくしている。
日の丸構図でとらえつつ、写真全体を明るくすることで花の透明感ややわらかさが表現できた。
このように明暗の違いによって被写体や撮影シーンのイメージは大きく変わる。

ワンポイント
露出補正について、同じオート撮影でも絞り優先AEは決めた絞りを変化させずに露出変化を得るため、シャッター速度は変わるものの、おもに明暗に差が表れる。
シャッター優先AEでは決めたシャッター速度を変化させないため、絞り値が変動して明暗だけでなくピントの合って見える範囲がおもに変化する。
動体を対象とすることの少ない自然風景撮影において絞り優先AEが好まれる理由がここにある

明るさを変えたときの写真の効果

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農機具小屋をポイントに畑を撮影した作品である。
露出を変化させて比較している。
同じ絵柄でも色や濃度は好みもあるが、被写体を基準に考えればそれに見合う露出があることがわかる。
また表現意図としての露出であれば構図との関係も強くなり、露出に合わせた構図の選択が必要となる

露出をマイナス補正して山肌の重厚感を表現する

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湖にせり出す山肌を斜光が照らして強烈なコントラストを見せている。
ここでは日の当たる斜面に露出を合わせ、日陰を暗く落とすことで重厚感のある構図作りをした。
注意点は日向と日陰をどの割合で見せるか、さらに添え役としての湖面の割合もある。
こうした複合する画面構成は構図選択のむずかしい局面である

露出をプラス補正して花のやさしさを演出する

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バラのクローズアップをパンフォーカス表現している。
それによりリアルなバラの表情を引き出しているが、同時にやさしいソフトイメージもかもし出している。
それには花色の選択と花びらのシャドウからハイライトにかけての階調表現が重要だ。
こうした作画意図にもとづいた露出補正を行い、構図選びを心がけることで完成度の高い作品を生み出せる

被写体の動きを表現する
シャッター速度の効果

シャッター速度を変更する

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ほとんどの一眼レフのシャッター速度は1/4,000秒から30秒(一部の機種は1/8,000秒から60秒)まで段階的に速度を選択できる。
このシャッター速度の違いによって被写体の動きを静止させたり、ぶれで動感描写を得たりと表現の幅を広げることができるのだ。
右下の写真は風で揺れるヤシの木を低速シャッターで写したもの。
葉のぶれにより風の強さがみごとに表現できた。
下の写真は高速シャッターで波打ち際をとらえた写真。
水玉がはっきりと見え、まるで静止したかのようだ。
こうしたシャッター速度を意識して撮影する場合、動きを予測して構図を決める必要がある。
ふだん見えない一瞬を構図するのだから、納得がいくまで撮影するといい。

ワンポイント
低速シャッター時のぶれには注意
低速シャッターには手ぶれがつきもの。
その対策には三脚がいちばんだが過剰な信頼は禁物だ。
三脚使用時でも、シャッターボタンを押したときのわずかな振動でぶれが発生するのだ。
そんなときはリモートレリーズを使用しよう。
カメラを直接さわらないので、不要なぶれを抑えることができる

三脚
三脚がぶれ対策にはもっとも有効たが、過信は禁物である

リモートレリーズ
リモートレリーズを使えばカメラにふれずにすむ。
ぶれ対策の必需品

シャッター速度を変えたときの写真の効果

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ここでは落水を使いシャッター速度を変えるとどうなるのか、視覚的な印象の違いを比較した。
落水は1/1,000秒で静止し、見た目より水量が少なく写る。
逆に低速シャッターになるほど落水はぶれが大きくなり1/6秒ではシャッター速度が遅くなるほど水量が増して軌跡を描くイメージ描写となる。
こうした描写の違いを意識して構図に反映したい

低速シャッターで風の強さを表現する

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風に揺れるヤシの木を月夜で撮影した。
シャッター速度は10秒なので、ぶれ量は十分。
選んだ構図に対して適した描写を導くことが動感表現の奥深さである

高速シャッターで波しぶきを止める

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悪天候に荒れる波しぶきをとらえた。
高速シャッターで写し止める波は肉眼ではわからない変化を見せる。
あらかじめ大波を予想して構図を決め、チャンスを待って撮影した

光を感じとる機能を高めて撮影をサポート
ISO感度の効果

ISO感度を変更する

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ISO感度とはカメラで感じられる光の感光度のこと。
ISO感度の数値が高いほど感光度は高くなり、室内や夜景など、撮影シーンが暗い場合でも、シャッター速度が遅くなるのを防ぐことができる。
右の写真は同じ明るさでISO感度を変化させたもの。
明るさが一定なので、ISO感度を上げるとシャッター速度もそれに比例して速くなっていく。
右下の写真は夜のショーウィンドウをフラッシュなしで撮影。
手持ち撮影ながらISO感度を高く設定することでシャッター速度を速くすることができ、手ぶれせずに撮影できた。
スナップ派には心強い機能である。
なお、ISO感度か高くなるとノイズが増える問題もあるが、最新モデルではISO1600でも気にならなくなつた。
上手に活用して手持ち撮影のバリエーションを増やしてほしい。

ワンポイント
高ISO感度ではノイズに注意
技術の進歩で高感度特性は高まったがノイズがなくなったわけではない。
ISO6400を超えるような高感度ではノイズの存在も目立ち、手持ちで星空が撮れてしまうほどのISO12800ともなるとノイズの存在は無視できなくなる。
それを理解したうえで作画に活かしたり、高感度のノイズ軽減機能を活用するといいだろう
左上と右の写真ではほとんど違いがわからない夜景写真も、ノイズは拡大するほど目についてくる。
そこで高感度ではどれほどのノイズが発生するかISO400とISO6400の部分拡大を比較した

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絞りをー定にしたとき、ISO感度を変えると
シャッター速度はどう変化するのか?

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絞り値を一定にしてシャッター速度を変えると露出の過不足が起こる。
それを補う方法としてISO感度を可変させる補正方法がある。
ここでの比較は絞りを一定にしてISO感度を変更し、滝以外の景観を同等に表現している。
その上で落水の動感描写をシャッター速度別に比較しに。
シャッター速度の変動がよくわかる

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手持ち撮影では手ぶれが失敗写真の要因にあげられる。
手ぶれは縦構図に多く、たとえ手ぶれ防止機構が付いていても万能ではない。
そんなときに役立つのがISO感度を上げて手ぶれを防ぐ方法である

構図作りに役立つ!広角標準望遠レンズ使いこなし術

焦点距誰と画角でつかむ

最近はズームレンズが主流なので焦点距離と画角、そして画角特有のレンズ効果について意識する人が少なくなった。
ここでは広角、標準、望遠の各単焦点レンズから特徴を解説。
構図のテクニックを高めたい。

広角レンズ

(単焦点レンズ40mm以下、ズームレンズ16〜35mm前後)

広角レンズの焦点距離は一般的に24〜35mm付近までとなり、20mm以下は超広角と呼ばれる。
広角レンズはその名のとおり広い画角をもつため、広範囲を写すことができる。
なかでも人気のある24mmレンズの画角は横位置撮影で水平74度、垂直53度と肉眼で遠くを眺めたときの視野幅に近く使いやすい。
また広角レンズは焦点距離が短くなるほど、近くのものが大きくて奥のものが小さく写るパースペクティブ特性があり、周辺の歪みも顕著だ。
こうした特性を理解して使いこなせばひと味違った構図作りが楽しめる。

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広角レンズの水平画角は一般的に100度から60度となる。
その画角の広さを活かした撮影が楽しめる

開けた視界を広角レンズで取り込む

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水深の浅い川に入りローアングルで撮影した。
広角レンズのおもしろさは、撮影ポジションの選択にある。
川の流れの中央から目前の草がポイントになるよう至近距離でとらえながら、広角の広い画角を活かして下流を望む、開けた風景として三分割構図に整理している

パース感を広角レンズで取り込む

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カルガリー空港で見つけた大きく口を開いたカバのオブジェ。
画面の四方からカバの口に視線が集まるようにパースペクティブ特性(遠近特性)を使い、至近距離からデフォルメチックにとらえた。
いまにもカバに食べられそうな迫力が出せた

ワンポイント
広角レンズは1mmの差が大きく影響する
広角レンズでは、近似する焦点距離の違いが標準や望遠レン
ズと比べて想像以上に大きく感じやすい。
たとえば16mmと18mmで比べると画角差は水平画角で約7度の差となる。
望遠レンズの場合は200mmと250mmで比較してもわずか3度。
画角が広くなるほど、わずかな差が構図に大きく影響するのだ

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標準レンズ

(単焦点レンズ50mm前後、ズームレンズ24〜70mm前後)

標準レンズとは焦点距離が50mm前後のレンズのことである。
この焦点域は前後の奥行き感や圧縮感が肉眼で眺めた印象に近いため標準と定められた。
カメラに備わっている標準ズームとは標準の意味が異なるので覚えておきたい。
50mmレンズの画角は水平40度、垂直27度で、横位置ではほどよいワイド感を保ち、縦位置では水平が27度となり焦点距離80mmクラスの画角が得られる。
つまりねらい方しだいで広角や中望遠に近い表現が可能。
最短至近距離も50cm付近まで寄れるので汎用性の高いレンズである。

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標準レンズの水平画角は一般的に40度から25度となる。
広角レンズと望遠レンズの中間に位置するレンズた

標準レンズで日常風景を切り取る

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沖縄の市場で見つけたドレスアップした豚の頭。
見つけたときの印象そのままに日の丸構図でとらえた。
クセの少ない画角が標準レンズの魅力である

標準ズームレンズで街をスナップする

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街角でキスするカップルをアクセントに街並みを遠近感をつけて表現した。
広角から中望遠域をカバーする標準ズームは極端な遠近感がつかず柔軟に構図を決められるレンズだ。

望遠レンズ

(単焦点レンズ70mm以上、ズームレンズ70〜200mm以上)

望遠レンズは焦点距離70mm以上のレンズのことで、中望遠、望遠、超望遠と焦点距離により分類される。
望遠レンズを使うと遠くのものを拡大して引き寄せる効果がある。
前後の圧縮感は焦点距離が長くなるほど強くなり、画角も狭くインパクトの強い表現が可能だ。
85mmから135mmの中望遠領域は被写体とのほどよい距離感を保てる。
150mmから300mmは限られた景色の抽出に適しており、自然風景の撮影で人気がある。
それ以上の領域は超望遠といい野鳥やスポーツの撮影では欠かせないレンズである。

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望遠レンズの水平画角は一般的に15度から10度。
遠くのものを拡大し、引き寄せて撮影できる反面、画角は狭い

圧縮效果

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三分割構図の交点に配した満月を500mmでとらえ、前景に重なる山々を配した。
この前後する山から月までがプレスされた平面のようにみえる。
これが圧縮効果だ

引き寄せ効果

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半島をバックに入り江に向かって白波が押し寄せる光景を300mmでとらえた。
右の写真は50mmで撮影した同じ風景。
このように遠くのものをクローズアップさせる効果を引き寄せ効果という

構図作りの幅を広げる特殊レンズ

広角、標準、望遠レンズ以外にも魚眼やマクロといった特殊な画角や焦点距離を備えるユニークなレンズがラインアップされている。
これらの特殊レンズを使いこなして、さらに上の構図作りを目指したい。

魚眼レンズ

(フィッシュアイ)180度対角/360度円周

魚眼レンズには単焦点レンズとズームレンズがある。
どれも円周360度から対角180度の画角である。
ズームはその中間画角も得ることができるユ二ークなレンズだ。
近景から遠景までをひとつの画面にとらえることができるため、しっかりとした構図を得られるようになるまではレンズの特性に対する慣れも必要となる。
とくに円周魚眼は、メリハリを付けた画面構成が求められる。
対角魚眼は対角線が180度あり、通常のフォーマットではこれ以上広い画角はない。
どちらも被写体までの距離やアングルによってデフォルメや湾曲効果が強く、水平が湾曲するのでそれを計算して構図を決めたい。

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円周魚眼レンズの画角は水平、垂直ともに180度で半ドーム型。
対角魚眼レンズは対角180度と、どちらも肉眼で見るより広い画角となる

サクラを360度円周魚眼レンズで撮影

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真上に向けるとプラネタリウムのようなドーム状態となる。
メインとなるサクラに寄り添って中心付近を意識した日の丸構図に決めた

山道を対角魚眼レンズで撮影

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対角魚眼レンズは左右上下とアングルやポジションの違いで画面四隅の歪みが目立つので構図を選ぶ際には注意が必要だ

マクロレンズ

マクロレンズは花の撮影には欠かせないほど親しみのあるレンズだ。
被写体を同サイズでとらえることのできる等倍領域になると画角は極端に狭くなる。
その効果は花のシベのアップや昆虫の拡大撮影で活きてくる。
ただし、被写体のごく一部をとらえるので光量が不足し、スローシャッターを強いられることになるためカメラぶれも発生しやすく注意が必要だ。
またピントリングを動かすことで撮影倍率が変わり、ピント位置を動かすたびに構図も変化してしまう。
厳密な構図調整にはピントリングで撮影倍率を選択し、カメラを前後させることでピント位置を探ると構図の変動が少ない。

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上の画角はマクロレンズをイメージしたもの。
被写体が等倍に写るときの画角は超望遠レンズ並みに狭くなる

昆虫や花々にグッと寄って撮影

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180mm望遠マクロで花に近づいた蝶を三分割構図の交点でねらった。
近づきすぎれば逃げてしまう昆虫には望遠マクロが重宝する

葉の葉脈がはっきり見えるまで拡大

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100mmマクロで落ち葉を対角線を意識してクローズアップ。
至近距離での解像度は高いが高倍率のためぶれやすいので注意が必要だ

Chapter 1 立体感や奥行きを感じさせる構図

立体感と奥行きを感じさせる構図とは?

長方形の限られた空間に見たままの立体感を写し撮りたい。
ぐっと奥行きを感じる写真ってどうしたら撮れるのだろう?
それにはいくつかの要素が必要だった。
ここではそれらの要素をひもといていこう。

被写体の大きさを利用して立体感や奥行きを演出する

構図テクニック
対角線(クロス)、視線の誘導

焦点距離
28mm

広角ズームでローアングルからねらったシダ。
メインのシダは大きくデフォルメされ、遠くのものほど小さくなって立体感と距離感を強調し、視線を誘導するような画面構成が得られている。
同時に中心に暗い場所を選ぶことで明暗のコントラストが生まれ、シダが描くクロスした対角線の効果も加わって右の図のように中心から飛び出るような立体感を出している

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キヤノンEOS-1Ds MarkⅢ/キヤノンEF16-35mm F2.8L USM
28mm /絞り優先AE(F11、0.8秒)/ISO160/オート

アングルを工夫し、明暗や絞り値の変化を組み合わせよう

写真は二次元の平面表現である。
そのため立体感や奥行き感といった三次元的な要素を盛り込むためには被写体の画面構成やアングルを工夫したとらえ方が必要だ。
たとえば橋やビルなど直線的な立体物を真正面からとらえると平面に見えるが、少し角度を変えて斜めから見れば背後に隠れていた部分が露出するため立体的となる。
これと同じように前後する比較をとらえれば大きさの違いが顕著となり、前後の距離感が生まれて奥行きを感じさせる写真になる。
また色の明暗さも重要なポイントで、岩などの球体も前後にかけて明暗差があれば立体的となる。
その例が上で紹介したシダの写真だ。
こうした被写体の見方や色違いを活用することで二次元の写真に三次元効果をもたらす。
構図法としては「対角線構図」や「視線の誘導」が効果的で、これに「絞り値」を変化させて背景や前景を大きくぼかすことでも立体感を強調できる。

要素のポイント

画面奥に吸い込まれる(あるいは飛び出す)ようなイメージを「対角線構図」や「視線の誘導」を活用して作る
被写体と背景に遠近感が出るよう「アングル」をいろいろと変えてみる
遠近差を強調できる被写体をフレーム内に入れる意識をする
被写体の立体感がより強調されるよう「絞り値」を調整して、前ぼけ・後ぼけを作る
被写体と背景の明暗差をカメラの「露出補正」で、強調させる

写真に立体感・奥行きを感じさせる構図の例

対角線が生み出す奥行き

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橋を斜め下から見上げることで対角線状に配置し、前部と後部の見せ方を大きく変化させた。
対角線にすることで手前は大きく奥が小さくなり、立体感や奥行きを写真に作り出す

ぼけが生み出す立体感

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“ぼけ”は、ピントの合っている位置からしだいにピントが合わなくなっていく。
この効果は視線をピント位置に誘導し、その周辺のピントの甘さが立体感をかもし出す

№1 自然・風景

被写体の背景を整理してシダの存在感を引きだす

構図テクニック
視線の誘導、対角線

焦点距離
約104mm(35mm判換算)

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構図のポイント

対角線構図でメインとなる被写体(シダ)を前景に置き、前後の対比を極端なものとする

前景と背景との色の違いに着目。
暗い色を背景に用いることで奥行きを効果的に出せる

シダの周りには目立つものを置かないのもポイント。
シダから奥への明暗差が視線の誘導となり、奥行き感が印象的となる

背景に目立たないもの選び、前景と背景との色の違いに着目する

原生林での撮影。
上流の滝から下流の滝へと下る途中で見つけた大きなシダ。
これをポイントに背景に染み落ちる小さな滝をとらえた。
シダの背後にある岩を脇役として奥に滝を見せている。
対角線構図で前景にメインとなるシダを置き、暗い背景を選んで明暗の対比を極端なものとする。
これだけでも奥行きは演出できる。
さらに、画面割合から大きく見せることで主役を際立たせ、前景の存在感がアピールできる。
背景に目立たせないものをすっきりと見せれば奥行き感は増す。
前景と背景との色の違いにも着目したい。
明るい色は膨張色でもあり、暗い色に比べて大きく見えるため前景にふさわしい。

キヤノンEOS1D-MarkⅢ/キヤノンED70-200mmF2.8LISUSM/80mm/絞り優先AE(F16、1.3秒)/ISO100/オート

№2 動物

小道で遊ぶネコを、横位置でも奥行きを感じる構図で撮る

構図テクニック
三分割、対角線、絞り値

焦点距離
160mm

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構図のポイント

ネコを中心に前景と背景を配置することで奥行きを表現

望遠レンズを使い、絞り値を開放F値にして背景を大きくぼかす

背景の色彩との対比により、ネコの顔が浮き上がっている

ネコの体の形に合わせて、前ぼけを配置して視線のリズムを出し、奥行き感を強調している

望遠レンズでネコを中心に前景と背景を配置し、立体感を出す

鉢植えがきれいに置かれていたお宅の玄関先で撮影。
敷地のなかには入れないので、ネコがこの位置に来てくれるまで待って、路上から望遠で撮影した。
ネコを中心に前景と背景を配置して、奥行きを表現。
構図の基本は三分割だ。
ポイントは、絞り値を開放F値にして、背景を大きくぼかしたこと。
これにより自然な立体感と奥行き感を演出している。
大きくぼけた背景との対比で、ネコの顔に自然と視線がくる。
また、背景の色彩との対比もあり、ネコの顔が浮き上がっている。
ネコの体の形に合わせた前ぼけを配置し、写真にリズムを出す。
画面の左側で展開している奥行き感を、この部分でさらに強調している。

キヤノンEOS5D/キヤノンEF70-200mmF4LISUSM/160mm/絞り優先AE(F4、1/100秒)/ISO640/太陽光

№3 乗り物

高いアングルから撮影してヒコーキの立体感を強調する

構図テクニック
三分割、視線の誘導、日の丸

焦点距離
約21mm(35mm判換算)

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構図のポイント

三分割構図と日の丸構図+ハイアングルで手前の芝生を多めに取り入れることにより、立体的で奥行き感が増した

順光側から撮ることで機体下部の影を活かす

機体の両サイドから奥に流れるように雲を配置できると視線の誘導+奥行き感が強調される

アングルを変えると見えてくる被写体の変化に注意して構図する

鹿児島空港で離陸のため滑走路に向かうB777型機を撮影。
芝生の緑、空の青がとても美しかったので三分割構図にて取り入れた。
目線よりも高い位置からのアングルで、手前の芝生を多めに取り入れることにより、ヒコーキの立体感や奥行き感が増す。
このような場合は、ヒコーキに光が当たる順光側から撮るといい。
さらに、プロペラ機や小型機よりも、主翼の長いB777型機のような大型機を選ぶと、奥行き感を表現しやすい。
また、空にある雲の位置もアクセントになるので観察して取り入れる。
雲をヒコーキの両サイドから奥に流れる感じに配置できると、奥行き感をさらに強調させるポイントになる。

キヤノンEOS-1DMarkⅢ/キヤノンEF16-35mm F2.8L Ⅱ USM/16mm/マニュアル露出(F8、1/250秒)/ISO200/オート

№4 乗り物

メインの被写体が引立つように前ぼけを画面の下に大きく入れる

構図テクニック
三分割、刘角線

焦点距離
85mm

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構図のポイント

メインの被写体である列車との間にナノハナを入れて撮影する。
あえてヒントを合わせないことが奥行きを出すポイント

異なる距離感の被写体を画面のなかに取り込むことで、よりいっそうの奥行きを表現することができる

背景にある建物やクルマをナノハナで隠している。
画面に余分なものが入っていないか確認することも大切だ

手前に大きなぼけを入れることで奥行きを感じる写真になる

空、ナノハナ、列車、それぞれの色のコントラストがとても美しかった春の肥薩線(熊本・鹿児島県)のひとコマを、奥行きをもたせて写した。
メインの被写体である列車との間にナノハナを入れて撮影。
レンズの目の前にナノハナを置けば当然ピントは合わずにぼける。
パンフォーカスにはせず、あえてピントの合っていないものを画面に入れることが奥行きを出すポイントだ。
画面の手前にぼけを入れたら、背景にも気を配ろう。
ぼけたナノハナから、ナノハナ畑、列車、山、空というように異なる距離感のものを画面のなかにたくさん取り込むことで、よりいつそうの奥行きを表現することができる。

キヤノンEOS-1DsMarkⅢ/キヤノンEF70-200mm F2.8LISUSM/85mm/マニュアル露出(F5.0、1/1,000秒)/ISO200/太陽光

№5 スナップ

遠くの被写体を効果的に配し、日常の風景を立体的に切り取る

構図テクニック
三分割、視線の誘導

焦点距離
約225mm(35mm判換算)

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構図のポイント

画面の奥に見える海が、遠くへと視線を集中させ、柱が視線を海に誘導する

手前で途切れた船着場の道と、突堤にある灯台の対比により、遠さを感じさせる

船着場であることがわかる要素を入れて、奥行きのイメージをさらに強めている

遠くの被写体や建物の柱などで視線を誘導し、奥行き感を表現する

港のさん橋を行き交う日常の風景を撮影。
行き交う人々それぞれのドラマが感じられる写真に仕上げたい。
そのためには、風景と人びとを等価にフレーミングをするとよい。
基本は三分割構図で、画面の奥に見える海へと視線が流れるように、構図を考えた。
今回は画面の中央に向かって均等に並ぶ建物の柱を使って、視線を海に誘導。
手前で途切れた船着場の道と、突堤にある灯台の対比により、さらに遠さを感じさせる。
望遠側で撮影したことで圧縮効果が表れ、立体感を出す。
また、船との架け橋を入れることで船着場であることがわかる。
これにより、奥行きのイメージをさらに強めている。

ニコンD300/-212AF-SDXZoom-NikkorED18-135mm F3.5-5.6G(IF)/150mm/絞り優先AE(F8、1/320秒)/ISO200/晴天

№6 自然・風景

直線的な道は、画面の中心に交差するポイントを配置する

構図テクニック
視線の誘導、シンメトリー、対角線(交差)

焦点距離
約21mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-17_17-18-53_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-17_17-19-5_No-00

構図のポイント

落ちてきた枯れ葉をアクセントに選ぶ。
これが道の奥への視線の誘導となり、立体感を強調。
道にはところどころ、植物の影が変化をつけている

左右から道にかぶさるように生い茂る植物群を対角線とシンメトリー構図で構成。
植物群の影は道を引き立てる効果になっている

青空に浮かぶ白い雲。
落ち葉との対比もそうだか、夏空の雰囲気をかもし出す役割を演じている

まるでプライベートピーチへ続く小道のようなイメージに仕上げる

南の島で撮影したこのカットは、なんでもない小道を強いコントラストのなかでとらえている。
青空を入れることで、炎やかさと奥へと続く道の存在を漂わせる構図にまとめた。
落ちてきた枯れ葉をアクセントに選び、道のところどころに落ちる植物の影で変化をつけている。
画面の中心に向かって対角線構図で構成。
絵画の遠近法を用いた奥行きの出し方だが、直線的な道だから活用できるともいえる。
左右から道にかぶさるように生い茂る植物群は、写真の下部に向かうにしたがって影となり、道を引き立てる効果になっている。
青空に浮かぶ白い雲。
ボリュームは少ないが、あるとないでは大違いである。

ニコンD300/-212AF-SDXZoom-NikkorED18-135mmF3.5-5.6G(1F)/150mm/絞り優先AE(F8、1/320秒)/ISO200/晴天

№7 ポートレート

服装と背景の色を組み合わせ背景をぼかして人物を浮き立たせる

構図テクニック
三分割、対角線、絞り値

焦点距離
68mm

SnapCrab_NoName_2016-3-17_18-25-19_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-17_18-25-39_No-00

構図のポイント

モデルの洋服のテイストに合わせて背景を決める

バステル調の看板とうまくなじむように、ズームレンズを望遠側にして、ぼけ効果を期待する。
カメラをモデルの目線よりやや下ぎみにすると、モデルの目線付近にハイライトができる

縦位置の三分割構図で対角線を描くように人物を配置し背景に奥行き感を出す

人物の服装と背景の色を考え、望遠側のぼけ効果を使ってなじませたい

ロケハンのつもりでふだんから周囲を見るクセをつけると野外撮影で有利だ。
ここも以前からチェックしていた場所で、モデルの服の色に合わせて選んだ。
まずはモデルの洋服のテイストに注目してから、背景を決める。
今回は淡いピンクのカーディガンをどう背景と合わせるかにポイントをおいた。
ピンクのカーディガンのやわらかな素材感の表現も考えて背景を決め、望遠側でぼけ効果を期待して撮影する。
ぼかした背景は縦位置の三分割構図でバランスよく配置し、柱に寄りかかるモデルを対角構図で立体感を高めた。
また目線はやや下ぎみにすると目線付近にハイライトができ、収まりのいい絵に仕上がる。

MACRO/68mm/マ二ュアル露出(F4、1/125秒)/ISO200/オート

№8 動物

同色のぼけを前後に使い、ネコの輪郭を際立たせる

構図テクニック
三分割、日の丸、絞り値

焦点距離
52mm

SnapCrab_NoName_2016-3-17_18-25-55_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-17_18-26-13_No-00

構図のポイント

三分割、日の丸構図で安定感と被写体の立体感を出す。
タンポポの黄色を目立たせ、かつ背景をすっきりと見せるため絞り値は開放F値で撮影

ネコの毛の輪郭を引き立たせるために、芝生の緑色とネコの顔が重なるようアングルを工夫し、前景にも緑を入れて、奥行きが出るように撮影した

ネコのやわらかな毛並を立体的で表現豊かに写す

ネコの毛並みや前足を伸ばしている姿、タンポポの黄色を目立たせるようにしたい。
そこで背景をすっきりと見せるためネコを画面の中心に配置し、絞り値を開放F値で撮影した。
ネコの毛色が白っぽく“ふわっ”としていてとてもかわいかった。
その雰囲気とネコの顔の輪郭を引き立たせるために、芝生の緑色と、ネコの顔が重なるように低くカメラを構え、さらに前景にも緑を入れて大きくぼかし、奥行きが出るようにアングルに工夫した。
どのような場所で撮影したのかがわかる程度に背景をぼかしたかったので、およそ1mほど離れた。
芝生のなかを一生懸命歩いているようすを表現できた。

ニコンD3/二コンAF-SNIKKOR24-70mm F2.8GED/52mm/マニュアル露出(F2.8、1/6,400秒)/ISO400/オート

№9 自然・風景

モノトーンな霧風景は前景の存在感に注意して構図する

構図テクニック
三分割、被写体の規則性、露出

焦点距離
約546mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-17_23-18-10_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-17_23-18-24_No-00

構図のポイント

霧に見え隠れする景色から目立つボイントを選ぶ。
木立の存在を強調させるため、三分割構図の交点に配置

前景にあるのはカーブする小道。
遠景とのバランスにも配慮し、木立と対比するように左端に配置した

被写体の規則性を生む帯状の地形。
木立の場所から奥へと続く帯状の地形をモノトーンの濃淡として写真に反映する

目立つポイントを交点でとらえ、規則性が出るように構図を工夫する

ここではまず岸から延びた地形に、木立の存在を意識した。
平均的に霧は遠方に向かうほど濃くなっていく。
中景にある木立よりも前景が目立つこともあるので注意が必要だ。
前景にあるのはカーブする小道。
木立と対比するように左端に導いた。
これ以上画面に入れると、木立よりも目立ってしまう。
遠景とのバランスにも配慮している。
画面に並んだ帯状の地形。
木立の場所から奥へと続く帯状の地形は霧の影響で奥へ向かうほど薄れていく。
前景ほど目立ちはしないが、モノトーンの濃淡として画面に反映している。
そのコントラストを活かすことで奥行き感や左右への広がりを感じさせる。

420mm/絞り優先AE(F10、1/100秒、+0.7EV)/ISO100/オート

№10 自然・風景

同系色の風景は、ぼけと圧縮効果を組み合わせてねらう

構図テクニック
三分割、視線の誘導、ピント

焦点距離
約165mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-17_23-18-54_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-17_23-19-10_No-00

構図のポイント

折り重なる畑のおもしろみを得るために、圧縮効果の期待できる大口径望遠レンズを選択している

ぼけのやわらかさ、ピント位置のシャープ感などメリハリをもたせて、奥行きのある風景のなかにシラカバを浮き立たせている

前景を適度にぼかすことで、距離感の違いを画面内に含ませることが可能となる

望遠レンズの圧縮効果で折り重なる畑のおもしろみを得る

大口径の望遠ズームレンズで絞りをやや開けて撮影した。
絞り込んで前景をはっきりと見せていたら、手前から奥までの奥行きを感じにくくなり、広がりが感じられなかっただろう。
前景や背景が適度にぼけることで、自然と視線が手前から奥へと流れ、鑑賞者は距離感の違いを読み取ることができる。
このシーンはほとんど緑ー色だが、ぼけのやわらかさ、ピント位置のシャープ感などメリハリをもたせて、奥行きのある風景のなかにシラカバを浮き立たせている。
ピント位置のシラカバまではおよそ50mで前ぼけに選んだ畑までは20mほど。
被写体の「折り重なり」のおもしろさを圧縮効果でねらった。

110mm/絞り優先AE(F4、1/160秒)/ISO100/オート

№11 自然・風景

メインとなる木のそばに道の”流れ”を量感をおさえて配置する

構図テクニック
三分割、S字焦点距離

焦点距離
200mm

SnapCrab_NoName_2016-3-18_1-12-22_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_1-12-33_No-00

構図のポイント

三分割構図で構成。
メインとなる立木は、道との位置関係を考慮して配置

主役の立木よりも目立たないようにカメラの高さで道が写る範囲を変え、量感を調整

道の流れの目標だが、主役の木をじやましないよう、さりげなく入れた

この写真のバランスウェイト。
もしここに木がなければ、主役の立木を真ん中近くに移動させなくてはならない

主役と脇役のバランスを考えて立体感や奥行き感を出す

雪深い林道での撮影。
立木と土手の間をきれいなカーブを描いていく2本の線を「小道具」として使った。
この写真では立木と道の流れのバランスがポイント。
写真下のカーブを描く道は準主役級の役割をもつので、そこそこのボリュームを見せたい。
だが、主役の立木を脅かすほどの量感は控えたほうがよい。
カメラの高さで道が写る範囲を変え、量感を調整する。
奥の木は、道の流れの目標となる。
この写真の「消失点(画面のパースを構成する線が収束する点)」と考えてもよい。
もちろん、強すぎては視線を集めてしまい、主役の立木の存在が弱くなってしまう。
ここではさりげなく入れた。

200mm/絞り優先AE(F7.1、1/60秒、一0.3EV)/ISO100/太陽光

Chapter 2 広がりを感じさせる構図

広がりを感じさせる構図とは?

広がりを感じさせるスケール感のある写真を撮りたい。
限られたフレームのなかで効果的な構図、そして使えるレンズ効果やカメラ機能はなにか。
ここではスケール感を最大化させるコツを学んでいこう。

空間や色の変化を利用して広がりを効果的に感じさせる

構図テクニッ
ニ分割

焦点距離
24mm

SnapCrab_NoName_2016-3-18_9-41-40_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_9-42-37_No-00

高台から夜明けの風景を広角側で撮影した。
広角特有の画角の広さにより朝焼けの始まる明部から四方の暗部に広がる美しいグラデーションを効果的にとらえることができた。
空と山々の境界で画面を二分割した構図でおさめ、日の光の当たる右側から、まだ暗い左側へとゆるやかに減光する明暗差が、より広がりを感じさせる決め手となっている

キヤノンEOS-1DsMarkⅢ/キヤノンEF24-70mmF2.8L USM
24mm/絞り優先AE(F10、1秒、-0.3EV)/ISO100/太陽光

広角レンズを思いきって使い、水平画角付近の配置に注意する

広がりという感覚は見た目以上のワイド感が展開された構図をとることで感じられる。
人の目に近い画角は焦点距離24mm付近だが前後の距離感は50mmに近い。
そのため、この水平画角と前後が重なり合う奥行き感が広がりを意識するキーポイントとなる。
レンズワークだけを考えれば焦点距離24mm以下のレンズを使用すればよく、それをよく表しているのが上の写真だ。
また、画面中央にぼつんとメインをとらえて、周囲は遠くの背景といった空間を活かした構図でも人の目は広がりを感じる。
構図法としては「三分割」や「二分割」、「視線の誘導」などを活用することで広がり感を演出できる。

要素のポイント

●画面外に向かって広がるような形を「三分割」や「二分割」、「視線の誘導」で表現する
●被写体と背景の遠近感を「絞り値」を変更して、表現する
●見た目以上に感じる絵にするには「広角レンズ」を使うと効果的
●空などを大きく取り込み、同じ画面内の大地や海などと「対比」させて広大さを演出する
●豊かな明暗のグラデーションを「露出補正」で強調する

写真に広がりを感じさせる構図の例

視線の誘導が生み出す広がり対比が生み出す広がり

SnapCrab_NoName_2016-3-18_9-43-12_No-00

画面上部の白い波頭から波打ち際にかけて波が寄せてくる末広がりのイメージを画面に構成することで海の広がりを強調している。
また背景には水平線を入れることで距離感も演出している

対比が生み出す広がり

SnapCrab_NoName_2016-3-18_9-43-32_No-00
タ焼け雲をねらった構図だが、空だけをとらえると対比するものもなくスケール感が曖昧になりやすい。
そこで前景に地上部、中景に海原と比較できる対象を盛り込みスケールを感じさせている

№12 自然・風景

強い光でアクセントをつけ、被写体の広がりを表現する

構図テクニック
三分割、日の丸、露出

焦点距離
300mm

SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-54-40_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-54-51_No-00

構図のポイント

① 構図の核となる部分。
日の丸構図を横に広げたイメージで、画面中央部がこの作品のポイントとなっている

② 構図の3つのポイントのなかで、この部分の大小で動きと広がりを演出している

③ 露出補正をマイナスにして、余計なディテールを排除し、光の当たっている部分を強調する

被写体の配置と明暗差を考えることが重要だ

栃木県日光市に近い、私の好きな場所のひとつ。
11月の午後、山の間から西日が差し込んだ一瞬の出合いだ。
画面の中心がこの作品の核となる部分。
光のある部分のなかでも、この部分が中心になっている。
左右にある木々により、被写体の動きと広がりを演出している。
いわゆる「日の丸構図」が左右に展開した形である。
光の当たっている部分以外は、余計なディテールを排除することを心掛ける。
写真上部に大きくスペースをとったのは、光の当たっている部分を強調するためと、画面の安定のためだ。
自然の光をうまく利用してコントラストをつけることで主題が引き立ち、広がりのある写真になる。

キヤノンEOS5D/キヤノンEF75-300mmF4-5.6ISUSM
300mm/絞り優先AE(F8、1/160秒、一0.7EV)/ISO200/太陽光

№13 自然・風景

シンプルな前景を大きくとり、被写体を小さく効果的に配置する

構図テクニック
視線の誘導、引き算、被写体の規則性

焦点距離
約260mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-55-18_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-55-28_No-00

構図のポイント

① 画面の8割ほど海面を配置。
波のラインに沿って視線が誘導され、左右方向に広がりを見せている。
また波が被写体の規則性を生み、動感が出ている

② 点景として、画面の奥にマングローブの若木を選んだ

③ 全体の要素を簡素化(引き算)しながらも、細長い入り江の草むらを左右に配置。
これかなければ横への広がりを感じない

大きく見せたい被写体をあえて点景にすることで広がりを出す

美しい海の色と1本のマングローブ。
奥には草むらが広がり海風を感じさせる風景である。
ここではイメージ色の強い絵柄を得るために海の広がりをメインとした。
画面の8割ほどに揺らぐ海面を配置。
波のラインに沿って左右方向に絵の広がりを見せている。
点景として、画面の奥にマングローブを配置。
もう少しクローズアップしたいところだが、これ以上大きくすれば点景でなくポイントになってしまうので、このサイズに留めておいた。
細長い入り江の草むらを左右に配置して画面を引き締める。
これがなければイメージ性がさらに強くなり、横への広がりではなく、画面奥への奥行き感が増してしまう。

キヤノンEOS-1DMark川/キヤノンEF70-200mmF2.8LISUSM
200mm/絞り優先AE(F18、1/30秒、+0.7EV)/ISO100/オート

№14 ポートレート

映画のシーンをイメージした背景で自然な広がりを演出する

構図テクニック
三角、視線の誘導

焦点距離
47mm

SnapCrab_NoName_2016-3-18_18-20-49_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_18-21-4_No-00

構図のポイント

① 見ために自然な広がりを感じるように横位置で撮影。
人物=縦位置の概念を捨てよう

② モデルの視線の先を大きく開けて空間の広さを強調。
画面全体は画面右側に向けてパースをつけ、モデルとショーウィンドウで作る大きな三角で安定感をもたせつつ、さらに見るものの視線がこの三角の一辺であるモデルに向かうようにした

ポートレートの横位置写真にチャレンジしてみよう

ポートレートでは縦位置で撮影する人を多くみる。
これはポートレートでの横位置撮影を”にがて”と考える人が多いのが原因。
一方、縦位置は悪いわけではないが、ワンパターンな構図になりやすい。
それを打破するには、映画を見てヒントを得よう。
人物の切り取り方がとても参考になる。
今回注目したのは、お店の大きなショーウィンドウ。
モデルの全身とショーウィンドウで作る大きな三角で画面に広がり感と安定感をあたえた。
さらにモデルの足元の路肩やショーウィンドウのラインを取り込み、画面右側へ向かう流れを作った。
少しクラシカルな感じが演出できたらいいな、と思い構図を決めている。

MACRO/47mm/マニュアル露出(F2.8、1/125秒)/ISO200/オート

№15 スナップ

広角レンズを高い位置に構え、人物を小さく多く入れ込む

構図テクニック
三分割、三角

焦点距離
約27mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-18_18-21-25_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_18-21-33_No-00

構図のポイント

① 広角レンズでやや引いた位置から撮影することで、広がりと奥行き感を同時に感じさせる

② 背景のおもな色彩を空と水たまりになるよう整理する

③ 高い位置から撮影したことで、遠景が整理される

高い位置から撮ることでその場の状況を伝え、広がりを強調する

広角レンズでやや引いた位置から撮影しているため、人物が小さい。
だが、これにより広がりと奥行き感を同時に感じさせる構図になっている。
また、潮干狩りの浜という場所から、空間的な広がりを感じさせる。
空の面積は少ないが、水たまりが空と同じ役割を果たすことで広々とした印象を与えている。
また、三角構図を取り入れることで、立体感が出る。
さらに高い位置から撮影したことで、遠景が整理されている。
遠くのものが小さく見えて、空の広がりが強調された。
潮干狩りという古典的ながら素朴な遊びは、写真を撮ることすら忘れて楽しいものだが、ふと周囲を見回してみるのもおもしろい。

18mm/絞り優先AE(F6.3、1/400秒)/ISO100/オート

№16 自然・風景

稜線に並んだ立木を小さく配置し、明暗と色彩の対比をねらう

構図テクニック
三分割、対角線、被写体の規則性

焦点距離
約138mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-18_20-36-30_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_20-36-55_No-00

構図のポイント

① 全体を斜めの三分割構図で構成している。
カラフルな立木が横にずらりと並んでいるので、それを被写体の規則性で見せ、写真に写っているエリアの広さを強調した

② この部分は明瞭な画が得られ、色の濃さもリアル感が強い。
ここを中心として対角線構図で要素を構成する

③ 中央部の紅葉との対比する色を入れることで遠近感が得られる

木々の規則性で広さを表現し、色の濃淡で奥行きを出す

米沢と裏磐梯を結ぶラインの途中、ここは紅葉のシーズンになると雄大な紅葉に出合える。
今回は立木をカラフルに並べて広さを強調した。
木は大きさをイメージしやすい被写体のひとつだ。
立木が横にずらりと並んでいるので、写真のエリアの広さが想像できる。
見る人に広さを理解してもらうには確実な方法だ。
写真の手前の部分は明瞭で、色の濃さもリアル感が強い。
この写真では、ここが中心的な被写体となる。
中央のエリアが少々明るいため、視覚的には少しずつ遠くなっているように感じる。
横の広がりは立木の大きさが、奥行きは画面全体の色合い、濃度などが受けもっている。

250mm/マ二ュアル露出(F11、1/30秒)/ISO100/マ二ュアル

№17 自然・風景

同じ大きさの花を等間隔に添えて、小さな花の臨場感を演出する

構図テクニック
日の丸、足し算、絞り値

焦点距離
約150mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-18_20-37-15_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_20-37-33_No-00

構図のポイント

① 小さいまま日の丸構図で写し、余白の部分に脇役を配置する

② 脇役の花をバランスよく配置。
主役よりも弱い色のものを選ぶことが、要素の足し算をするときのポイントだ

③ 主役と脇役の間を等間隔にすることで、広がりをもたせている

④ この両端の部分がもっとも注意をはらう。
ここに余計なものが入ると構図がくずれてしまう

小さい花をあえて小さく写すことで可憐さを表現する

マクロレンズで寄っても大きく写すことがむずかしいゲンノショウコの花。
かわいらしさと空気感を伝えるために、見た目に近い状態の構図を考えた。
この花は直径が3cmほどしかない。
あえて小さいまま写し、余白の部分に脇役を配置する。
脇役になる花を、画面の左右にバランスよく配置するようにアングルを決定。
主役よりも弱い色のものを選び、ぼかすことでその力を弱めている。
主役と脇役の間を等間隔にすることで広がりをもたせる。
この構図でもっとも注意をはらうべきは、画面の両端部分。
ここに余計なものが入ると構図がくずれてしまう。
ファインダーの四隅を見て十分に注意すること。

100mm/絞り優先AE(F4.5、1/80秒、-0.3EV)/ISO200/太陽光

№18 乗り物

車両を小さく、川を大きく取り込み広角レンズで大胆に切り取る

構図テクニック
三分割、対角線

焦点距離
30mm

SnapCrab_NoName_2016-3-18_23-48-0_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_23-48-45_No-00

構図のポイント

① 三分割構図の交点に車両を置き、風景に列車が埋もれることなく、存在感を示すようにとらえる。
同時に列車から川の白濁部分までを対角線構図でとらえ、動感を出している

② 川を横位置の画面いっばいに広げることで広がり感が出る

③ 広角レンズでバックに広がる大パノラマを取り込むと横の広がりがさらに感じられる

広大な大自然のなかを走る列車を自然とともに情緒的に撮る

雪解け水をたくわえた松川の背景には、北アルプスの大パノラマが広がっていた。
矢系線自薦から信羅森正で撮影。
基本は三分割構図で配置。
風景を絡めた鉄道写真はあくまで車両がメインだが、車両が大きすぎると景色を殺してしまいかねない。
肝心なのは風景に列車が埋もれることなく、車両が小さくても存在感を示すようにとらえることだ。
奥から流れてくる川の流れを横位置の画面いっばいに広げることで、遠近感も生まれ画面全体が広がりをもつようになる。
水面すれすれまでカメラを低く構えることで水の流れが強調される。
さらに、山の頂きがいくつも写っているので横の広がりを感じる。

30mm/マニュアル露出(F9.0、1/500秒)/ISO200/太陽光

№19 乗り物

画面を横切るように橋を配置し主役の前方を効果的にあける

構図テクニック
三分割、視線の誘導

焦点距離
約31mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-18_23-49-1_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-18_23-49-13_No-00

構図のポイント

① 三分割構図で海と空をバランスよく構成した。
海に伸びる進入灯をやや斜めに配置し、青い海の広がりを出す。
水平線はきちんと水平になるよう注意しよう

② 白い雲を活かすために、ヒコーキを中心よりやや左にフレーミングした。
これにより、全体のバランスがとれて、より広がりを感じられる写真になった

ヒコーキを中心に「空」「海」「雲」のバランスで広がりを演出

日本で唯一の訓練飛行場がある沖縄・下地島空港。
梅雨が明け南風が吹くと、こんなシチュエーションが目の前に広がる。
海に伸びる進入灯を、手前から奥に向かってやや斜めに画面に入れることで、青い海の広がりを出した。
このような構図にする場合、こちらに向かってくるヒコーキに気を取られやすいので、きちんと水平をとる注意が必要である。
ヌケるような青空と、美しいエメラルドグリーンの海を表現したかったのでPLフィルターを使用した。
ヒコーキを画面中心よりやや左に配置して橋とのバランスをとる。
また、右側を空けることで白い雲が活き、全体の広がりを感じられる構図になった。

24mm/シャッター優先AE(F5、1/400秒)/ISO200/オート

№20 乗り物

大空の下、少し斜めのレールを配しのびのびとした列車風景を撮る

構図テクニック
三分割

焦点距離
19mm

SnapCrab_NoName_2016-3-19_0-19-4_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-19_0-19-24_No-00

構図のポイント

① 画面に空を大きく入れる場合、雲などの要素があるといい

② 基本は三分割構図で、主役の鉄道車両と線路を画面の下1/4から1/3ぐらいに置くと安定感が出る

③ 鉄道を斜めに配して左右どちらかの奥が見えるようにフレーミングすると広がりと動きが出る

列車の長さを強調するように配置し、空を大きく入れて広がりを出す

山陽新幹線西明石から姫路で撮影した1枚。
秋の青空の下、実やかな風を残してレールスターが加古爪を渡っていった。
鉄道車両が主役なので、線路を画面の下1/4から1/3ぐらいに置くといいだろう。
列車が窮屈すぎず、青空の下をのびのびと走っているように見せるのがコツだ。
また、鉄道写真の場合は線路を真横(水平)に置くよりも、斜めに配して左右どちらかの奥が見えるようにフレーミングしたほうが広がりが出る。
こうすることで画面の向こうからこちらに走ってきているんだなと、絵に動きも生まれてくる。
今回の作品のように空を大きく入れるなら、雲などの要素があるといいだろう。

19mm/マニュアル露出(F3.5、1/2,500秒)/ISO200/太陽光

№21 自然・風景

スケール感のあるタ焼けは主役と雲、地平線のバランスを考える

構図テクニック
逆三角、シンメトリー、視線の誘導

焦点距離
約21mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-19_0-19-39_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-19_0-20-5_No-00

構図のポイント

① 小さな太陽をアクセントにすることで視線を誘導させる。
また太陽を中心にシンメトリーにとらえ、タ焼けが美しい色の広がりを左右に伸びるように演出した

② 太陽に向かってくるような雲を逆三角構図で印象強く見せる

③ 大地である砂丘は雲の存在を支える土台となっている

沈む太陽を中心に集まる雲、広がるタ焼けをバランスよくまとめる

太陽から広がるタ焼けを飲み込もうとする雲の存在はスケールのある風景だ。
日没間近な太陽を小さなアクセントにしているが、この存在がなければ絵柄としての締まりがなくなってしまう。
また、太陽周辺のタ焼けも、美しい色の広がりを左右に伸びるように演出している。
この空間を活かすために雲の割合を考えた。
あたかも太陽に向かってくるような雲の到来は、広がりを印象強く見せるには最適な素材であった。
写真下の砂丘は雲の存在を支える土台となっている。
逆光のためシルエットになりやすいが、ここでは雲からの反射光に照らされ、底辺の広がりを演出している。

16mm/絞り優先AE(F13、1/40秒、+1EV)/ISO100/オート

№22 自然・風景

写真いっぱいに枝葉を入れるなら黒い幹の存在感に注意する

構図テクニック
シンメトリー、引き算、被写体の規則性、日の丸

焦点距離
約240mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 全体の重量を左右するのがここの黒さだ。
真んなかに配置したいところだが、柿の木の右下の流れを活かすために少し左に配した

② 幹の動きとこのエリアの枝の動きを構成の基本にしている

③ 右側の枝を引き立てる重要なエリア。
もちろん、右側に比べて面積は狭いが、このバランスが重量感を決定している

④ 重たくなりすぎず画面に浮遊感を与えているのがこの部分だ

幹の流れを読み、広がりのある世界感と木の生命力を描く

霧で霞むなか、実を残した柿の木が線画のようなフォルムで伸びやかに立っていた。
これをいかに表現できるかがポイントだ。
写真の中心部は、この絵の中核をなす部分。
画面全体が白く霞んでいるので、全体の重量を左右するのはこの部分の黒さだ。
できれば真ん中に置きたいが、柿の木の右下の流れを活かしたいので、ほんの少し左に配した。
右下に流れるこの枝のグループは、幹の存在感に次ぐ重要なパーツ。
被写体の動感を殺さないために、幹の動きとこのエリアの枝の動きを構成の基本とした。
全体に重い印象を受けがちな被写体だが、写真上部の上向きに伸びる枝によって、軽さや明るさが演出される。

120mm/絞り優先AE(F7.1、1/320秒、+1.3EV)/ISO100/太陽光

Chapter 3 追力を感じさせる構図

ダイナミックな迫力をあたえる構図とは?

見るものを圧倒するような、スゴみのあるダイナミックな写真が撮りたい。
そんなインパクトの強い写真を撮影するにはどうしたらいいのか?ここではそんな写真を撮るためのポイントを探っていく。

力強く根を張る樹木の根元をアップでとらえて迫力を出す

構図テクニック
対角線(クロス)、視線の誘導

焦点距離
24mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-19_22-35-47_No-00

ブナの巨木の根元部分を交差する対角線構図でダイナミックにとらえた。
美しい木肌にビントを合わせ、絞りを絞り込むことで背後の幹までもシャープな描写を得ている。
前後する対照的な木肌をクローズアップさせた構図により迫力をも演出している。
また、このメイン部分が左上に伸びる傾きも非凡な印象を与える構図要素である

24mm/絞り優先AE(F9、2.5秒、-1EV)/ISO100/オート

フレーミングとレンズワーク、典型的な構図で勝負する

上の写真は絵柄から迫力を感じさせ、見るものを圧倒する力強い構図を意識した。
迫力を感じさせるには被写体の選択や見せ方の表現が必要だということが理解してもらえたと思う。
しかし、迫力の度合いは撮影者の感覚によって異なり、あまり意識しすぎると中途半端な表現や画面が窮屈な表現になることも多いので注意が必要だ。
また被写体との距離感や動感描写、さらにはレンズワークも関連するなど奥深い構図である。
迫力は自分だけでは判断のつかないこともあるので第三者に見せて迫力ある絵柄に見えるかどうかたずねるのも参考になるだろう。
構図法としては、被写体の一部分を強調する「対角線構図」や「引き算」、安定感を強調する「三角構図」などを組み合わせて活用することで、被写体のインパクトを高めることが可能だ。

要素のポイント

●もっとも迫力を感じる被写体の一部分を「対角線構図」や「引き算」で切り取り、迫力を高める*羅動感のある動感描写を「低速シャッター」でぶれを作ることで表現する
●どっしりとした被写体の安定感を「三角構図」や「シンメトリー構図」でとらえる
●被写体のもつスゴみを、「露出」を調整し、明度を変化させて表現する
●第三者に見せて写真から迫力を感じるかどうか確かめてみる

写真にダイナミックな迫力をあたえるテクニック

被写体に迫ることで生まれる迫力

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画面いつばいにライオンの顔をとらえたむたのない構図と、中央から鋭く向けられた眼差し。
この眼光が迫力ある構図を演出するキーポイントである。
もしも目を閉じていたら迫力は失われたはずだ

低速シャッターで生まれる迫カ

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大きな滝を下から見上げている。
三角構図で滝の上部から末広がりに落水をとらえることで安定感を与えている。
さらにスローシャッターによる動感を加えて、滝の迫力を伝えている

№23 ポートレート

目線をはずし、大胆にトリミングして写真の動きと迫力を演出する

構図テクニック
三分割、視線の誘導、絞り値

焦点距離
約97mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-37-41_No-00

構図のポイント

① モデルの表情にぐっと近づいてみる。
今回は頭部を大胆にトリミングした

② ワンポイントに緑の葉っはを使用。
自然にある素材を入れることで、単調になりかちな作品に視線の流れが加わる。
こうした小物を探すのも大切

③ あえて目線を外す。
奥行きを感じさせるひとつの効果となる

モデルの表情に近づき、心の表情まで写し撮る

モデルの表情にぐっと近づいてみる。
すると記念撮影的な人物写真がグラビア風の魅力的な写真になる。
今回はモデルの頭部を大胆にトリミングし、三分割構図でバランスよく収めた。
彼女の吐息までをも撮るつもりでぐっと近寄って、写真に迫力を出している。
さらに葉っばを視点に変化をつけるワンポイントとして使うことで、画面を引き締めている。
この写真では目線を外しているが、これがモデルとカメラの間に距離ができ、奥行きを感じさせるひとつの効果となっている。
画面を構成する取捨選択を中途半端にせず、なにが撮りたいのかを考えて構図を決める。
アップの構図ではそこが問われるのだ。

MACRO/75mm/マニュアル露出(F3.5、1/125秒)/ISO200/オート

№24 自然・風景

川の白濁と澄んだ流れの対比をシャッター速度の効果で切り取る

構図テクニック
対角線、引き算、足し算、シャッター速度

焦点距離
70mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-18_10-38-17_No-00

構図のポイント

③ 澄んだ流れと白濁の配分を考えつつ、対角線構図で左から右下へのラインを活かすようにクローズアップする。
また、露出をマイナス補正して、不要なものを陰に隠す(引き算)

② シャッター速度を遅くして、白濁部分を見た目の倍近くに増している(足し算)

③ 白濁のなかに見える岩をアクセントにする

シャッター速度により、見た目とは異なる表現が可能になる

流れの勢いのある部分をねらったもの。
澄んだ流れと白濁の配分を考えつつ、左から右下へのラインを活かしてクローズアップした。
ここで周辺を入れると落ち着いた画面構成になるが、流れの強さが控えめとなり迫力の点ではマイナスとなる。
澄んだ流れの割合を控えめにすることで、白濁の軌跡を活かしている。
また、ここではシャッター速度を遅くすることで、白濁が見た目の倍近くに増えている。
それを見越した画面割合が必要だ。
白濁をかぶって見え隠れしている岩の存在はよいアクセント。
白濁のなかでも色や形の印象は残っているため、この岩を使うことで左奥からの流れに変化がつく。

70mm/絞り優先AE(F14、1/4秒、-0.7EV)/ISO400/オート

№25 乗り物

暗く落とした背景のなかローアングルで車両をとらえる

構図テクニック
シンメトリー構図、日の丸構図

焦点距離
約1,090mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 迫力を出すにはアップで撮ること。
しかし、撮影する被写体にも印象が大きく左右されるので注意する。
ここでは日の丸構図を少し右でとらえ、安定感と迫力を出した

② さらに迫力を出すために、ローアングルで撮影する

③ あえて日の沈んだ暗い時間帯を選んで撮影する。
暗闇から列車が突如現れたような迫力が期待できる

日没後にローアングルで大きくねらうと迫力が倍増する

列車の迫力を出すにはアップで撮ることが比較的簡単な方法だろう。
しかし、ただアップにすればいいというわけではない。
今回「500系新幹線」を選んだ理由は、真四角の通勤車両よりも流線形で立体感のある新幹線などのほうが、迫力もカッコよさも全然違うからだ。
さらに迫力を出す方法として、ローアングルで撮影すること。
ふだん新幹線はホームなど、車両より高い位置から写すことが多いが、下からねらうことで画面の上に飛び出ていくような絵になり、迫力はいっそう増す。
また、日没ぐらいの時間に撮影すると余計なものが目立たなくなり、暗闇から突如列車が現れたような迫力ある写真になる。

840mm/マニュアル露出(F5.6、1/320秒)/ISO200/太陽光

№26 自然・風景

上から撮る滝の迫力は落下する水と黒い岩の対比で考える

構図テクニック
対角線、露出、シャッター速度

焦点距離
70mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-19_23-27-55_No-00

構図のポイント

① 落ち口の水は澄んだエメラルドグリーンで、その色が落下する水の形相と対比している

② 水の落下から白濁へと変化する様子を末広がりにとらえて水量の豊富な勢いとして見せている。
下へと落ちていく迫力の見せ場がここだ

③ 滝とは逆の対角に黒い岩肌を配置して、水の色彩を引き立てている

勢いよく落ちる水の迫力は、岩場の配置バランスとトーンが重要

シンプルな滝をいかに迫力ある写真に仕上げるかがポイント。
落ち口の水は澄んだエメラルドグリーンで、その色を落下する水の形相と対比させる。
この澄んだ色があるから、いつそう迫力を感じさせるのだ。
美しい水の落下から、突如白濁へと変化する様子を末広がりにとらえ、水量の豊富な勢いとして見せる。
同時に水がリボンのようにクロスしており、安定感も演出している。
滝の周辺は黒い岩肌。
滝とは逆の対角に配置し、水の色彩を引き立てる背景の役割を果たしている。
だが、この分量が重要で、画面のなかで少なければ流れだけが誇張され、多ければ滝の迫力が減少するのでバランスに注意したい。

70mm/絞り優先AE(F11、1/1,000秒、+0.7EV)/ISO100/オート

№27 乗り物

大型機のテイクオフは背景街並みとその揺らぎまで切り取る

構図テクニック
三分割、日の丸

焦点距離
約728mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 三分割構図で背景と地上をバランスよく構成。
日の丸構図でヒコーキを中心に置き、そのうしろに街を配置した。
存在感を出せる位置にヒコーキが来たときにシャッターを切る

② 4つのエンジンからの排気で後ろの街並みが揺らぐ。
この効果で迫力が伝わる写真となる

③ 画面いっばいにB747型機の迫力を切り取った

ヒコーキファンなら憧れるテイクオフの瞬間を迫力ある構図でとらえる

風が強かったので視程が上がり、終日クリアな状況の福岡空港。
B747型機のテイクオフシーンを正面からとらえた。
離陸滑走地点から僕の撮影ポジションまでは3,000mほどある。
どこで離陸するかわからないので望遠ズームレンズを使い、画面いつはいにその迫力を切り取ることを考えた。
三分割構図で背景と地上とのバランスを考える。
ヒコーキの後ろに街か見え、かつ写真の中央で存在感を出せる位置にヒコーキが来たときにシャッターを切る。
4つのエンジンからはブラストと呼ばれる排気が、ものすごい勢いで噴出される。
後ろの街並みが揺らぐことで、ブラストの迫力が伝わってくる写真となる。

560mm/絞り優先AE(F11、1/800秒)/ISO200/オート

№28 自然・風景

朝の風景は横方向に走る光のコントラストを活かす

構図テクニック
日の丸、露出

焦点距離
約74mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_0-10-18_No-00

構図のポイント

① 日の丸構図であるが、ほぼ横方向に走る朝の光をポイントにすることで写真が単調にならず、横への広がり感を出している。
この光をいかに強調するかがポイントだ

② ほとんどディテールが見えないこのエリアは、全体の重心を下げ、光を強調する「黒」の役割をもつ。
明るくなりすぎないよう露出には注意

③ 朝を表現するエリア。
ここが狭くなると夷快感が出ない

空と地面のバランスを重視して色のコントラストで迫力を出す

夜明けに山形県の上山市から米沢市に向かう途中、ふと振り返ったらすばらしい「迫力」に出合った。
ふだんは決してクルマを停めないバイパス上での撮影。
ほぼ横方向に走る朝の光が美しい。
この光をいかに強調するかが、この作品の生命線となる。
低い雲に光が当たり、差し込んだ光がなかったとしたら、おそらく撮影しなかっただろう。
ほとんどディテールが見えない地面は、光を強調するための「黒」としての役割をもっている。
地面を空よりもわずかに少なくすることで、朝の茨快感を演出した。
しかし、空が広すぎると空を写した写真になってしまうので、地面との微妙なバランスが重要なポイントになる。

37mm/絞り優先AE(F5.6、1/3,200秒、一0.3EV)/ISO800/太陽光

№29 自然・風景

群生のヒマワリは魚眼レンズで接写してー輪だけを強調する

構図テクニック
視線の誘導、日の丸

焦点距離
15mm

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構図のポイント

① 迫力を出すためにはなるべく大柄の花を選ぶといいだろう。
1輪だけ日の丸構図で画面の中央に配置。
視線が誘導されるとともに、存在感を強調する

② ヒントは確実に合わせたい。
基本的には中心部に合わせる

③ メインの花を全体の2/3以上の面積とし、遠くに小さい花をまとめて配置して対比させる

安定感ある日の丸構図を、魚眼レンズで迫力ある構図に仕上げる

ヒマワリのもつ力強さや元気のよさといったイメージを強調しつつ、より強いインパクトを出すために魚眼レンズを使用した。
迫力を出すためにはなるべく大柄の花を選ぶ。
さらに、1輪だけ大きく画面の中央に配置させ、日の丸構図で安定感と存在感を出す。
この場合のピントは、確実にシャープに合わせる。
花の形にもよるが、基本的には中心部に合わせるのがよい。
画面のなかをどのように使いわけるかも大切。
メインの花を全体の2/3以上の面積として、遠くに小さい花をまとめて配置して、対比させている。
被写界深度が深いのでパンフォーカスぎみになるが、背景までの距離をとってぼかしている。

15mm/絞り優先AE(F5.6、1/1,600秒、一0.3EV)/ISO200/晴天

№30 自然・風景

朝焼けに染まる海は明暗の対比で色みを強調する

構図テクニック
三分割、視線0D誘導、S字、露出

焦点距離
約630mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_0-11-10_No-00

構図のポイント

① 逆光となるこの場面では完全なシルエットになるテトラボット。
それを考慮して三分割構図で配置

② 遠くが明るく手前が暗い。
こうした濃淡によって印象が大きく違ってくる。
コントラストを強調するために露出をー1EV補正した。
じつはここにS字構図が隠れている

③ 点景としてこの鳥(サギ)を入れる。
ここではサギの向きやしぐさも意識した。
テトラボットからサギへ視線を誘導している

キラめく海面と暗部とのコントラストで印象の強い作品にする

サロマ湖(北海道)に上る夜明けの太陽。
低空に雲があり水平線からの日の出ではなかったが、その雲が幸いして、減光した色温度の低い赤みを帯びた光が海原を照らした。
肉眼ではシャドウ部も確認できるテトラポットだが、逆光での撮影で完全なシルエットになる。
それを予測して手前に配置した。
このテトラポットが、海原の輝きを盛り上げる安定感のある構図の引き立て役となっている。
静かに揺らめく波の高低差によって、オレンジの色合いや帯の様子が刻々と変化する。
遠くが明るく手前が暗いその濃淡をしつかりと表現する。
小さなシルエットは2羽のサギである。
点景としてこの鳥を入れた。

420mm/絞り優先AE(F20、1/60秒、-1EV)/ISO100/太陽光

№31 自然・風景

真っ赤に染まるタ焼け空は大地と黒雲のバランスで考える

構図テクニック
三分割

焦点距離
約300mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① この山の頂きがポイント。④の部分の光と②および③の暗さのバランスを考慮したうえで、この山のポジションをおおよそ決めておく

② 山①との対比で、黒いシルエットの左右のバランスをとる

③ 主題を活かすも殺すも、この黒い部分のとらえ方で決まる

④ この写真のなかでアクセントとなる光の存在だ。
この光をもとに全体のバランスを確認して、画面構成が完成する

真っ赤に染まる雲の色と大地のコントラストが美しい

タ日はたくさんの段階を経て感動をもたらす。
空の広い範囲がタ闇の色を帯びはじめ、やがてタ景となり、タ日だけが主役となる。
そのタ日が退場すると、西の空の雲たちがすばらしい表情を見せる。
この写真では、下部の山の頂きが重要なのだ。
写真の明るい部分と空の暗い部分とのバランスを考慮して、山のポジションを決める。
隣の山は中央の山との対比で左右のバランスをとる。
このときに、写真中央の雲の黒さとのバランスも考慮に入れておく必要がある。
この黒い部分のとらえ方で写真のよしあしが決まる。
山のシルエットの重量感で画面を安定させつつ、黒い雲でタ闇の訪れを印象づけたい。

/150mm/絞り優先AE(F5、1/30秒)/ISO100/太陽光

№32 乗り物

SLの力強さは縦位置でねらい、白い煙と前ぼけを上手に使う

構図テクニック
対角線、S字

焦点距離
255mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_0-12-8_No-00

構図のポイント

① 白い花のぼけを手前に入れることで、黒いSLとのコントラストと遠近感をつけて、メリハリを出す

② あくまでメインはSL。
迫力を強調するために、SLが正面を向く位置で花がほどよいぼけ味になるよう、撮影ポジションを前後に移動して決める。
また、SLの煙から列車、手前の花までをS字構図にすることで躍動感も感じる写真になった

風景に溶けこみながら、SLがカッコよく見える位置で撮る

薄曇りの日は絵がフラットになりがちだ。
あえて白い花のぼけを手前に入れることで、黒いSLとのコントラストと遠近感をつけて、メリハリを出す。
また、手前に花のぼけを入れて線路を隠すことで、坂を駆け上がってきているイメージを出してみた。
花のぼけ加減が重要なので、カーブを走ってくるSLが正面を向く位置で、花がほどよいぼけ味になるよう、撮影ポジションを前後に移動して決めていく。
シャッター速度は1/125秒。
被写体ぶれをおこさないギリギリの数値だ。
なお、この撮影ではエクステンダーを使用している。
SLの吐く煙が写真上にたなびくのを計算して、バランスのいい構図にするためだ。

255mm/マ二ュアル露出(F9、1/125秒)/ISO200/太陽光

№33 自然・風景

日の丸構図にマイナス露出補正で仏像の聖なる力強さを表現する

構図テクニック
日の丸、露出

焦点距離
約74mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_14-8-51_No-00

構図のポイント

① 日の丸構図で仏像の頭部をとらえ、迫力と存在感を強調する。
露出補正で好みの明るさに調整する

② 露出オーバーは絶対に避けたかった。
ただし極端なアンダーも全体が暗くなるだけ。
もつとも適していたのが-0.7EVだった

木と仏像の重厚感を出すポイントは日の丸構図とマイナス露出補正

写真は、タイ、アユタヤの14世紀に建てられた寺院、ワット・プラ・マハータートにある、木の根に埋まった仏像の頭である。
日の丸構図で大胆にフレーミングした。
街のスナップや旅では、被写体に出合った瞬間が大切だ。
とくに写真の明るさは被写体のイメージを変えてしまうので注意したい。
そんなとき、カメラまかせの評価測光(デジタルESP測光)は頼りになる。
あとは必要に応じて露出補正を使用すればいい。
評価測光で規準となる露出を決めたのち、やや重く、荘厳なイメージを大切にするために、仏像の頭部の明るさを重視して露出補正。
仏像と木の根の重厚感を出すために、-0.7EV露出補正して撮影した。

37mm/プログラムAE(F3.3、1/50秒、-0.7EV)/ISO100/太陽光

№34 動物

クマの大きさや重さがわかるように明暗のバランスを重視する

構図テクニック
三分割、S字、露出

焦点距離
約650mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 評価測光で露出を決める。
小雨まじりの曇天では露出の変化は少なく、カメラは安定した値をはじき出してくれる

② クマの顔の明るさを重視して露出値をマニュアルで設定する。
三分割構図で画面を構成。
さらにクマの顔と手前の岩までをS字にしてクマの動感を出している

評価測光で露出の規準値を見ておけば、安定した撮影ができる

グリズリーの深く焦げたような茶色の毛は、曇天の下ではその重みをいっそう増す。
しかし、よく見ると全身が均ーな色をしているわけではなく、顔の周りや肩の部分は金色がかっているので、その明るい部分に照準を合わせた。
まずは評価測光で露出を決める。
テストカットを撮ってから背面液晶モニターでヒス
トグラムを確認し、OKであれば、その絞り値とシャツター速度を使い、マニュアル露出で撮影する。
露出値をマ二ュアルで設定する理由は、多少構図を変えても安定した露出で撮影できるからだ。
このカットでは毛の暗い部分がつぶれず、明るい部分が明るくなりすぎて白っちゃけないようなバランスを考えた。

500mm/マニュアル露出(F4.5、1/500秒)/ISO100/オート

№35 自然・風景

広角レンズで手前の岩を大きくし、滝へ視線を導くよう光に注目する

構図テクニック
三分割、視線の誘導

焦点距離
約32mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 三分割構図で前景の岩を画面の3/2ほど大きく入れる。
また、差し込むスポット光をアクセントにし、凹凸を明確化している

② ふだんは主役として見せる滝を脇役的に見せる。
ここでは絞り値で遠近差を出して、奥の滝から手前の岩に視線を誘導している

③ この水面の反射は見過ごしやすいポイントだが、この光の反射がないと水面が地味で、もの足りなさが漂ってしまう

写真の2/3に迫るほど岩肌を大胆に取り入れることで迫力を出す

木漏れ日が降り注ぐ静かな滝。
この周囲にはコケをまとう奇岩が多く、いやおうなく目立っていた。
広角レンズで前景の目立つ岩に近づき、その存在を大きくとらえる。
全体の2/3ほど岩肌を大胆に取り入れた。
差し込むスポット光はアクセントとして活用しつつ、光の当たりぐあいで凹凸を明確化する。
じつはこの

凹凸の存在が、イメージとして迫力を伝える隠し味になっている。
絞り値を大きくして配した奥にある滝はここでは脇役的に見せている。
ふだんは主役としてみせる滝も状況や環境の変化によっては、脇役のほうが効果的な場合もある。
美しい水の色をさり気なく見せながら、水面に反射する光をとらえる。

25mm/絞り優先AE(F18、0.4秒、-1.3EV)/ISO100/オート

№36 自然・風景

タ景のなかで咲く1輪の花を露出の工夫で力強く写す

構図テクニック
三分割、シンメトリー、引き算、日の丸、露出

焦点距離
926mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_14-10-36_No-00

構図のポイント

① 写真内の明るい雲の部分の分量を考慮。
TTL開放測光にて、ストロボ光が当たるバラとの露出バランスをとった

② 画面全体を三分割構図で構成。
バラの存在と迫力を出すために、日の丸&シンメトリーでバラを配置した

③ バラはストロボとの距離が約10cmと近いため、ツヤのある花びら部分の露出がオーバーにならないよう注意して、露出を-0.3EV補正している

ストロボと露出の調整で、花の生命力を演出する

自分の背丈より高く伸びた深紅のバラを見て、まさに植物の強さを感じた。
まずはタ暮れの撮影でこの生命力をいかに表現できるかを考えた。
そのイメージを表現するために、タ景の背景を暗く落としすぎない必要がある。
そこで、クリップオンストロボを使ってタ焼け雲とのシンクロをねらって撮影した。
ダイナミックに表現したいので、背景までもシャープに写し込んだ。
写真に写る雲の明るい部分の分量を調整して、ストロボ光が当たるバラとの露出バランスを分割測光(TTL開放16分割)で撮影。
ツヤのある花びら部分の露出オーバーを用心して、露出値を-0.3EV補正した。

17mm/絞り優先AE(F20、1/125秒、-0.3EV)/ISO400/オート

№37 乗り物

大きくとった空の重さや力強さは露出とISO感度の調整で引き出す

構図テクニック
日の丸、露出、ISO感度

焦点距離
約31mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_14-11-13_No-00

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構図のポイント

① 日の丸構図ではあるが、こうしたヒコーキなど動く被写体の場合、進行方向のスヘースをやや広く取ると動感のある写真になる。
今回は雲の形相も見せたかったので、ヒコーキはやや控えめな大きさで撮影した

② 絞り優先AEでF10まで絞り込む。
ヒコーキがぶれないように、ISO感度を200に上げて対応。
雲のメリハリを出すために、-0.3EWの露出補正をした

空-面に広がる雲の重々しさを露出補正で表現する

沖縄・那覇空港で撮影中、低気圧をともなう前線が通過した。
重々しい空が分単位で変化し、沖縄の空のイメージとはかけ離れた空が広がる。
しかしこれはこれで絵になると考えた。
着陸する飛行機を引きぎみにして、空の大きさと重さを表現する。
今回の撮影ではヒコーキが来る前に-度空だけテスト撮影をし、空の状況を確認してから露出を決めた。
主役である空はある程度ハッキリ見せたいので、絞り優先AEを使用。
そして、時速200km近い速度で進入してくるヒコーキがぶれないように、ISO感度を少し上げてシャッター速度1/640秒を稼いだ。
さらに、ー0.3EVの露出補正で雲のメリハリを出した。

24mm/絞り優先AE(F10、1/640秒、-0.3EV)/ISO200/オート

Chapter 4 やわらかな印象を感じさせる構図

やわらかな印象をあたえる構図とは?

さわればソフトな触感が伝わってきそう。
そんなやわらかな印象をあたえることができる写真を撮影するにはどうしたらいいのか?
構図とともに必要なカメラテクニックを挙げていこう。

ぼけなどを活かしてソフトな描写を心がける

構図テクニック
日の丸、視点の誘導

焦点距離
100mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_20-46-15_No-00

ぼけ味はいくつかの演出効果があるが、ぼけ量が大きいほど絵柄全体にやわらかい印象をかもしだしやすくなる。
同時に被写体はぼけ味にふさわしい明色傾向のものが好ましい。
ここでは黄色いバラを日の丸構図で卵形にとらえ、花応を中心に渦巻きながら円形に広がるイメージで撮影した

被写体の色みやトーン、露出コントロールがキモとなる

写真からやわらかな印象を受ける作品には、絞りを開放F値にして前後のぼけを活かした表現や、ソフトフィルターで全体にソフト描写をかけたものがあり、日の丸構図などで撮影した花やポートレートの作品に多く見られる。
パンフォーカス表現が多い風景では、霧景色や新雪のフォルムをねらった作品などにやわらかな構図の印象を感じることが多い。
またどんな被写体であっても絞りの選択や露出の明暗差によってやわらかい印象は違ってくる。
左の写真のように、絞りは開放ぎみで、被写体の色は明色なほどその効果は高まる。

要素のポイント

●被写体のやわらかなイメージを「絞り値」を調整して、前後のぼけを作ることで高める
●透き通るような明るさになるよう「露出」を補正して、やわらかさを演出する
●もつともやわらかさを感じる被写体部分を「日の丸構図」でクローズアップする

写真にやわらかさをあたえるテクニック

絞り値が生み出すやわらかさ

SnapCrab_NoName_2016-3-20_20-46-45_No-00

ほのかなピンク色に染まり、密集するサクラの枝先をとらえた。
背景には同様の枝先を後ぼけ効果として入れる。
絞り開放でソフトなぼけ味を演出し全体をソフトに見せている

被写体の形が生むやわらかさ

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シンプルな背景に浮かび上がる黄色の花。
色の強さが目立つが丸みを帯びた花びらの形からやわらかなイメージが伝わってくる。
被写体の形にも気配りをすることで構図の印象は変化する

№38 自然・風景

脇役の黄色を手前に大きく配し、プラス補正でやさしさを演出する

構図テクニック
三分割、日の丸、露出

焦点距離
約150mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-36-56_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-37-5_No-00

構図のポイント

① 水色のネモフィラを日の丸構図で中央に配置。
カリフォルニアポピーを手前に置いて大きくぼかす。
これにより、やわらかい印象を作り出せる

② F4.5、1/800秒で撮影。
やわらかなぼけを得たかったので、絞り値をF4.5とした。
また+0.7EV露出補正し、写真全体を可能な限り明るくする。
すると、黄色がより淡くやさしくなる

大きな前ぼけと、露出のプラス補正で写真全体のやわらかさを強調する

カリフォルニアポピーの黄色に包まれて咲く水色のネモフィラ。
主役は画面中央のネモフィラだが、やわらかさを感じさせる脇役の黄色を重視して、写真内での面積を三分割のおよそ1/3面積になるように、なるべく広くとった。
構図の考え方としては、主役の色よりも黄色をどのように露出補正をすればやわらかな印象が表現できるのか?そこに重点をおいている。
絞り優先AEで絞り値をF4.5、シャッター速度は1/800秒で写している。
絞り値をF4.5にしたのはソフトなぼけを得たいから。
また露出を+0.7EV補正して、可能な限り明るくする。
黄色がより淡くやさしくなって、やわらかな印象が強くなる。

100mm/絞り優先AE(F4.5、1/800秒、+0.7EV)/ISO100/太陽光

№39 自然・風景

月と海鳥が重なる瞬間を対角線構図とやわらかな描写で写す

構図テクニック
三分割、刻角線、露出、1S0感度

焦点距離
400mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-37-31_No-00

構図のポイント

① 月とのバランスを考えて海鳥を中央よりわずかに左に配置。
AFではピントが合わないので、MFでピントを合わせた

② 動く海鳥のぶれを抑えるため、ISO640の高感度に設定。
絞り値を開放(F2.8)にし、最高シャッター速度が得られるようにした

高ISO感度と絞り開放の組み合わせでシャッター速度を稼ぐ

断崖に群れる海鳥と満月が重なる一瞬、とっさにはじめた撮影だった。
月は高く光が強いため、明暗のくっきりした硬い絵づらをイメージしたが、偶然にも薄雲が光をさえぎり、やわらかさを出すことができた。
コントラストがもっとも強い海鳥の輪郭部分に、AFで中央の測距点を使い合わせたが、ピント
が定まらないためMFで撮影。
この撮影では400mm望遠レンズのため、フレーム内で月が刻々と移動する。
そのため短時間内でチャンスをものにする必要があった。
動く海鳥のぶれを抑えるためISO640の高感度に設定。
プログラムAEにして開放F2.8における最高シャッター速度が得られるようにした。

400mm/プログラムAE(F2.8、0.6秒)/ISO640/オート

№40 自然・風景

ぼけとオーバーぎみの露出で、やさしく、やわらかな色彩を作る

構図テクニック
三角、引き算、露出

焦点距離
約150mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-37-54_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-38-8_No-00

構図のポイント

① 三角構図で被写体をまとめる。
絞り値をほぼ開放F値にして、ソフトな仕上がりを目指す。
同時に背景になる花とメインの花を分離でき、引き算の効果で3本の花が主題として成立する

② 露出を+0.7EV補正することで、やわらかさを表現できた

絞りを開けてソフトな仕上がりをねらいつつ、白飛びに注意しながら露出を決める

花のやさしいイメージを表現するために、絞り値はほぼ開放F値。
そして背景にはピンク色の花が入る位置を選んで撮影した。
明るい画面に仕上げようと露出は若干オーバーぎみである。
撮影場所は木陰で薄暗いが、被写体と背景の明暗差は小さい。
そのなかで中央の白い花びらを、明るくしながらも白が飛ばないないよう露出には細心の注意を払つている。
華やかで、ソフトな色彩はやさしく、やわらかなイメージに通じる。
絞りをほぼ開放にしたのは、ソフトな仕上がりを想定しただけでなく、手ぶれを用心してシャッター速度を速くするためだ。
加えて+0.7EV露出補正することで、イメージする明るさになった。

100mm/絞り優先AE(F3.2、1/320秒、+0.7EV)/ISO100/オート

№41 動物

子ザルの豊かな表情を日の丸構図でやさしい雰囲気に仕上げる

構図テクニック
日の丸、露出

焦点距離
約200mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-38-30_No-00

構図のポイント

① できるだけ子ザルの表情を見せたかったので、日の丸構図で写真内におさまるギリギリのフレーミングで撮影した

② 子ザルの顔が逆光で暗くなっている。
この状況で撮影すると顔が明るくなりすぎてしまう。
-0.3EWの露出補正をして明るさを抑える

毛や皮膚の質感をやわらかく表現するように露出を決める

乳首に吸いつき、ウトウトと目を閉じて安心しきった幸福な雰囲気を出したいと思った。
そのためには子ザルの表情が大切であり、顔の細かなシワまでわかるように、日の丸構図で写真ギリギリまで拡大した。
また、顔の皮膚や産毛、母ザルのおつばいのやわらかな質感を出すべく露出を決めている。
写真の右上だけは日が当たって明るいものの、そのほかの大部分は光が当たっておらず、太陽を背にした母ザルに抱かれた子ザルの顔は当然陰になる。
その状況のなかで露出補正なしで撮ると顔が明るくなりすぎてしまい、日陰らしさが損なわれてしまう。
そのため一0.3EVの露出補正とし、明るさを抑えている。

33mm/プログラムAE(F5.2、1/68秒、一0.3EV)/ISO100/オート

№42 自然・風景

望遠レンズの前ぼけ効果を使い、画面全体を花の黄色で埋める

構図テクニック
三分割、絞り値、露出

焦点距離
90mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-41-8_No-00

構図のポイント

① 花芯部だけをアップでとらえて、画面全体を黄色で埋めてやわらかな印象にしている。
すべて黄色の前景だけで構成し、ピントの合っていない前景の花々を大きくぼかすことで暖かでやさしい雰囲気をかもしだしている

② 茶色の花芯部まではレンズの先端から約40cm、前ぼけとなっている黄色の花びらまでは約10cmほど。
絞り値F4.5なので、合焦させた花芯部は克明に、レンズに近い花びらは大きくぼけている

すべて前景だけで構成することで、大きなぼけとやわらかさが出せる

大きめの黄色の花。
三分割構図でその花応部だけをアップでとらえ、画面全体を黄色で埋めてやわらかな印象を出した。
90mmのマクロレンズで花応上部の黄色の花びらに近づき、F4.5まで絞りを開けて写している。
レンズに近いこの花びらは、ほかよりぼけが大きく、黄色も明るくなり、よりやわらかな印象となった。
じつはこの写真に背景は写っていない。
密集して咲いていたので、手前の花と花の間から奥の花応部をのぞくようにして撮っている。
当然ピントの合っていない前景の花々は大きくぼけて暖かでやさしい雰囲気を醸し出している。
このように前をぼかすと全体が包まれた感じを描写できる。

MACRO 1:1/90mm/絞り優先AE(F4.5、1/500秒、-0.3EV)/ISO200/オート

№43 ポートレート

人物と背景の色みを統ーし、背景をぼかした三角構図をつくる

構図テクニック
三角、三分割、引き算、絞り値

焦点距離
約300mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-39-20_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-39-32_No-00

構図のポイント

① 紅葉は斜光線が当たり、明るく立体感が出ているところを背景に選ぶ。
低い位置からカメラを構えて路面や幹の部分をカット(引き算)する

② 紅葉のすぐ前に親子を配置せず、20m以上離れて、画面いつばいにふたりが入る位置に三角構図で配置する。
絞り値を開放F値を使用することと、背景との距離差をつけることで、ピントの合っている部分から、ゆるやかに大きくぼける

背景に茶色のトーンを作り、やさしい雰囲気に包まれた親子の情感を強調する

三分割構図の分割線におさめた背景の紅葉を絵画のようなやわらかい描写にぼかすことで、母子の愛情を強調した。
紅葉は斜光線が当たり、明るく立体感が出ているところを背景に選ぶのがポイント。
さらに低い位置から見上げるようにして、路面や幹の部分をカット。
明るい茶色の葉が画面の大半を占めるようにフレーミングすることで、明るいイメージにできる。
紅葉のすぐ前に親子を配置すると背景があまりぼけないので、紅葉から20m以上離れて、写真いつばいにふたりが入る位置を選んだ。
距離差をつけることで背景が大きくぼけて立体感が増し、背景は茶色のトーンになる。

200mm/絞り優先AE(F2.8、1/1,000秒、一0.5EV)/ISO200/オート

№44 自然・風景

小さなしベだけをシャープに写し、全体をぼけで包み込む

構図テクニック
三分割、絞り値、露出

焦点距離
約158mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-39-45_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-40-47_No-00

構図のポイント

① 三分割構図の左上の支点に前ぼけの白い花弁を入れて大きくぼかし、ヒント位置にシャープ感がありながら全体的にソフトフォーカス的な効果をねらう

② 広い範囲で前ぼけのトーンを活かしたいが、しべのシャーブ感が損なわれないよう、カメラ位置を微妙にコントロールしている

花弁のやわらかなイメージは右背景のピンクの花弁もポイント

春らしいイメージで花を撮影しようと考え、前ぼけにした花弁を三分割構図で配置し、やわらかなイメージを作り出している。
この写真でのポイントは絞り値と被写体との距離。
しベのシャープ感を得るために絞り値はF4を選択。
全体的にやわらかくも、ピント位置には芯のあるシャープ感を得るための選択だ。
前ぼけに白い花弁を入れて大きくぼかすことで全体的にソフトフォーカス的な効果を得ている。
また白だけでなく背景にピンク色の花弁を入れ込むことで、女性的なやさしさを加えている。
ピント位置のしベまでは10cmくらい。
それに対して前ぼけとした花弁は数cmとしている。

105mmF2.8G(IF)/105mm/絞り優先AE(F4、1/1,500秒、+0.3EV)/ISO100/オート

№45 スナップ

絞り値でぼけを調整し、花をより美しく見せる背景を探す

構図テクニック
三分割、S字、絞り値、露出

焦点距離
約75mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-41-1_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-41-8_No-00

構図のポイント

① 逆光時には必ず手前にレフ板を置く。
外の光が強い場合はレースのカーテンなどで光をやわらげる。
今回は曇りだったので、あえて庭を入れた。
ガーデンでのティーパーティのような雰囲気を出せる

② ショウボウスイセンを加え、花芯のオレンジ色の部分にピントを合わせて引き締める。
ぼけを引き立たせるためには、ピントを合わせる被写体の選択も大切

背景の花やお皿をぼかして手前の花の美しさを際立たせる

窓際にローテーブルを置き、ティーカップに三分割構図の交点が花にくるようセッティングして撮影した。
写真のようなぼけを表現したいときは、開放F値の明るい単焦点レンズを使い、まずF2程度でテスト撮影をしてぼけぐあいを確認してからF値の数値を前後させるとよい。
また、逆光になるので必ず手前にレフ板を置く。
ふだんはレースのカーテンを引くが、撮影時は薄曇りのやわらかい光だったので、カーテンを開けて庭の緑を背景にした。
ミモザから約50cmの距離でピントを合わせてもふんわりしすぎるので、ショウボウスイセンを加えて花応の部分にピントを合わせて引き締めている。

50mm/絞り優先AE(F2、1/1,250秒、+1EV)/ISO400/太陽光

№46 自然・風景

背景との距離をとり、望遠レンズで秋の色彩をー枚にまとめる

構図テクニック
三分割、露出

焦点距離
200mm

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-41-20_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-41-8_No-00

構図のポイント

① カメラ位置を低くして、背景の霧や稲穂などと花の色のバランスを考えて色彩豊かに写す

② 背景を大きくぼかすために、焦点距離は200mm、被写体からは約3mの離れて撮影。
焦点距離の長いレンズを使うことによって、さらに背景をぼかすことができる

望遠レンズで背景を大きくぼかし、目的の被写体を強調する

いちばんきれいに咲き誇っている1輪を強調し、なおかつ、全体の雰囲気も撮るために縦位置の三分割構図を使い、絞り値をF5.6にして撮影した。
撮影時、霧がかかったコスモスの花は枯れかかっていたが、できるだけぼかすことによってそれを隠しつつ、情緒も生まれた。
カメラ位置を低くして、背景の霧、稲穂と花の色をぼかしながら色彩豊かに写し出した。
葉の緑色も写し込むことによって、秋の彩りがいつそう映えた。
さらに背景を思い切りぼかしたいと思い、焦点距離を200mm、被写体から約3mの距離をとった。
手前の花1輪にピントを合わせて絞りを浅くし、背景をぼかしている。

200mm/絞り優先AE(F5.6、1/320秒)/ISO400/オート

№47 自然・風景

マイナス補正でトーンを整え、S字構図で花の可機さを表現する

構図テクニック
S字、被写体の規則性、リズム、露出、IS0感度

焦点距離
235mm

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構図のポイント

① 画面全体が平均的な明るさであり、そのトーンをどのように再現するかを考える。
ヒツジグサの配置がリズムミカルになるように考えて、撮影場所を決める

② 水面にS字カーブを描くようにバランスを考える。
全体のトーンを落ち着かせるために、標準露出よ-0.7EV補正。
また、被写体ぶれ対策としてISO感度を320に上げて撮影した

露出のマイナス補正で写真全体のトーンを落ち着かせたい

薄い霧があたりをただようなか、水面にゆるやかなカーブを描いて咲いているヒツジグサの花々をとらえた。
このヒツジグサの白い花びらのやわらかな階調を引き出すとともに、葉の緑の鮮やかさも再現したい。
そこで全体の明るさを控えめにすることで、水面のひっそりとした静けさも表現できた。
なお全体のトーンを落ち着かせるために、標準露出よりマイナス側に0.7EV相当の露出補正をした。
また、被写体ぶれを考慮してISO感度を320に上げて、シャツター速度を1/50秒にして対応。
花の可隣な白さを失わず階調を引き出せる調子と、背景のひっそりとしたトーンの三拍子を得られた。

235mm/マニュアル露出(F5、1/50秒)/ISO320/太陽光

№48 スナップ

子どもと母親の寝姿をぼかし入れ、ふたりだけのやさしい空間を作る

構図テクニック
三分割、日の丸、絞り値

焦点距離
90mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-20_22-42-42_No-00

構図のポイント

① 三分割構図と日の丸構図を組み合わせているが、スナップなので厳密に配置はしない。
そのほうが自然な雰囲気になる。
絞りを開放付近の絞り値でぼかしつつ、ふたりの姿が見えるように画面に入れることで、やさしい空間が表現できた

② 背後の壁ぎりぎりまで下がってテーブル全体が入るように撮っている。
撮影距離に制限のある室内では、背景の距離が稼げないのでF2などの絞り値でぼけをコントロールするといい

奥の被写体がぼけすぎない絞り値を選択する

なぜかテーブルの上で昼寝する息子を発見!こっそりとカメラを取り出し、背中にピントを合わせてシャッターを切った。
絞り値はF2。
ぼけが大きすぎると感じたら、F2.8、F3.5と絞っていく。
このときはF2でOKだった。
息子よりも先にソファを占領している妻がポイント。
ぼかしつつも姿が見えるように画面に入れることで、ふたりのやさしい空間が表現できる。
約2mほど離れて三分割構図でテーブル全体が入るように撮っている。
これ以上はダイ二ングテーブルに当たって下がれないだけなのだが…。
しかし、35mm判フルサイズカメラで絞り値がF2であればいい感じにぼけるのでOK。

50mm/絞り優先AE(F2、1/80秒、+0.7EV)/ISO400/オート

Chapter 5 動きを感じさせる構図

動きや躍動感を印象づける構図とは?

静止した写真から、いまにも被写体が動き出しそうな印象を受ける。
そんな動きや躍動感を表現するにはどうしたらいいのか?ここではそんな写真を撮影するうえでのコツを紹介していこう。

ウミガメの動きを対角線構図でとらえて動感をつける

構図テクニック
対角線、視線の誘導

焦点距離
64mm

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64mm/マニュアル露出(F8、0.4秒)/ISO 100/オート

ウミガメが泳ぐようすを右上から左下へと対角線構図で流し撮りした。
構図はカメの位置を右よりにして、画面の左を開けぎみにすることで水面の色模様にも視線を誘導し、海を泳ぐ雰囲気を伝える効果として構成している。
そして水面とカメの動きが微妙にぶれることで動感を演出している点にも注目してほしい

「対角線構図」と「視線の誘導」など、さまざまなカメラテクニックが効果的

動きを感じさせる構図とは動感描写を用いた構図に多く見られ、被写体のぶれを活用した表現である。
シャッター速度の違いや被写体の動きによってもぶれの状態が変化するが、ぶれ量が大きすぎれば曖昧な描写を招くことになるので注意も必要である。
また被写体の動きに合わせてカメラをふりながら撮影する流し撮りや、露光中にズーミングして意図的な動感を導く表現もある。
静止画とは対極にある表現で、構図に合わせた動感を意図するためには経験も必要となる。
構図法としては、「対角線構図」や「視線の誘導」などを活用することで被写体のもつ動感や、移動する向きなどを表現することができる。

要素のポイント

●動いている被写体は「対角線構図」や「視線の誘導」を使って取りこむと動感が強調される
●被写体の動感は「低速シャッター」であえてぶらすと効果が高い
●動きの一瞬を切り取るために「高速シャッター」を使用する
●時の流れは「長秒露光」を使い、クルマのライトや星の光跡をとらえる
●流し撮りや露光中のズーミングで意図的な動感を導くことも可能

写真に動きや躍動感をあたえるテクニック

低速シャッターで動きを演出する

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-10-17_No-00

空中でホバーリングするウミネコを画面いっばいにとらえ、流し撮りをした。
低速シャッターで羽先をぶらし、羽ばたきの躍動感を伝える構図に仕上げた

長秒露光で大胆に時間の変化を演出

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-10-40_No-00

北の星空を長時間露出で撮影すると日周運動は回転する光跡となる。
時間の経過とともに刻々と移動する星の動きで見せる動感表現だ。
木立をシルエットに自然風景的な構図にした

№49 動物

背景をシンプルにし、前ぼけ効果で被写体のしぐさを強調する

構図テクニック
視線の誘導、引き算、日の丸、露出

焦点距離
200mm

49-1

49-2

構図のポイント

① こちらに向かってくるネコがうまく中央に入った瞬間をねらった

② 絞りを開放ぎみにすることで、背景が大きくぼけて整理(引き算)される。
同時に中央のネコへと視線が誘導される。
露出をプラス補正にして子ネコのやわらかな印象を強めた

③ 前ぼけの形も動きのあるものを選択した。
ネコの顔のそばにあることでぶつかってきそうなイメージをもたせている

前ぼけを活かし、ネコが動き出した瞬間に画面のセンターにとらえる

我が家で飼っているネコ。
生後1カ月くらいまでのネコは逃げないので、庭に出してその顔が中央にくるよう日の丸構図で撮影した。
ネコはいつ、どちらに向かって動き出すかわからない。
動きを撮りたいと思ったら、ネコが画面のセンターに来てくれるのを待つしかない。
こちらに向かうネコが、うま
く中央に入った瞬間をねらった。
絞りは開放近くにして背景をぼかす。
また、こちらに向かってくる迫力を出すため、ほかのものは画面に入れないようにローアングルで撮影した。
前ぼけの形も動きのあるものを選択している。
ネコの顔のそばにあることで、いまにもぶつかりそうなイメージももたせている。

200mm/絞り優先AE(F4.5、1/400秒、+0.7EV)/ISO 160/太陽光

№50 自然・風景

水量豊かな滝は手前に岩場を配し、高速シャッター+連写でとらえる

構図テクニック
対角輸、視線の誘導、シャッター速度

焦点距離
約169mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-17-58_No-00

構図のポイント

① 落ちてくる水のまとまりを高速シャッターで写し止める。
これには視線を誘導させる効果もある。
さらに対角線構図で迫力を高める

② 画面下に岩場を配置して安定感を出す

③ スポットのような光が当たっていた岩の手前の花をアクセントにした

縦構図で迫力ある落水の表情を連写でとらえる

落差の大きな滝。
上から下へ流れる縦構図で肉眼ではキャッチできない迫力ある落水の表情をとらえた。
この落水のようすは肉眼で追うとわかりやすいが、はじめのうちは連写でキャッチすることをおすすめする。
落水のパターンに同じものはなく、数回シャッターを切ったなかからバランスのよいものを
選ぼう。
画面下には岩場を配置しているが、この岩場がないと安定感が出ない。
落水そのものは静止していても不安定な動きなので、岩の存在感がとても重要だ。
岩の手前に花が咲いていたのでこれをアクセントにする。
幸いスポットのような光が当たっていたため、背景の岩よりも際立たせることができた。

130mm/較り優先AE(F11、1,000秒)/ISO 125/オート

№51 自然・風景

スローシャッターで波をぶらし、安定感のある構図に動感を加える

構図テクニック
三分割、観線の誘導、シャッター速度

焦点距離
約104mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-18-53_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-19-2_No-00

構図のポイント

① シャッターチャンスはこの岩に波をかぶるタイミングを見極めること

② 全体を三分割構図で配置。
波をかぶらない岩を画面の手前と奥に配置し、波をかぶる岩を挟むことで動感をより際立てている。
同時に視線が画面中央に誘導される

③ 寄せる波の動きをスローシャッターでとらえ、動感表現としている

荒波のなかに点在する岩を規則性を意識して切り取る

縦に並ぶ暗色の岩と白濁する波。
この海水をかぶる岩の存在に着目し、画面中央に配置した。
画面上部と下部の静止する岩の存在は、静と動の対比を見せるうえでも重要な素材である。
そしてこれらの岩に向かって波が寄せている。
寄せては引く波の動きを、スローシャッターでぶらして動感をかもし出し
ている。
この場面でユニークなのは、それぞれの箇所で異なる動きを見せる波の表情の変化の違いである。
渦巻くもの、ライン状のもの、大きなぶれのもの。
こうしたいくつもの波の動きが、目を楽しませる大きな要素でもある。
波の動きしだいでよし悪しが決まるので、ここでは何度もシャッターを切っている。

80mm/較り優先AE(F16、1.6秒、-0.3EV)/ISO 125/オート

№52 スナップ

肉眼では見ることのできない光跡をS字に写し止める

構図テクニック
対角線、視線の誘導、S字、シャッター速度

焦点距離
32mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-19-22_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-19-35_No-00

構図のポイント

① 対角線構図で舟をバランスよく配置。
また、光跡がS字を描くことで動感が出ている。
露出は移動する船の光跡を重視した。
船は万国共通で右側通行なので、航路予想の参考にできる

② あまり露光時間が短いと光跡が短くなって夜景独特のおもしろさが感じられなくなる。
奥のビルに向かって視線が誘導されれば動きや奥行き感が出る

意図するラインを描けているか船の光跡に神経を集中する

夜の隅田川。
ここまで空が暗い時間になると、時間とともに露出が変化することはないので、撮影に専念できる。
この場合は移動する船の光跡に神経を集中して、こちらが意図する視線を遠景のビル群へ誘導するようなラインを描いてくれたかどうかを気にしながら撮影した。
撮影場所は橋の上。
遠景では
ピントにシビアになる必要はないのでAFで撮った。
光跡が構図の主体となる場合、それをどのように切り取るかは露光時間がカギになる。
あまり短い時間だと光跡が短く、夜景独特のおもしろさが感じられない。
ISO は低感度で三脚を使い、長時間露光による長い光跡の写し込みを意図している。

32mm/マニュアル露出(F11、30秒)/ISO 100/白色蛍光灯

№53 乗り物

時速250kmで着陸する機体を光亡とともにどっしりと写し止める

構図テクニック
対角線、日の丸、シャッター速度、露出、ISO 感度

焦点距離
約390mm35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-19-52_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-20-5_No-00

構図のポイント

① 日の丸構図で機体のどっしりとした重量感をねらう。
また対角線構図によりこちらにせまってくるような動きを表現した。
なお、露出はこのライトで浮かび上がった部分を重視している

② ライトの光が美しかったので、ヒコーキを確実に止めて写せるシャッター速度とISO 感度を設定した

ライトの光を活かすため被写体の動きは「止め」で撮影

ライトに照らされながら時速250kmで着陸する機体を下から見上げるようなアングルで、その動感を活かしつつとらえた。
このような状況での撮影では、まず進入してくるヒコーキを「止めるか」「流すか」の判断する。
今回は、ライトの光が美しかったのであえて「止め」で撮影した。
確実に被写体の動きを
止められるシャッター速度1/60秒を確保するために、ISO 感度を3200に設定。
また、露出はこの前に着陸した機体であらかじめ計っておき、マニュアルで露出を決定している。
露出の基準はアプローチライトが照らす前輪付近の下部が白飛びしないこと。
機体や光の軸を斜めに構図することで迫力が出る。

300mm/マ二ュアル露出(F2.8、1/60秒)/ISO 3200/オート

№54 スナップ

遊具の動感と子どもの表情を日の丸構図と魚眼レンズで撮る

構図テクニック
日の丸、シャッター速度、露出

焦点距離
約16mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-20-48_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-21-1_No-00

構図のポイント

① 四隅が歪む魚眼レンズでの人物撮影は、日の丸構図で中央に配置するのが必須である

② 華やかなイルミネーションしっかり写るよう、この部分の明るさを重視。
また適度に背景が流れるように、シャッター速度を1/30秒に設定した

遊具に乗って遊ぶ子どもたちのワクワク感はストロボで写し止める

夜の遊園地。
遊具に乗って遊ぶ子どもたちのワクワク感を出したかったので、子どもたちの表情はストロボの光でしっかりと止めて、背景のイルミネーションもしつかり写るように露出を決めた。
また、ぐるぐる回る遊具の動きも出したかったので、背景がぶれるように、シャッター速度を1/30秒に決め
た。
それに合わせてISO 感度を上げたが、暗部のノイズが気になるので感度は最小限に抑えた。
比較的照明が明るく、また被写体がすぐ近くなので、もっとも近くの被写体にピントを合わせる至近優先ダイナミックモードでフォーカスし、はしゃぐ子どもたちの動きを、コンティニュアスモードで追従した。

10.5mm/シャッター優先AE(F4、1/30秒)/ISO 640/オート

№55 スナップ

提灯の配列を斜めに切り取り、明暗の対比で動感を描く

構図テクニック
視線の誘導、引き算、露出、ISO 感度

焦点距離
120mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-21-45_No-00

構図のポイント

① 画面上部から中央にかけて、視線を誘導するように斜めに並ぶ提灯の部分の露出を重視している

② 背景に溶けこむ人やその場の状況を消したくはないので、光がほんのりと感じられる程度に露出を決めた

③ 祭りの人の動きを写し出し、祭りに躍動感を出している

人の動感と提灯の明かりのコントラストを出す

夜の祭りにて規則正しく並んだ提灯の列を主題にして撮影した。
ピントはAFで人物の隣にある提灯に合わせた。
望遠で撮るなら人物の顔に合わせるのが適切なのだが、全体的に雰囲気を出すには提灯に合わせたほうがいい絵作りになると思ったからだ。
露出は和紙の質感や人の顔の明るさ、祭りの雰囲気を壊さぬようして、背景はあまり暗くせず、光がほんのりと感じられる雰囲気を出した。
暗いので絞りは開放にし、ぶれないようにISO 感度を上げて撮影した。
シャッター速度は1/15秒だが、手ぶれ補正を効かせているのでぶれることなく、周りの人の動感と提灯のコントラストも出せた。

120mm/マ二ュアル露出(F4、1/15秒)/ISO 1000/オート

Chapter 6 安定感・存在感を強調させる構図

安定感を出し、存在感を強調させる構図とは?

揺るぎない安定感があり、かつ強い存在感を感じさせる。
そんな写真を撮影するにはどうしたらいいのか?ここでは基本的な構図パターンを活かしきる撮影のポイントを学んでいこう。

どっしりとした古木の存在感を「ハ」の字型の三角構図でとらえる

構図テクニック
三角構図、視線の誘導

焦点距離
35mm

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-11-12_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-11-50_No-00

35mm/絞り優先AE(F11、5秒、-1EV)/ISO 100/5,500K

大木の根元部分にあいた洞から調くバックの緑を、日の丸的なアクセントとして配置し、両側の幹のラインは「ハ」の字を描くように三角構図で構成する。
両サイドはカットし、背景は中央に調く緑のみである。
こうした大胆な構成は存在感を表現するのに最適な構図で、大木が見せるどっしりとした風格までも漂ってくる

より明確な主題設定が基本構図に力をあたえる

安定した構図は誰が見ても不安感を覚えず落ち着いて見られる写真だ。
風景写真では水平・垂直がとれているだけで見るものに安定感を感じさせることができる。
さらに主題に存在感を加味するなら、誰が見ても主題とわかる明解さが必要だ。
そのため主題と副題、あるいは主題と背景の役割分担を明確にした画面構成が重要になってくる。
こうした安定感と存在感のように近しいイメージをもつ2種類の要素を加味することは構図選びをむずかしくさせるが、ハマればそれぞれの相乗効果により全体の印象が向上するのだ。
構図法としては、「三角構図」「シンメトリー構図」が安定感を高めるのに効果的だ。
また存在感を強調するには「日の丸構図」などを加えることで被写体の主題としての分担を明確にすることができる。

要素のポイント

●被写体の安定感を高めるため、「シンメトリー」「三角形」「日の丸」などの構図を活用する
●見る者に不安感をあたえないよう、画像内の被写体や背景にきっちり「水平・垂直」を正しく出す
●主題となる被写体が際立つよう「露出」を補正して明るさを調整する
●主題と背景をはっきりさせるため「絞り値」を変更して、ぼけで主題の存在感を高める
●主題としての存在感を明確にするため「日の丸構図」などの構図を活用する

写真に安定感や存在感をあたえるテクニック

シンメトリー構図で安定感を出す

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-12-10_No-00

並んだ木立が対比するよう構成する。
こうした構成は画面中央で二分され隙間から見える背景が目立たないように気配りしている。
長所短所が発生しやすいが横長の画面では安定感がでる

露出補正で被写体の存在感を演出する

SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-12-46_No-00

画面奥の富士山は小さくても目立つ存在なので、前景から雲海へ続く山並みとの調和が安定感をかもし出すキーワードとなる。
雲海が目立つ露出設定とアンダー表現で対角線に配した山並みのバランスをとっている

№56 自然・風景

ぼかした背景色との対比で中央に配した花の存在感を強調する

構図テクニック
引き算、日の丸、露出、絞り値

焦点距離
150mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-22-53_No-00

構図のポイント

① 花を日の丸構図で中央に配置する。
花の場合は被写体の大きさを全体の2/3以下にするのが理想的だ

② シベが見えない花はヒントがつかみにくい。
その際には、レンズにもつとも近い花びらのエッジにするのがよい

③ 主役を引き立てるため背景は思い切ってぼかす(引き算)

④ 画面上部は左右の広がりに比べやや狭めにスペースをとる

色彩の強い大輪のダリア。色がきつくならないよう撮影する

夏の暑さをものともせず咲く、大輪のダリア。
花そのものに迫力があり、色彩も強いので撮影する際はどぎつくならないように注意して撮影した。
画面に安定感を出す基本として、被写体を中央部に配置する日の丸構図で撮影した。
重要なのは背景との割合で、花の場合は被写体を全体の2/3以下にするの
が理想的だ。
背景は思い切ってぼかすのがポイント。
また、色彩的に対比の効果をもつように配慮したい。
そのことによって主役がいっそう引き立ち、安定感が増してくるのだ。
画面上部は左右の広がりに比べ、やや狭くするとよい。
バランスが整うことでさらに安定感が引き出される。

150mm/絞り優先AE(F5.6、1/80秒)/ISO 200/晴天

№57 動物

並んだネコをバランスよく配置して安定した構図を作る

構図テクニック
対角線、視線の誘導

焦点距離
170mm

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構図のポイント

① 奥で横たわるネコ2匹がこの写真のメインだ。
ネコを対角線構図で配置。
これにより、動感と安定感を同時に出している

② 向きや毛並みが異なるこのネコは奥のネコとの対比を表現。
このネコの存在が奥の2匹へと視線を誘導している

③ 側溝のラインを意図的に画面に入れてネコの並びを強調する

望遠レンズのもつ圧縮効果でネコの間隔を縮める

ネコはほかのネコとはある程度の間隔を保って座ったり、寝ていたりすることが多い。
だが、仲のよいネコたちは、このようにほぼ等間隔で寝ていたりすることもあるのだ。
そんなネコたちの間隔を望遠レンズのもつ圧縮効果を使って縮めている。
この写真では画面奥と中央のネコ2匹の並びぐあいが写真
のメインとなっている。
手前のネコは向いている方向や毛並みも違うので、あえてこの位置でぼけさせてそのほかのネコと対比させた。
駐車場で撮影したためクルマが写っているが、なるべくクルマとわからないようにフレーミング。
右側の側溝やブロック堀のラインを画面に入れて、ネコの並びを強調した。

170mm/絞り優先AE(F13、1/100秒)/ISO 400/太陽光

№58 自然・風景

タ日の太陽を画面の中央に置き、三分割構図で安定感を出す

構図テクニック
三分割、シンメトリー、日の丸

焦点距離
約340mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-23-43_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-23-52_No-00

構図のポイント

① 画面全体を三分割構図で構成し、太陽を日の丸構図でとらえて安定感を出した。
上下の景観の違いを対比させ、シンメトリー的に見せるために、この位置を選んだ

② 浜辺から続く岩の存在は、シンプルな海原だけのシーンと違って特異な光景として着目できる

③ 太陽からのグラデーションを見せるため、太陽の上の空は海原と同サイズの範囲を確保している

太陽、雲、海原の3つの要素を縦位置の構図にまとめる

海辺のタ景。
太陽、雲、海原、大きく分けて3つの要素を縦構図にまとめて撮影した。
それぞれの役割分担は、太陽が存在感。
雲は色彩。
海原は状況描写と安定感に役立てた。
真んなかに太陽を入れた日の丸構図だが、じつは上下の景観の違いを対比する上で選んだ位置である。
露出をアンダーにすることで印
象的な光景とした。
また浜辺から続く岩を画面下に集めながら、シルエット化した浜を最下部に入れることで縦構図に安定感が増してくる。
上空の薄らぐ高層の雲は光が届かないため色も冷めている。
だが、薄雲の割合は海原と同サイズ。
太陽からのグラデーションを見せるためにも適した範囲である。

260mm/絞り優先AE(F18、1/640秒)/ISO 100/オート

№59 自然・風景

雪原の立木は濃い色の枝に注目して安定感のある配置を探る

構図テクニック
視線の誘導、被写体の規則性、日の丸

焦点距離
約270mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-24-36_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-24-47_No-00

構図のポイント

① 日の丸構図で安定感を出し、同時に被写体に集中させる。
右に広がる枝と上方に伸びる枝の重量配分を考慮して幹の部分をやや左に移動した。
これにより安定感が増した

② 雪原の終わりはバランスをとって中央から少し上に配置する

③ 林は立木の状況がややわかる程度までヒントを浅くした。
これにより、枝の規則性を表現でき、枝に沿って視線が誘導される

動感をそこなわないために幹の根の部分に雪を残す

山形県の村山市付近にて、日没後の薄暗がりで雪の風景を写しとった。
この写真の主題は木。
重量配分をめぐって配慮が必要だ。
右に広がる枝と、上方に伸びる枝によって重心が右上に移動してしまう。
このため、幹の部分は左に移動した。
そのうえで、動感をそこなわないために幹の根の部分に雪を残した。
背景の雪原は、雪原の終わりを画面のほぼ中央に配置。
白い雪原が背景に多く入ったほうが枝の状況がよくわかるのだが、やりすぎては背景の落ち着きがなくなってしまう。
その上の林は画面を締める役割だが、あまりはっきりとピントがきてはうるさくなるので注意が必要だ。

135mm/絞り優先AE(F4、1/40秒、+0.3EV)/ISO 800/晴天

№60 自然・風景

散った花びらを画面中央に配し、形がくずれたー瞬をねらう

構図テクニック
対角線(交差)、日の丸

焦点距離
約105mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-25-4_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-25-17_No-00

構図のポイント

① 対角線の重なるポイントに、ハスの花とハスの葉の中央の水たまりを日の丸構図で配置する

② 動きが出るように花びらのうち1枚だけが動いて形がくずれたー瞬をねらう

③ 花びらのピンクと葉の緑以外の要素を徹底的に除去するよう画面の四隅に注意する

散った花びらがもつ独特の美に着目

ハスの花は豪華で神秘性ももっており、迷わずカメラを向ける被写体だろう。
よく見るとハスの葉の中央に水がたまり、散った花びらが風に吹かれて集まっている。
この形のおもしろさを安定感のあるものとしてとらえようと、画面の中央に配置した。
散つている花びらはつい見落としがちだが、そこにも独
特の美があるのだ。
撮影は花びらのうち1枚だけが動かされ、形がくずれた一瞬をねらった。
この作品で重要なのはフレーミング。
画面のなかを花びらのピンクと葉の緑だけでまとめ、訴えたいものをストレートに表現している。
ほかの要素を徹底的に除去するように、画面の四隅に注意した。

70mm/絞り優先AE(F5.6、1/60秒、+0.3EV)/ISO 100/太陽光

№61 ポートレート

黒い背景に合わせて顔も暗めにして落ち着いた大人っぽさを出す

構図テクニック
日の丸、露出、絞り値

焦点距離
80mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-25-29_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-25-41_No-00

構図のポイント

① 人物の顔を日の丸構図でとらえる。
これはフレームで区切られたとき、人はまず中心付近を意識するからである。
また、ボートレートで重要なのは顔の描写だ。
露出はこの部分を重視している

② 大人つほい落ち着いた雰囲気を出すため余計なものは排除。
背景を黒一色にした。
この背景の黒は肌の明るさといいコントラストになるよう露出を調節している

黒い背景に合わせて顔の露出も標準よりアンダーにする

ポートレートでもっとも大事なのは顔の描写であるが、大人つぼい落ち着いた雰囲気を出すなら黒い背景に合わせて顔の露出も標準よりアンダーにするのが効果的。
背景の黒はしっかりと黒く、肌の明るさともバランスのいいコントラストになる。
マルチパターン測光は画面全体から露出を決定するので、
画面全体をヒストグラムの範囲内に収めるような露出になり、汎用性はあるものの求める表現ではない。
スポット測光で顔の露出を測り、アンダーに補正することで、大人らしい落ち着きのある仕上がりを得られた。
また黒い背景に溶け込んでいく感じを表現するには、ぼけ味がほしいので、絞りは開放にした。

80mm/マニュアル露出/(F2.8、1/125秒、-0.7EV)/ISO 400/晴天

№62 動物

瞳にのみピントを合焦させ、シカの前後をぼかして存在感を強調する

構図テクニック
シンメトリー、日の丸、較リ値

焦点距離
約780mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-27-55_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-28-5_No-00

構図のポイント

① もっとも見せたいのはこの部分。
日の丸構図とシンメトリー構図を組み合わせて中央に視線を集める。
シカの視線を強調するためピントは瞳だけに合うようにした

② うしろのディテールを大きくぼかすことでエゾシカがグッと前に出る

③ 前景にある太めの茎で奥行き感を作り、画面に動きを与えている

秋の草原で遭遇したシカの強い存在感はピントの位置で演出する

秋の草原でエゾシカがこちらを向いた瞬間、600mmF4レンズでその顔を中心にしてとらえた。
カメラとエゾシカの距離はだいたい20m。
そこからうしろの草原が後方に立ち上がる感じで40〜50m続いていく。
絞りは開放F値にしてうしろをぼかしている。
視線を強調するためピントは瞳だけに合うよ
うにして、ぼかした背景から顔の部分だけを浮かび上がらせている。
距離の離れた被写体のポートレートには、大きくぼかせる超望遠レンズがベストだ。
さらに前景にある太めの茎が奥行き感を作り、画面に動きを与えている。
前景の茎がなければスッキリとした写真になるが、おもしろみに欠けてしまう。

600mm/絞り優先AE(F4、1/320秒)/ISO 200/太陽光

№63 動物

ぼけとピント位置の対比を使い、背景を整理して主役を浮きたたせる

構図テクニック
視線の誘導、対角線、引き算、絞り値

焦点距離
約200mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① チョウの向きに合わせて対角線構図で花と背景に分ける。
対角線上に被写体を置くことで、安定感と動感が表現できる。
また、青丸で囲んだ部分それぞれを結んだ三角形を面でとらえてヒントを合わせると、より画面が引き締まる

② ぼけを活かして背景を整理する(引き算)。
また、背景が大きくぼけることで主役へ視線が誘導される

周囲の花から少し飛び出して咲いている花をねらう

花にとまったチョウを対角線構図でとらえた。
こういった撮影では周囲の花から少し飛び出している花をねらおう。
背景を処理しやすいうえ、こうした場所に昆虫は止まることが多い。
カメラからチョウまでの距離は約80cmで背景の植物までの距離は約2m。
これぐらいの距離が保てると、背景のぼけが自
分の好みになるように撮影位置を変えながら構図を調整するのが比較的容易だ。
ぼけを活かすには、合うべきところにピントが合っていることが大前提。
昆虫の場合は図の青線で囲んだ複眼。
両者の対比が大きいほど主役が美しく浮き上がる。
このレンズはF4でそれがもっとも両立するので気に入っている。

100mm(200mm相当)/絞り優先AE(F4、1/640秒、-1EV)/ISO 200/オート

№64 自然・風景

逆三角形構図を使い、広い空で測光してシルエット表現する

構図テクニック
三角、シンメトリー、露出

焦点距離
約18mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-28-50_No-00

構図のポイント

① この部分の露出を重視している。
画面周辺の明るさがやや落ちることも計算している

② 空の存在感を高めるために、逆三角構図で画面いつはいに入れる。
また、シルエットをシンメトリーにすることで不思議な世界感が出た

大浦天主堂のシルエットと雲のトーンに注目して露出を決定

長崎の大浦天主堂と周囲の木々の上空で逆光に輝く雲がとても印象的だった。
雲のトーンと太陽の光、そしてそれと対比させるように大浦天主堂と周囲の木々をシルエットぎみにするため、雲を中心とした露出に決定して撮影した。
スナップショットでは複雑な要素は増やしたくないので、カメラにまかせ
られる部分はまかせてしまっている。
なおこの撮影では露出補正を行っていない。
ISO 100で絞りF11、シャッター速度が1/800秒だと、通常ではかなりアンダーになるはず。
大浦天主堂がどれだけシルエットになったか、そして雲のトーンがどれだけ再現できているかに注目して露出を決定した。

9mm/プログラムAE(F11、1/800秒)/ISO 100/オート

№65 自然・風景

広角レンズの前ぼけを使い、小さなウメの存在感を強調する

構図テクニック
対角線、日の丸、リズム、ピント

焦点距離
33mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-29-14_No-00

構図のポイント

① 存在感を強調したいのはウメの花。
ウメの花のさわやかさを表現することを目指した

② 広角レンズで思い切り背景を取り入れる。
絞り込んで被写体が背景に溶け込まないよう、絞り値は開放近くを選択した

③ 近接のウメを前ぼけとして遠近感を強調することでリズムが生まれ、構成上のアクセントとになった

梅林だとわかる背景を選択することで撮影時の環境も写し込む

雲ひとつない青空の下で咲くウメの花を画面中央にくるようにして撮影した。
このウメの花をさわやかに写したかったので、広角レンズで思い切り青空を背景に取り入れてみた。
また梅林であることがわかる背景を選択することで撮影時の環境も写し込んでいる。
もっとも近接のウメの花は前ぼけとするこ
とでリズムが生まれ、遠近感の強調と構成上のアクセントになった。
ウメの花と背景の木立とはかなりの距離差となっている。
もしも、距離が近いと背景がぼけきらずにうるさくなり、花の存在感が出てこない。
また、前ぼけとなった花との距離は近いのだが、被写界深度が浅いために大きくぼけた。

33mm/マ二ュアル露出(F4、1/500秒)/ISO 200/太陽光

№66 自然・風景

花の色みを重視した露出設定でシダレザクラの存在感を強調する

構図テクニック
被写体の規則性、露出

焦点距離
110mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-30-14_No-00

構図のポイント

① この撮影では枠で囲んだ部分の露出を重視している

② シダレザクラの花びらが画面からまるであふれるようなイメージでフレーミング。
被写体の規則性により、画面に動的な効果が出ている。
早朝撮影による青かぶりを損なわないように露出に気をつけた

補正のしすぎに注意しながら早朝の青かぶりを取り入れる

画面いっばいに咲き乱れる満開のシダレザクラ。
その清楚な美しさを引き出すことをねらって撮影した。
そのため、花の白さを出しつつも花びらの階調を失うことのないように気をつけた。
白の階調を表現する露出はむずかしい。
とくに早朝の青かぶりを取り入れる場合は、補正のしすぎに注意したい。

のなかでも明るいところと、そうでないところが混じり合った状況では、中央部重点平均測光の相対値が使いやすい。
ISO 感度は上げずに絞り込んで被写界深度を深くするとともに、レンズの解像度を活かせる絞り値とした。
シャッター速度は標準露出からプラス側に0.3EVぐらいを目安に決定した。

110mm/マ二ュアル露出(F11、1/3.2秒)/ISO 100/太陽光

№67 動物

紫色の花を前ぼけに使って子イヌの存在感を引き立てる

構図テクニック
三分割、足し算、日の丸、絞り値

焦点距離
300mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-30-37_No-00

構図のポイント

① 三分割構図で安定した構図を作り、さらにイヌが引き立つように日の丸構図で配置した。
画面からシバイヌを浮き立たせようと、絞り値を開放F値にして撮影した

② 足元の雑草部分に紫色の花をぼかして入れたことで(足し算)、よりシバイヌが引き立った

花をぼかし入れることでさわやかさもプラスされた

梅雨の合間を縫った緑いつばいの公園。
緑の森を背景に嫌々しく立ちっくすシバイヌを画面中央に置き、さらに画面から浮き立たせようと絞り値をF2.8の開放にして撮影した。
シバイヌとの距離は約20m。
背景の森はシバイヌからさらに70〜80mほど離れたところにある。
コンクリートで覆われた花壇
のすぐ手前からペチュニアの花先だけをフレーミング。
緑の森はきれいなぼけ味の森に変化した。
足元の雑草部分に紫色の花をぼかして入れたことで、よりシバイヌが引き立っている。
撮影時は日が差さないため、いまひとつ鮮やかさが不足ぎみだった。
鮮やかさよりもさわやかさを感じる写真になった。

300mm/絞り優先AE(F2.8、1/1,600秒)/ISO 400/オート

№68 乗り物

背景をぼかし、配置に工夫して 電車と花、両方の存在感を出す

構図テクニック
視線の誘導、日の丸

焦点距離
30mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-34-11_No-00

構図のポイント

① 列車を背景にしてぼかしつつ、シャッター速度を速くして列車 の存在感を強調する

② メインとなる花を日の丸構図でとらえる。花が背景の列車に埋 もれないよう花びらを列車に少しだけかぶせる

③ レンズの最短撮影距離までポピーに近寄って背景をぼかし、 被写体を浮き立たせる。視線を花へ誘導する効果もある

花びらが背景に埋もれないよう列車にちよっとでもかぶせる

ポピーが咲き乱れる花畑を前景、列車を背景にして撮影した。
あくまでも鉄道写真なので、背景を走るのは列車だとわからせなくてはならない。
しかし、あまり絞り込むと列車がぶれてしまう。
そのため高速シャッターである1/1,250秒とF5という絞りを選択した。
前景の花畑の広がりを見せるためには、撮
影位置を高くすればいい。
しかし、それではメインのポピーが背景に埋もれてしまう。
ポイントは、花びらが列車にちよつとでもかぶさるようにすること。
これで遠近感も存在感も生まれる。
本当ならもう少し被写体に近づいて、花そのものの迫力を出したかったところだ。

30mm/絞り優先AE(F5、1/1,250秒)/ISO 200/太陽光

№69 スナップ

適度な明るさで背景をぼかし、三分割構図でグラスを浮き立たせる

構図テクニック
三分割

焦点距離
200mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-34-26_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-34-36_No-00

構図のポイント

① 三分割構図でグラスを配置。
背景が重くならず、グラスのトーンが出るよう明るさのバランスに気を配っている

② 多分割測光でグラスと背景をイメージどおりの明るさに仕上げた

③ 絞り開放にして手ぶれを防ぎ、背景の花をぼかしてグラスを浮き立たせる

多分割測光でイメージどおりの明るさに仕上げる

窓から差し込むやわらかい光で輝くグラスを主題にして撮影した。
光は明るいとさわやかになるが、グラスのトーンが出ない。
また暗くするとグラスの光は強調されるが、背景が重たくなってしまう。
ここではグラスの明るさと背景の明るさのバランスに気を配った。
スポット測光でグラスを測光するとア
ンダーに、一方、背景を測光するとグラスがオーバーになってしまう。
多分割測光でカメラにまかせたところ、イメージどおりの明るさになった。
なお絞り開放にしているのは、速いシャッター速度で手ぶれを防ぐ目的もあるが、テーブルに置かれた花を大きくぼかして、グラスを浮き立たせるねらいもある。

200mm/絞り優先AE(F2.8、1/125秒)/ISO 200/オート

№70 動物

ぼかした花を対角線上に配置し、主役のトリに華を添える

構図テクニック
対角線、露出

焦点距離
約1120mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-35-8_No-00

構図のポイント

① ノゴマを中心に、手前の花と奥の花が並ぶ対角線構図となってる。
ノゴマが背景に溶け込まないように被写界深度の浅い超望遠レンズを使用して背景をぼかした

② 主張の強い黄色い花を前ぼけおよび後ぼけとしてひかえめに取り入れる

地味な野鳥に黄色い花が彩りを添える

ノゴマはスズメ目ツグミ科に分類される全身薄茶色の比較的地味な野鳥だ。
全長は15.5cmほど。
そんなノゴマが木の枝に止まっているところをねらってみた。
ノゴマを中心に前後の花が対角線を描くよう撮影ポジションを整えた。
この写真では、ノゴマのほかに、画面を彩るプラスアルファの要素としてエ
ソカンゾウの花を取り入れていることがポイント。
しかし黄色い花は主張が強いので、前ぼけおよび後ぼけとしてひかえめに季節感を取り入れた。
カメラからノゴマまでの距離は約10m。
メインの被写体から背景および前景までの距離をできるだけ空けることで、最大限のぼけを得ることができるだろう。

700mm/マ二ュアル露出(F5.7、1/1,000秒)/ISO 200/マ二ュアル

Chapter 7 キラめきを活かした構図

キラめきを活かした構図とは?

太陽の日差しや夜のイルミネーションなどをきらびやかに撮影したい。
そんな輝きを活かすにはどうしたらいいのか?
ここでは光の強い印象を活かす構図と写真のテクニックを伝授する。

キラめく太陽の輝きを水面で写し取る

夜の湖面に反射する月光のキラめきをとらえた。
月は太陽と違い光量が弱く反射の具合で階調も豊かに再現できる。
さらにこのときは月が低く位置し、キラめきが逆三角形に伸びていた。
キラめきだけでは内容が乏しいと考え、対岸に連なる稜線と上空を縦位置の構図に収めた

構図テクニック
逆三角、視線の誘導

焦点距離
130mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-21_19-14-54_No-00

130mm/絞り優先AE(F11、1/8,000秒、-3EV)/ISO 100/太陽光

要素のポイント

●水面に反射したキラめきは「三分割」「シンメトリー」「三角」などの構図で取り込むと効果が高い
●色鮮やかな光を表現するため「露出」を補正してコントラストを高める
●キラめく星の形を「絞り値」を調整することで演出する

キラめきを見つけたら露出コントロールで勝負する

キラめきを活かした作品には、左の作品のように水面に反射する光を主題としてとらえたものや、絵柄の背景または一部に光の反射を取り入れたものなどさまざまだ。
風景だけでなく、花のクローズアップでもキラめきは人気のモチーフだ。
心ひかれる自然光の反射や人工光の輝き、ピントを合わせた前後に生まれるキラめきはどんな構図でも効果的だ。
これらキラめきを取り込む際は、露出補正を活用したい。
華やかなイルミネーションならプラスに補正するなど露出をコントロールすることで自分が思い描くキラめきを演出できる。

写真にキラめきをあたえるテクニック

絞り値+クロスフィルターで作るキラめき

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絞りを絞って点光源を星状にしたが、もう少し光跡がほしい。
そこでクロスフィルターを装着して、意図的に演出した十字のキラめきを三分割構図で配置し、主題と副題を明確にしている

長秒露光が生むキラめき

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夜空を彩る花火もキラめきを活かした被写体である。
打ち上がって夜空に咲く大輪の花の光跡を長秒露光で描きだし、それぞれの花火をバランスよく三分割構図でとらえた

№71 乗り物

新幹線を対角線上に配置し、半逆光のなかに車両を浮かび上がらせる

構図テクニック
視線の誘導、対角線、露出、シャッター速度

焦点距離
約550mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① タ陽が被写体の側面を照らすことを想定して撮影場所を選定

② アウトカーブで列車が弧を描く場所を選べば車両が対角線上に配置されて動きと迫力が出る

③ 光を浴びた列車を浮かび上がらせ、背景が暗く沈むようにすると、主張したい部分が見る側にストレートに伝わる

露出に注意してタ陽で輝く500系「のぞみ」の華麗な雄姿を撮影する

山陽新幹線は福山から新尾道にて、ラストランに向けて疾走を続ける500系「のぞみ」。
この華麗な雄姿を写真におさめた。
構図はアウトカーブで列車が弧を描くように外に逃げていく場所を選べば、自然と車体が対角線上に配置される。
これで直線で撮るよりも動きが出るし、迫力が増す。
撮影では被写体の側面をタ陽で照らし出すことを思いついた。
一般的な列車だと、このような半逆光のシーンでは先頭部が真っ黒に潰れてしまう。
しかし新幹線は先頭部が曲線なので、いいぐあいに光が回ってくれた。
マニュアル露出で背景を暗く落とし、列車が浮き立つように絞り値とシャッター速度を選択した。

420mm/マニュアル露出(F5.6、1/500秒)/ISO 400/太陽光

№72 ポートレート

三角構図で表情を引き立て前ぼけにキラめきを取り込む

構図テクニック
三分割、対角線、絞り値

焦点距離
75mm

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構図のポイント

① 三分割構図で主題や背景をバランスよく配置し、対角線構図で人物の表情に意識がいくようにした

② フラットな光だったので、画面のポイントになるものがほしかった。
そこで自転車のハンドル部分を前ぼけでとらえ、シルバーに輝くキラめきをアクセントにした

③ 街並みの背景を後ぼけにすることで主題のモデルが引き立った

輝く自転車のハンドルをアクセントにしてモデルの表情を引き立てる

東京・恵比寿の裏道をモデルとふたりで歩きながら、ピン!ときた場所で撮影した1枚。
モデルがなに気なく自転車にもたれるたところをねらった。
モデルの表情に意識がいくよう、対角線(交差)構図でとらえる。
主題と背景のバランスは三分割構図で整えた。
モデルを引き立たせることが重要だから、前ぼけに赤色や黄色といった強い色みのあるものは、あえて入れていない。
しかし画面を印象づけるアクセントはほしい。
そこでキラキラと輝く自転車のハンドルを前ぼけに入れてみた。
想像どおりこのキラめきがいいアクセントになり、モデルの表情をさらに引き立てる結果となった。

MACRO/75mm/マ二ュアル露出(F2.8、1/125秒)/ISO 250/オート

№73 スナップ

露出補正を工夫してツリーのイルミネーションだけを目立たせる

構図のポイント

構図テクニック
シンメトリー、露出、ピント

焦点距離
約104mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① ツリーが上から下に広がる様子と街の雰囲気を表現するためにシンメトリー構図で構成した

② イルミネーションの明かりを色を鮮やかにするために、露出をプラスに補正した

ツリーの広がりを感じさせる左右対称な構図を選ぶ

クリスマスの札幌駅広場にて、三角系状に束ねられたイルミネーションで飾られたツリーを撮影した。
ピントはツリーの中心付近にAFで合わせたあと、ライブビューモードに切り替えてツリーの構図を決めた。
画面中央に配置したクリスマスイルミネーションが上から下に広がるようすと街の雰囲気を表現するために、左右対称になるように構成。
ツリーだけを目立つように絞りを開放にして撮影した。
また、イルミネーションの明かりの色を鮮やかにするために、露出をプラスに補正した。
露出は中央部重点平均測光で、ライブビューとヒストグラムで確認しながら決定している。

65mm/絞り優先AE(F4、1/15秒、+1EV)/ISO 200/オート

№74 スナップ

タやみ迫る高架とテールランプでS字と対角線構図をつくる

構図テクニック
視線の誘導、対角線、S字、露出

焦点距離
32mm

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構図のポイント

① 画面中央に向かうクルマの光跡の上に、対角線を構成する高架を重ねて奥行きを出す。
また、この高架から下の道路までS字構図となる

② クルマの光跡を長時間露光で描く。
中央奥に向かって視線が誘導される

③ 空の明るさは、高架が闇に溶け込んでしまう直前の明るさを重視した

暗くなりきる前の少し明るいときこそ夜景の撮影に適している

夜が迫り、空が暗くなって高架が間に溶け込んでしまう直前、少し明るさが残る高速道路にて高架とクルマの光跡で画面中央に吸い込まれるようなイメージで撮影した。
夜景は夜に撮るものと思われがちだが、じつは夜になる直前がいちばん撮影に適している。
露光時間が長く、クルマの光跡もいい感じ
に伸びてくれた。
遠景が中心のこのような写真では、ピント合わせはAFが便利だ。
測距点も全自動でだいじようぶ。
多少ずれても被写界深度以内だ。
心配なら複数枚撮っておこう。
街灯からの光亡を得るために絞り込み、その結果長くなった露光時間で、クルマの光跡が長く伸びて予想どおりの絵が撮れた。

32mm/絞り優先AE(F11、15秒)/ISO 100/白色蛍光灯

№75 乗り物

タ焼けのなか暗くならない露出で輝きのあるシルエット表現をねらう

構図テクニック
三分割、日の丸、露出

焦点距離
約780mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 日の丸構図で機体をしっかりと中心に配置する。
ヒコーキが太陽に飛びこむタイミングは1日1機あるかないかのチャンスだ。
そのため、撮りたい構図になる前後のタイミングで連写をしてベストなものを選ぶといい

② 太陽が画面に入る場合、そのまま露出を計ればアンダーになる。
太陽か入らない位置で露出を計ると適正露出になる

中間トーンを出すためにスポット測光を使用する

タ焼けを背景に飛び立つヒコーキのシルエットを画面中央にとらえた1枚。
タ焼けは刻々と露出が変わる。
太陽を画面に入れる場合、そのまま太陽に向けて露出を計ればアンダーな写真になってしまう。
そこであらかじめ太陽が画面に入らない空で露出を測り、露出を固定しておくのがコツだ。
空の明るい
部分でも暗い部分でもなく、中間トーンの明るさを出したかったため、スポット測光を使用。
露出はヒコーキがタ焼けにからむ前の位置から追いかけるので、マニュアル露出で設定した。
シャッター速度は超望遠レンズのため、ぶれも考慮して1/1,000秒、絞りはそれに準じて算出している。

600mm/マニュアル露出(F10、1/1,000秒)/ISO 400/オート

№76 スナップ

雪に反射する村落の家々や、街灯の明かりを三角構図に活かす

構図テクニック
三角、露出、ピント

焦点距離
35mm

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構図のポイント

① 眼下に広がる村落を見下ろすように撮影。
三角構図に収まるように撮ることで、安定感がぐっと増す

② 雪に反射した家や街灯の明かりの色に着目。
民家の暖かなキラめきを強調するために、ホワイトバランスを白熱電球にした

チャンスを逃さず冬の村を暖かく包む明かりの美しさを演出する

雪の多い奥会津の檜枝岐村(ひのえまたむら)を上から見下ろすように撮影した。
ピントは画面の下から1/3あたりの明るい部分に合わせた。
家や街灯の明かりが雪に反射するので、雪の色が明かりの色で映えるよう意識した。
そのため、空の色が完全に漆黒に変わる直前の時間帯に撮影することで明かりの
色やコントラストがイメージに近くなった。
村の明かりが暖かみのある色になる時間は日没後40分くらいなので、その時間を待って撮影。
ISO 感度を上げたので、家の明かりや外灯の明かりが白飛びしないように、撮影時はライブビューにして、液晶モニターでヒストグラムを確認している。

35mm/絞り優先AE(F8、1/4秒)/ISO 800/白熱電球

№77 自然・風景

星空の輝きと雪景色の白さを三分割構図でバランスよく表現する

構図テクニック
視線の誘導、三分割、露出、シャッター速度

焦点距離
16mm

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構図のポイント

① 三分割構図がベースになっているが、星空の広がりを重視し、空の比率をやや多めにしている

② 半月以上の月夜はとても明るく、雪は白飛びしやすいので注意。
また、雪の道が画面奥に向かって視線を誘導している

③ 実際に星空を見上げたときのイメージを重視して、星が流れてしまわないよう、露光時間を設定した

星空を見上げたときのイメージを重視して写し止める

月夜の晩、満天の星空と雪景色の地上風景を対比させるように三分割構図で写し止めた。
露出過剰になると昼間の風景のような印象になってしまう。
とくに半月以上の月夜はとても明るく、雪は白飛びしやすい。
星空と雪原をバランスよく写すことに注意して撮影した。
この作例ではきらめく星々をたくさん
写すため、ISO 感度を高めに設定して、絞りは開放で撮影した。
実際に星空を見上げたときのイメージを重視して、星が流れて写らないよう露光時間を決めた。
ピントは星に合わせるので無限遠が原則。
AFはまず機能しないのでMFで合わせる。
ライブビューを利用し、明るい星を拡大表示させると合わせやすい。

16mm/マ二ュアル露出(F2.8、20秒)/ISO 1600/白熱電球

№78 スナップ

ライトで川の流れを浮かび上がらせライトアップされた橋と対比させる

構図テクニック
二分割、露出、シャッター速度

焦点距離
50mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-39-17_No-00

構図のポイント

① 瀬の水流を近景、ライトアップされた橋などを背景に対比させる。
この部分の明るさと水流の白さのバランスが重要だ

② 長時間露光で瀬の部分にライトを当てることで水流を浮かび上がらせる。
ベストな露光時間を知るために何度が撮影する

③ 橋と瀬を上下二分割の対比構図になるよう配置して、人工の光と自然光の対比をしやすくする

渡月橋をはっきり見せつつ瀬も結像するようヒントと絞りを調整する

ライトアップされた京都の渡月橋を遠景に、川の流れを近景として上下で対比させるように川のなかから撮影した。
露出は遠景の渡月橋に合うよう、瀬の部分にライトを当てることで水流が浮かび上がった。
画質を重視してISO 感度は100に設定。
絞りをF11に決めれば、あとは渡月橋が露光するようシャツ
ターを開けるだけだ。
その間に瀬をライトで照らし、アンダーやオーバーにならないよう加減して光を与える。
渡月橋をはっきり見せながらも、瀬もある程度結像するよう、ピントの位置をMFで呼令味して決定した。
F11まで絞ったので被写界深度の範囲が広がり、瀬の姿もちゃんと見えている。

50mm/マ二ュアル露出(F11、115秒)/ISO 100/オート

№79 スナップ

ビル群の明かりと水面の映り込みをクールな印象でとらえる

構図テクニック
引き算、二分割、露出、ISO 感度

焦点距離
約38mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 明かりの灯ったビル群とその明かりが映り込む運河に着目。
二分割構図(上下左右を分割した構図法)でビル群と水面への映り込みをほぼ均等になるよう、構図を決めた

② 暗い部分が多いため、窓の明かりが露出オーバーにならないようにマイナス補正を行った

③ 写すビルを決めて、余計と思われるビルは引き算をしている

ホワイトバランスを[電球]に設定してクールな印象を与える

夜の横浜のベイサイドで明かりの灯ったビル群と運河に映り込んだビル群の明かりが上下対称となるよう撮影した。
撮影は橋の上からで、手すり部分にカメラを固定。
できる限りシャッター速度を速くするためにISO 1600、絞りは開放F値に設定した。
クールな印象にしたかったので、RAW現像時にホワイト
バランスを[電球]に設定。
露出はビルの壁、そして全体のトーンを見ながら設定している。
画面に暗い部分の割合が多いため、窓の明かりが露出オーバーにならないようにマイナス補正を行っている。
またピント合わせはビルの並ぶ風景がメインだったので、露出と同じく手前に見えるビルでAFを使用した。

24mm/絞り優先AE(F2.8、1/20秒、ー1EV)/ISO 1600/オート

Chapter 8 幻想的な雰囲気にさせる構図

幻想的な雰囲気にさせる構図とは?

夢見るようなファンタジックな世界をイメージさせる写真が撮りたい。
そんな目で見ている現実を超えた写真を撮るためにはどんなテクニックが必要なのか?構図とカメラテクニックを見ていこう。

虹色に淡く輝く太陽で非日常感を演出する

構図テクニック
日の丸、視線の誘導、露出

焦点距離
42mm

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42mm/マニュアル露出(F13、1/2,500秒)/ISO 100/5,500K

日の丸構図で画面中央にとらえたのは、樹氷群をシルエットに太陽の周りに現れた光の輪、光冠という光の回折現象である。
元は太陽光なので露出を極端に切り詰めることで虹色の輪が再現できる。
そのため景色はシルエット化してしまうのだ。
こうした極端な露出で非日常的な光景を演出することも幻想シーンの楽しみである

不安にさせる構図と揺らぎやアウトフォーカスを使いこなしたい

写真に幻想的な雰囲気をあたえるには、幻想的な効果を前面に押し出した表現が必要となる。
幻想的といえば霧に見え隠れする霧景色や水面に揺らぐ映り込み、アウトフォーカスの人影なども幻想的な雰囲気を感じさせる。
っまり幻想とは夢を見ているような曖昧模糊な描写表現を構図することである。
極端な表現ではピンぼけもそのひとつだ。
ピンぼけに撮影したものとそうでないものを合成しても幻想感は演出できる。
構図法としては、現実感のあるものとそうでないものを「対角線構図」で対比させたり、不安定で緊張感を感じさせる「逆三角構図」で非日常感を演出できる。
カメラテクニックと合わせてチャレンジしたい。

要素のポイント

●暮れゆく空などの淡い色や明度を「露出」を補正して豊かに表現する
●被写体の一部分を「逆三角構図」で切り出すことで非日常感を出す
●夢のなかのような雰囲気を「絞り値」を変更して表現する
●現実感のあるものとそうでないものを「対角線構図」などで対比させる
●水面に揺らぐ映り込みやアウトフォーカスの人影など、幻想的な雰囲気をもつ被写体選びにこだわる

写真に幻想的な雰囲気をあたえるテクニック

被写体の一部を切り取ることで幻想感を出す

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長く伸びた氷柱の一部分を対角線構図で撮影した。
被写体全体ではなく、あえて一部分を切り取ることで幻想感を得られる場合もある。
こうした視点を変えた構図作りもときに必要である

露出補正で幻想感を演出する

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幻想風景の代名詞といえる霧景色。
霧により見え隠れする光景が幻想効果を高め、現実離れした風景を演出する。
見え隠れする木立の存在を構図に活かすことがポイントになる

№80 乗り物

日の丸構図にヒコーキのシルエットを取り込み月夜の幻想感を演出する

構図テクニック
日の丸、露出、ISO 感度

焦点距離
約1344mm(35mm判換算)

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構図のポイント

① 満月の月を中央に置いて安定感のある日の丸構図にする。
きちんと月が中心にくる日の丸構図でないと不自然な構図になり、幻想的な雰囲気はでない

② 月のクレーターが白飛びしないで見えるよう露出を設定

③ ヒコーキが月に入るチャンスにはめったに出合えない。
その瞬間をしっかりとらえたいのでISO 感度とシャッター速度を上げる

試し撮りでクレーターが白飛びをしない露出を割り出す

満月の夜、輝く月を中央に配置し、その月を横切って飛ぶヒコーキを撮影した。
月のクレーターを見せたいので、何度か露出を変えて試し撮りをして、背面液晶モニターでクレーターが白飛びをしないで見える露出を割り出した。
同時にヒストグラムで露出アンダー、オーバーを確認しながら設定。
ワンショットAFにして、ファインダーでピントを合わせた。
月にピントを合わせれば、無限遠に近いピントになる。
手前を通る飛行機にもだいたいピントは合うので、これでよしとした。
しつかりとした三脚に固定しているものの、超望遠レンズが風で揺れるので、ISO 感度を高く設定し、シャッター速度を上げた。

840mm/露出モード(F7.1、1/640秒)/ISO 1600/オート

№81 スナップ

ライトアップされたタケと夜道を印象的に配置する

構図テクニック
視線の誘導、対角線(交差)、露出

焦点距離
24mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-41-9_No-00

構図のポイント

① 対角線構図で竹、ライト、道それぞれを結ぶように配置する。
また露出は画面中央の明かりを受けて輝く路面と竹林を暗くつぶれないよう注意

② ピント合わせは画面中央に伸びるタケから左へ3本目までをヒントの芯としてMFで置きビンする

③ 濡れた路面が視線を画面中央へ誘導して奥行きを感じさせる構図にする

ライトアップされたタケと濡れた道がしっかり見える明るさに調整する

雨で輝く夜道と高々と生える竹林が視線を誘うようとらえてみた。
露出は夜間でライトアップされたタケがしつかり見える明るさになるのが望ましい。
また、道が暗くつぶれてしまっては状況のわからない写真になってしまうので、雨に濡れ、明かりを受けて輝く路面のようすも写しとれるように調整した。

画角がワイドになるほど被写界深度が深まってパンフォーカスが得られやすくなる。
広角域の24mmで撮影するのなら、F11まで絞りを上げれば全体が結像していくだろう。
全体にピントがほしいので絞りはF11以上がいいが、人影が入る前に写したいのでシャッター速度は速いほうがいい。

24mm/マニュアル露出(F11、30秒)/ISO 400/電球

№82 自然・風景

山肌と空のトーンを三分割構図とマイナスの露出補正で表現する

構図テクニック
三分割、視線の誘導、露出

焦点距離
約88mm(35mm判換算)

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-41-32_No-00

構図のポイント

① 澄みわたる空と、もやがかる谷間のギャップを効果的に見せるため、三分割構図で手前に落ち着いた色、背景に明るい色を配置。
これにより、前景から遠景へ視線を誘導させる効果もある

② 朝焼けの空色も取り込んでカラフルになるよう、露出をマイナス補正して豊かな色彩を再現した

山肌の階調が美しくなる露出を選択する

湿度のある重い空気が谷間に沈む山並みを撮影した。
澄みわたる空ともやがかる谷間のギャップが山並みにグラデーションと奥行きを与えている。
露出の意図はこの山並みの再現にある。
朝焼けの空色をキャッチできれば雰囲気もカラフルな装いに。
そのためにも露出を切り詰めて豊かな色彩を重視した。

測光モードは評価測光を選択。
朝焼けの空が飛ばないようにマイナス補正を心がけたが、同時に山肌がつぶれない程度にしている。
絞り値はF11を選択し、露出補正は一0.7EVとした。
山肌の階調が美しい補正値を選んだが、迷いのある場合は段階的な露出補正で撮影後に意図に合うカットを選択するといい。

55mm/絞り優先AE(F11、1/160秒、一0.7EV)/ISO 100/5,500K

№83 自然・風景

ぼけの重なりを対角線構図に取り込んで幻想感を演出する

構図テクニック
対角線(交差)、絞り値

焦点距離
280mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-41-43_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-41-50_No-00

構図のポイント

① 木漏れ日、空盤戦、赤い葉のそれぞれが組み合ってクロスした対角線を描くようバランスよく組み合わせている

② テレコンバーターの装着により開放がF4になったので、F5.6に設定して撮影した。
背景の赤い葉の形がかろうじてわかるような絞り値を選んだ

木漏れ日の光源をぼかし、赤い葉のシルエットで幻想感を演出する

ぼかしたなかにメインの被写体があるだけという絵柄は作風が単調になりがちだ。
そこでこのカットでは空羅にビントを合わせつつ、奥の木漏れ日を光源としてぼかし、それらの間にある赤い葉を幻想的なシルエット調でとらえた。
3つの要素が対角線を描くようバランスよく組み合わせている。
このような
構図ではまずマクロレンズの使用を考えるが、今回のシーンでは空蝶が大きく写りすぎて光源や赤い葉を構成しづらい。
そこで望遠レンズを選択。
望遠の圧縮効果で3つの要素がうまく構成された。
絞りを1段上げることで、空蝶の全体像を際立たせながら、うしろの赤い葉の輪郭を引き出している。

280mm/マ二ュアル露出(F5.6、1/40秒)/ISO 200/オート

№84 自然・風景

三角構図を工夫して天の川の輝きを見たままのイメージで再現する

構図テクニック
視線の誘導、三角、逆三角、ISO 感度

焦点距離
24mm

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SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-42-17_No-00

構図のポイント

① 天の川の露出を重視して画面下の森との対比をつける。
森から天の川へ視線を誘導する効果もある

② 構図を決める前にライブビューで明るい星にピントを合わせる。
ちなみに、森の木々と星で三角構図を形成し、星は逆三角構図を作り出している。
このふたつが重なることで、幻想的かつ安定感のある構図となっている

③ ソフトフィルターを使用して星を大きくにじませる

ソフトフィルターでにじんだ星空のイメージを再現する

夜の森の上に現れた天の川に視線を誘導するような構図を意識して撮影した。
星空は眺めているだけで幻想的だ。
そのなかでも天の川は格別。
空が暗い場所であればたつぶり露光できるが星が動いてしまう。
見た印象の点像を求めるため、広角レンズの場合の点像の限界30秒を基準に設定。
不足の場合は
ISO 感度を上げて撮影している。
また構図を決める前に明るい星を画面中央に入れてライブビューでピントを合わせた。
さらにソフトフィルターを使用して星を大きくにじませイメージアップをはかり、露出や絞りの設定を同じにしてISO 感度を変えて撮影。
ノイズが目立たず迫力のある天の川が撮れた。

24mm/マ二ュアル露出(F1.8、25秒)/ISO 1600/オート

№85 自然・風景

月明かりで照らされた川と稜線を二分割構図で幻想的に配置する

構図テクニック
視線の誘導、二分割、露出、ISO 感度

焦点距離
約27mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-42-29_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-42-37_No-00

構図のポイント

① 山の稜線を中心として二分割構図で輝く川と月をバランスよく配置する。
露出は川と山の稜線が見える明るさに設定する

② 周囲が暗くAFではヒント合わせができない場合、レンズを無限遠にしてそこからMFでヒントを決める

③ 川の流れで視線の誘導をうながす

画面全体をあえて暗く仕上げることで幻想的にまとめる

11月下旬、未明に感々と流れる白馬山麓の松川から白馬三山を撮影した。
月明かりで照らされた幻想的な松川の流れで視線を画面中央に誘い、その先の遠景には白馬三山の稜線が現れるように露出を決めた。
画面全体を暗く仕上げることで幻想的にまとめ
ることができた。
撮影する際はAF、中央1点で月にピントを合わせた。
絞り開放では川の流れと遠景の山がシャープに撮影できないので、F8まで絞って被写界深度が深くなるように設定した。
シャッター速度は1秒より遅くすることで流れが平均化されるのでとくにこだわっていない。
ISO 感度は400でノイズの増加を抑えた。

18mm/マ二ュアル露出(F8、15秒)/ISO 400/オート

№86 自然・風景

輝く丸い玉ぼけを中心に配置して朝露にキラめく草を幻想的に写す

構図テクニック
三分割、露出、絞り値

焦点距離
90mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-42-56_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-43-6_No-00

構図のポイント

① 基本的な構図は三分割構図だが、完全に当てはめると、まとまり過ぎるので若干配置をずらしている。
ここでは中央の青丸で囲んだ影絵のような草ぼけに注目してフレーミングした

② 影絵のようなぼけはしずくより前に草を配置すると現れる

③ 少しでも絞り値を大きな値にする(絞る)と、多角形ぼけになるので、必ず絞り値は開放F値で撮影する必要がある※ー部のマクロレンズでは、開放F値でも多角形ぼけになることがあります

朝露がもっともきらめくアングルを探す

朝露に濡れて輝く草々。
そのキラめきを幻想的にとらえるため、あえて玉ぼけの朝露が引き立つよう撮影した。
朝露の輝きはカメラアングルの選択で大きく変わるので、いちばんキラキラとしずくが輝くアングルを探すことが大切だ。
そうすることで玉ぼけがさらに美しく見える。
ピントの合ったしずくま
でのワーキングディスタンスは約10cm。
ピントの合ったしずくから草の影までの距離は約2〜3cmほど。
遠くなると草の影がぼけてしまう。
ぼけがまんまるになるよう、絞りは開放F値で撮るの鉄則。
影絵のようなぼけは、しずくより前に草を配置すると現れるので、ファインダーを通して探してみよう。

90mm/絞り優先AE(F2.8、1/320秒、+1EV)/ISO 100/太陽光

№87 自然・風景

流れる背景で対角線をつくり、写し止めたサクラとの対比を演出する

構図テクニック
視線の誘導、対角線、引き算

約26mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-43-19_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-43-26_No-00

構図のポイント

① 前景にメインとなるサクラを対角線構図で配置。
サクラの技を斜めに見せることで、それ自体に動きが出る。
さらにカメラを横に振って背景の木々を流し、サクラの存在感を際立たせる

② 背景が流れることで要素を省略(引き算)できる。
ストロボ光が当たる被写体は動きが止まって写るため立体的。
この対比が幻想的な作品になる

微細に描写されたサクラと流れる背景を対比させる

空想と現実の境目、トワイライトゾーンに咲くサクラ。
流れる背景で空想世界、メインとなる微細に描写されたサクラで現実感をイメージするよう撮影した。
撮影時はストロボを強制発光すると同時にカメラを横に振るため、MFでノーファインダーでの撮影。
ピントについては、深い被写界深度を得られる
魚眼レンズの特性でカバーした。
カメラを横に振ることで画面は流れるが、ストロボ光が瞬間的に当たることで動きが止まって写る。
画面に流れを出すには、シャッター速度をある程度遅くしなければならないので、シャッター優先AEで0.4秒に設定。
いくつか絞り値を変えて撮影している。

17mm/マ二ュアル露出(F11、0.4秒)/ISO 400/オート

№88 自然・風景

大きな三角構図に露出を工夫して、月の表情と立木のシルエットを写す

構図テクニック
三角、露出

焦点距離
330mm

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-43-55_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-44-3_No-00

構図のポイント

① 月の模様が飛んでしまわないよう、この部分の露出を重視した

② 月と大地で三角構図を構成。
木の枝が右方向へ向かっているので、月はやや左に配置してバランスをとった。
なお、月以外を広くフレーミングすると、月が明るく写りがちになるので注意したい

薄暗い鳥のコロニーに浮かぶ幻想的な月。その模様も写しとる

満月の空が薄暗くなる時間に、月を頂点に鳥のコロニーとなった木などの情景を取り込んでみた。
月以外を広くフレーミングすると月が明るく写りがちになる。
薄暗い鳥のコロニーに幻想的に浮かぶ月の模様が飛んでしまわないように注意した。
刻々と明るさが変化するこの場面で、いちいちフレーミング
を動かしたくはないので、中央部重点平均測光が最適と考えて選択したが、このような薄暗い場面の月を撮影すると、間違いなく月は明るく飛んでしまう。
月の模様を見せながら薄暗く青みがかった雰囲気を十分に引き出すには、見ためよりやや暗めの-1.3EVの露出補正がベストと判断した。

330mm/較り優先AE(F8、1.3秒、-1.3EW)/ISO 400/オート

№89 乗り物

夜の雨を流星のように光らせてレイルマン比率で列車を流し撮る

構図テクニック
レイルマン比率、露出

焦点距離
約36mm(35mm判換算)

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-44-19_No-00

SnapCrab_NoName_2016-3-23_0-44-30_No-00

構図のポイント

① 構図はレイルマン比率(中井精也氏が提唱している比率)。
画面を縦に4分割した線と、対角線の交点から中心を除いた4点に主題を置くと主題と副題のバランスがとれる

② ピント合わせはAFで画面中央にピントを合わせてからMFに切り替えて撮影。
内蔵フラッシュで雨を光らせて流れ星のような光を演出した

夜の闇に溶け込まない露出に決めて、列車らしさを表現する

肉眼では真っ暗な夜の闇のなか、走る電車を主題、雨を副題にして撮影した。
夜の撮影とはいえ、列車が闇に溶け込んでしまっては列車らしさが損なわれてしまう。
だから背景が空に抜ける場所を選び、空が列車と同化しない露出を選んだ。
夜でも極力列車を光跡にしないのが僕のこだわりだ。
ピント合わせ
は列車がいない状況では不可能だったので、1本前の列車でピントを合わせている。
流れ星のような光を演出するため、雨に向かって内蔵フラッシュを光らせて撮影。
基本露出が変わらないように固定する意味で、マニュアル露出を選択。
感度はISO 400をキープ。
そして、手持ちで流し撮りした。

24mm/マニュアル露出(F4、1/4秒)/ISO 400/オート

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